2016年7月30日土曜日

20160730朝日新聞の購読を始めた


 従来、読売新聞を購読してきた。あるきっかけで購読する新聞を朝日に変えた。一方、ネットで産経新聞を読み、msnニュースで各メディアの記事を読んでいる。この理由は国内の各メディアが言っていることについて批判の目でチェックするためである。

 朝日新聞の購読開始前に今日明日の二日間、サービスで朝日と讀賣の両方の新聞を読むことができる。新聞の購読料は月4000円以上かかるので、一般の家庭で複数の新聞を購読することは難しい。

 今日の朝日新聞と読売新聞の記事を比べてみた。朝日はキャッチフレーズで読者に政治の動きについて批判的な視点を持ってもらうようにしているようである。一方、読売新聞は一般大衆向けの記事にしようとしているようである。

 GPIF(年金積立管理運用独立行政法人)の運用状況について朝日は1面中段で「年金 運用損5.3兆円」という大見出し、讀賣は2面トップで「年金運用5.3兆円赤字」という大見出しでそれぞれ報じている。特徴的なのは、朝日は06年度から15年度までの運用損益と運用資産額の推移を棒グラフで示しつつも、公表が参院選後になったことに「損失隠し」と批判が出ている旨書き、投稿記者の名前を出している。一方、讀賣はそのような棒グラフは示さずサブタイトルに「累積では45兆円黒字」と示し、官房長官が記者会見で述べたことをそのまま報告し、政治面で関連記事を載せている。

朝日新聞には官房長官の発言についての記事は無い。棒グラフを良く見れば、年金運用は累計で大幅黒字になっていることは分る。一方で読売新聞には出ていないが、朝日は5面のトップに「株の比率引き上げ裏目」と言う大見出しで、「GPIF長期戦略を強調」・「識者「国民に説明を」」の二つの副題の見出しを付けて、アメリカ・日本・韓国・カナダにおける公的年金積立金の運用状況をグラフで説明している。

一般大衆は専門的なことは分らなくても「政府がきちんとやってくれさえすればよい」という立場であろう。その政府が本当にきちんとやってくれているのかどうか、ということについて朝日新聞はより多くの情報・資料を提供しており、讀賣は政府の説明内容を報道している。ちなみに、追加金融緩和について朝日は社説で「日銀は政権のしもべか」という見出しで論じている、一方、讀賣は「政府との協調は効果を生むか」という見出しで論じている。

どちらが良いか、ということは新聞の読者の判断次第である。民主主義は、国民が政府の行動に対して批判の精神を持ちつつ、政府が常に正しい行動をとるようにと政府に対して自由にものを言うことによって発展するものである。最も肝心なことは「国民の国民による国民の為の政治」が行われるように、できるだけ多くの国民が政治について発言することである。その発言が活発に行われるような仕組みが社会に構築されていて、それを大切にする文化が社会の中にあるような国が理想的な国である。

そのように進化した国では、特定の思想・信条をもつ団体・組織のリーダーたちが、自分たちの理想を実現させようとして行動を起こしても、社会は常に平和を保つことができることだろう。一方で、公害など社会の中の悪と戦い、悪を無くす運動をする団体のリーダーたちは、初めさまざまな妨害や危害に遭ったとしても、最後には社会的正義を勝ち取ることができる。後者の活動団体は普遍的な信念を持っているので、社会の平和を保つことに貢献する。そのような団体は上述「特定の思想・信条をもつ団体・組織」とは全く違う。

日本には2000年以上続いた男系の天皇がいるゆえに、日本は安定した国家であり続けることができるのである。日本は夫婦別称が当たり前の国に、決してなってはならない。夫婦同一姓は日本においては普遍的な価値観に基づくものである。伊勢神宮も出雲大社も靖国神社も日本にいては普遍的な価値観に基づく文化の象徴である。「神道」という名が付くが、他の「道」文化同様に宗教ではない。神道では「祈り」という宗教的な行事が行われるが、神道は決して宗教ではなく文化そのものである。このような文化を推進しようと活動する団体は、決して「特定の思想・信条をもつ団体・組織」ではない。

