2014年11月23日日曜日

20141123国家は一つの生物種である(15)―― ヒトの遺伝子の99%は動・植物と共有 ――


 報道によれば、中国は南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島にあるファイアリークロス(同・永暑)礁を埋立て3000メートルの滑走路を建設しているほか、その東側に大規模な軍港施設も建設中であるという。アメリカは中国がその地域で防空識別圏を設定するのではないかと警戒を強めている。

 同諸島はかつてフランスがベトナムを植民地にしていたときフランスが領有していたが、日本が大東亜戦争によりベトナムを植民地から解放し、同戦争終結まで日本が領有していた。その後中国(当時中華民国)が領有したがその4年後の1949年にフィリッピンが領有を宣言し、続いて1951年にベトナムが領有を宣言した。1973年に現在の中国(中華人民共和国)が同諸島の領有権主張を本格化させた。

 日本では尖閣諸島に対する中国の行動と南沙諸島に対する中国の行動を同一視する向きがあるがそれは間違っている。尖閣諸島は歴史的にも明確に日本固有の領土である。一方韓国は日本海を東海と名称変更すること及び竹島が韓国固有の領土であることを国際社会に認めさせようとする運動を展開しているが、日本は歴史的事実に照らし韓国の主張を絶対認めることはできない。ただ日本は韓国が日本の重要な隣国であるので事を荒立てないようにしているだけである。

 日本人は争いを好まず、温厚で礼節を重んじる人種である。しかし日本人は「国家は動物である」「自分の遺伝子の99%は動植物の遺伝子と共有している」「自分は動物の頂点に君臨しているヒトの一員である」という認識を強く抱く必要がある。人はそういう認識を持つならば自分が所属する国家・日本国は他の国家とどう向き合えばよいかという観念がその人に生まれてくるであろう。

 動物は他の動物や植物を食べなければ生きて行けない。動物は生まれた時からその動物の種として存続するように運命づけられており、成長後は自ら生き残るため他と闘争し、或は共存するように宿命づけられている。国家を動物として見るならば、人は諸国家・諸国民の行動を納得することができるであろう。


 戦後日本人は国際社会を構成する諸国の人々が日本人と同じような考え方をするものであるという幻想を抱かされてきた。日本国憲法前文には「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とある。しかし現実の国際社会は動物たちが生存・存続をかけて争い合うような社会である。日本人のようなお人よしの国民が大多数を占める国家や諸国民は現実には何処にも存在していないのである。

 (関連:「パワーゲーム」 http://hibikorejitaku.blogspot.jp/2010/11/20101127.html 
      「40年の歳月」  
    http://hibikorejitaku.blogspot.jp/2010/11/4020101126-40-4033-23-60-24.html )