日本人は縄文人を基層集団とする多人種の混血の人種であるが、言語文化において単一の民族である。それゆえに日本人は相異なることを一つにまとめて、多様性を統一的に観じとり、極端を好まず、「人類は皆兄弟、世界は一つ」というようなことを言う文化を持っていると思う。そういう文化の中で「道」の精神文化が育まれたと思う。天皇はそのような「道」の象徴的存在である。

日本は欧米諸国の猿真似をする必要は全くない。欧米諸国の精神文化や合理主義的・実用主義的なものの中の良い部分だけを学び取り、日本の中で消化・統一し、日本独自のものにすればよい。日本人は古来そのようにして来た。日本人は我々の先人たちが培ってきた大切なものまで戦後失ってしまった。10代、20代、30代の若い世代の人たちは、そのことに気付き始めているように思う。


新聞やテレビは嘘をあたかも真実のように報道したり、日本人の精神文化を歪めるようなことを主張したりするようなことが決してあってはならない。日本の未来を担う10代、20代、30代の若い世代の人たちに対して、新聞やテレビは正しい情報を提供するように心がけるべきである。そう思いながら今後朝日新聞を購読する。

2016年7月28日木曜日

20160728知的障害者福祉施設で19人を刺殺したその施設の元職員


 一昨日(26日)の深夜、神奈川県相模原市緑区の知的障害者福祉施設で同施設の26歳の元職員が刃物を使って熟睡中の知的障害者を次々刺し、19人を殺し、26人に重軽傷を負わた後、警察に出頭し、逮捕された。

 この元職員は精神障害による不穏な言動があり、相模原市によって精神病院に入院させられていた。しかし、入院後その元職員の精神状態が改善されたとして退院していた。退院したその元職員に対しては、警察及びその施設により警戒・監視の措置がとられていた。

 それにもかかわらず凄惨な事件が起きてしまった。その元職員は日ごろ「障害者は生きていても仕方がない」と口走っていた。彼は勤め先のその施設でもそのような差別発言をして、 自ら退職を申し出て、退職していた。

 このような事件が二度と起きないように緊急に対策が講じられつつある。私はこの事件について、二つの側面を考えるべきだと思っている。一つは、いわゆる危険な「キチガイ」に対する社会全体の目による監視体制と、その「キチガイ」に僅かでも危険な兆候があった場合の法的拘束措置を強化することである。もう一つは「共生」という用語の定義を「お互いに相手に何かを与え合う」という意味にして、それを社会全体で共有することである。

 前者について、「キチガイ」にはテロリストやその予備軍も含めなければならない。この場合、社会全体の利益のため、当該者の人権は制限されるべきである。「性格は生まれつき変わることはないが、行動は教育により変わる。しかし、行動は環境と刺激によって変わる」という認識が社会全体で共有されるべきである。「キチガイ」の行動が良くなったとしても、いつそれが悪くなるか分からないのである。

 後者について、どのような障害者であっても、それぞれ何かについて社会に役立つ部分があるということを社会全体で理解し、共有する仕組みを作る必要がある。健常者が障害者に対して「障害者と共に生きる」と言うのは間違っている。それは健常者が意識していなくても、障害者に対して上からの目線で言っていることである。

 「人権の尊重」・「個人情報の保護」という言葉だけがさも重要であるかのように主張されることは間違っている。社会全体の利益のため、個人の権利はどういう場合にどこまで制限されるべきか、ということについて社会全体で議論し、認識を新たにして、それを社会全体で共有するようになれば、社会はより安全で強固なものになるのではないだろうか。


2016年7月26日火曜日

20160726アメリカ次期大統領と日本アメリカ同盟関係


 都知事選挙では立候補者鳥越氏が民進党・共産党などの支援を受け、反安倍政権の演説を行っている。その安倍晋三首相はアメリカ議会で演説し、先の大戦で敵味方としてお互いに血みどろな戦いをした日本とアメリカの完全な和解を印象付けた。左翼の人たちは日本が再び戦火に巻き込まれるのではないかと不安に思い、また日本共産党のように科学的社会主義思想のもと反アメリカ・反天皇・反自衛隊という目的を達成するため、先ずは安倍政権を打倒しようと闘争している。

 そのアメリカの次期大統領にクリントン氏がなってもトランプ氏がなっても、TPPに関し両者の考え方は同じである。TPPを主導したアメリカはTPPの輪から抜け出そうとしている。両者は共に日本とアメリカの間の軍事同盟の強化が必要であると考えているが、その費用に関しトランプ氏は明確に日本の負担増を求めている。

 先の大戦では日本はアメリカに比べ何倍も何十倍も人々が死んだ。原子爆弾2個と都市への無差別絨毯爆撃で無辜の民が何十万人も死んだ。アメリカはかつて領土拡大の過程でスローガンにしてきた“Remember the Alamo”、“Remember the Main”と同様な手法で“Remember the Pearl Harbor”と言い、アメリカ国民が祖国愛を失うことがないようにしている。

 一方、日本では祖国愛について教えるような目的を持つ記念的な施設はない。靖国神社は戦死した兵士たちの魂を祀るところであり、広島の平和記念資料館は核兵器を廃絶させるためのシンボルとなる施設である。日本にはアメリカのように祖国愛を植え付けるための施設は何処にもない。仮にそういう施設があったとして、其処で内閣総理大臣が国家的行事を行うならば、左翼の人たちは「軍国主義の復活だ」と騒ぐことだろう。

 国家は極めて利己的な、まるで生き物・野獣のような存在である。日本もかつては同様な存在であった。豊臣秀吉は明(当時の中国)を支配下に入れるため朝鮮半島を侵略し、当時の日本軍は非常に多くの無辜の民を殺し、傷つけた。先の大戦でも日本軍は中国大陸で爆撃機による無差別爆撃を行った。南京事件は大いに誇張されているが、日本軍は民間人か民間人を装った軍人かの見分けがつかずに人々を殺した。左翼の人たちは自虐的に日本の過去のみを取り上げるが、アメリカもヨーロッパ諸国も国家として、まるで生き物・獰猛な野獣のように虐殺行為を行った。それが国家の本質である。

 国家は利己的な生き物であり、生存の欲望・利己的な欲望を完全に抑えることが出来ない「人間」と呼ばれる動物の集合的組織体である。ちなみにISも同様であり、特定の思想を持つ人々の集合的組織体も同様である。自由と民主主義を理念とする人々の集合的組織体は平素温和であり寛容であり友愛的である。そうでない人々の集合的組織体は、その思想を固めている理論に縛られるから、場合によってはその思想のため社会を強制的に改造する行動(社会改革)に出るだろう。その根底には人々の集合的組織体の指導者たちの自己保存の欲求がある。その根底にはそういう人たちの自己実現の欲求もある。

 人も組織も国家もそれぞれ自己保存の欲求のため行動している。この地球上のすべての生物も皆自己保存をしようとしてそれぞれ進化している。人も組織も国家も同様に進化の過程にある。日本には民族統合の象徴である天皇がいるから、日本人は日本列島にしか存在していなかった縄文人を基層とする多人種の混血種でありながら単一民族国家を形成し、縄文人を基層とする多人種の混血種であるがゆえに創造性と進取の気性に富んでいるから、日本は非常に良い状態で進化している。

 しかし、日本人が先の大戦の悲惨な経験から、高徳な人間同様に国家も道徳性の高い存在であると思いこみ、日本という国家が軍備を怠るならば、日本の領土・領空・領海は日本に非友好的な国家の軍によって侵犯され、排他的水域も荒らされることだろう。現にその兆候は度々起きている。国家というものは利己的であり、時に猛獣のように振る舞うものであることを、我々はよく認識すべきである。

 日本はアメリカの緊密な同盟国である。しかしアメリカは自分の利益にならないことに対して、血を流してまでして日本を守ろうとはしないであろう。日本人が自らの国は自らの力で守る気概を持たないと、日本はアメリカの言いなりにならざるを得ないことが起きるだろう。日本とアメリカの間で“Give and Take”の関係が重要である。

日本とアメリカの間でお互い利益に満足するような、非常に高度な、かつ密接な意思疎通が必要である。それが日本とアメリカの間の真の共生関係を築き上げ、維持することになるのである。先日アメリカ大統領が広島平和記念資料館を訪問されたように、日本の総理大臣もパールハーバーのアリゾナ記念館を訪問すると良い。一方で政府は、日本とアメリカの間の強固な同盟関係が如何に重要であるか、日本国民に対して積極的に啓発活動を行うべきである。左翼の人たちが何と言おうと、安倍首相が日本国家のためしなければならないことはまだ沢山残っている。


2016年7月13日水曜日

20160713安倍首相の笑顔


 家内と二人で半年ぶりに、空き家になっている田舎の家に帰ってきた。熊本地震や大雨で被害が出ているのではないか、屋根瓦が割れたりして雨漏りがしていないかなどと思いながら帰ってきた。玄関を開けると古びた粗末な靴箱の上に飾ってあった木造りの人形が倒れていただけで、ほかは全く被害が無かったのでほっとした。ところが家内が「台所の流しの蛇口が壊れていて、水が上からあふれ出る」と驚いた声で言う。電話帳で水道工事の店を探し状況を説明すると、「凍結したのだと思います。今ちょうど部品が無いので明日朝修理に行きます。蛇口の左右にマイナスねじのところがあるでしょう。とりあえず今夜はそこをその都度開閉して使うようにして下さい」という。

 翌朝早速修理に来てくれて、部品交換をしてくれて問題は解決した。費用は3万円ほどかかった。修理に来てくれた方は「家を空けるとき水道の元栓を閉めた後、蛇口は開いたままにしておいてください。中に水が残っていると凍結して故障する」と教えてくれた。長年そういうことをせずにいてこれまで何ら問題はなかった。しかし今年の冬は格別冷え込んだため、そのような故障が起きた。考えてみれば寒冷地では、水道の元栓を閉めた後、蛇口を開いておくことは常識である。気温が極端に下がったり上がったりする異常気象のせいで、各地で様々な問題が起きている。

 一息ついてテレビのスイッチを入れると参議院選挙の結果のことや都知事選挙の立候補者の話題ばかり出ている。一市井の老人がつらつら思うに、私憤で政治を行っている者や、私憤で都知事選に出ている者や、私憤で学生たちを導こうと思っている大学の先生が居るようだ、ということである。安倍首相と同じぐらいの年代の男たちが、「俺なら安倍以上のことはやれる、安倍に任せていたらこの日本はだめになる」と思い込んでいるようである。「私憤で政治をやって貰いたくない」、と思っている人たちは案外多いのではないか?

 マスメディアには一般大衆がものごとを正しく判断できる材料を提供する義務がある。マスメディアは一般大衆に対して、一方に偏るのでなく、公平・公正に情報を伝える義務がある。一般大衆もマスメディアの報道姿勢に対して、常に厳しい目を持っている必要がある。そう思い、長年購読していた新聞を読売から朝日に変えた。ただし自分自身が偏向しないように、ネットで産経ニュースも読み続ける。

 msnニュースでdotから出ている“安倍晋三首相を「オレ様化」した傲慢(ごうまん)人間だと断じる精神科医の片田珠美さん”の記事が目に留まった。選挙に勝った安倍首相の満身の笑みは、ちょっと気になっていた。世の中にはそういう感想を持った人も多いであろう。上述の私憤ではないかと思われるような人たちにとって、あの安倍首相の笑顔は最も憎らしい笑顔であったに違いない。

 南シナ海を勝手に線で囲んで、其処は2000年来中国の領海であると主張したことは国際司法裁判所で否定された。中国は東シナ海でも同じようなことを主張している。近未来に中国は日本に対して戦争を仕掛けざるを得ないような状況に追い込まれる可能性がある。左翼の人たちには『Newsweek』の特集記事『アジアの地政学』をよく読んで欲しい。特に河東哲夫の『合従連衡の力学を読む』を熟読して欲しい。

 安倍首相の笑顔が左翼の人たちによるポピュリズム扇動に利用されないようにする必要がある。安倍首相より二周りも三周りも下の若い世代の人たちに対して、今世界で起きていることがをよく伝わるようにしなければならぬ。所詮、国家は‘知性ある野獣のような、極めて利己的なもの’である。皆、生き残ろうとして必死である。環境に適合しつつ進化した真に強いものだけが生き残る。これは、一市井の老人の独り言である。

2016年7月9日土曜日

20160709社会の安定のため世代間の情報通信の格差を減らす必要がある。


 イギリスのEU離脱の是非を問う国民投票の結果は、保守的な高齢者層の意向を反映したものとなった。投票所に行かず、或いは安易な気持ちで離脱を支持した若年層の人々は大いに後悔し、国民投票のやり直しを求めている。

 いつの時代でも、どの国でも世代の差による問題が起きる。それが国論を二分するような大問題になると、結局どの世代でも大きな損失を被ることになる。しかし、そのような損失があっても、世代間の衝突により社会は進歩するものである。今の時代、先進諸国では世代間の衝突のとき武器を使われず、民主的な方法で衝突がある。その際小さな流血事件が起きることがある。ただ、日本では血を流すような衝突は絶対起きない、という保証は絶対ない。幕末には多くの血が流れた。(関連:ブログ「詩吟」『出郷の作』佐野竹之助  http://takaban.seesaa.net/

 年代の差は単に肉体的・生理的な差だけではない。感覚・思考の差が肉体的・生理的な差よりも大きいのではないかと思われる。感覚・思考の差は、人生経験の差からもたらされるものが大きいだろう。しかし、高齢者層と若年層の間では、情報量・情報内容の差があまりにも大き過ぎるのではないだろうか?

 情報社会の進化は非常に速い。コンピューターのキーボードを触ったこともない高齢者層の人たちが多い。一方で、子供たちは学校でコンピューターに頻繁に接し、スマートホンでSNSを自由自在に利用している。

 若い世代の人たちの間で流行っているLINEFacebookTwitterBlogSkypeなどの情報通信手段に対して経験がない高齢者層の人たちは、それらの良いところも悪いところも知らず、それらを扱えば自分が何か事件に巻き込まれるのではないかと恐れている。事実、それらの情報通信手段を通じた事件はしばしば起きている。私自身、Facebookを利用していたときなりすましに遭ったり、友達になった人から脅迫されたり、侮辱されたりしたことがあった。現在私のFacebookのアカウントは休止させているが、自分の時間をどのように配分するか、という観点で再開は見合わせている。

 現代の社会はそういう情報通信技術なしには生きて行けない時代である。時代を先取りできる人たちは圧倒的に若年層に多いと思われる。世界中の先進諸国では、高齢層に対する若年層の人たちの不満が爆発している。日本でもSEALDs(シールズ:Students Emergency Action for Liberal Democracy - s)が行動を起こしている。日本におけるこの傾向は、投票年齢を18歳に引き下げたことにより一層加速するであろう。

 左派政党の政治家たちは、そのような若い世代の社会的運動に色目を使い、一部のマスメディアは権力に対する人々の感情を刺激するような動きを示すかもしれない。科学的社会主義(マルクスレーニン主義)を信奉する人たちは、若年層により引き起こされるかもしれない混乱を利用し、暴力により日本の国体を変えさせる行動を起こそうとして、その機会をうかがっているかもしれない。

オウム真理教の信者も若年層の人たちであった。彼らはロシア国内に重要な活動拠点を置き、武器や毒ガスなどを使って社会に混乱を起こし、この日本を彼らの‘帝国’に変えようとした。彼らの場合‘帝王’は教祖であった。マルクスもレーニンもその思想を信奉する人たちの‘教祖’である。内心を隠し、表面的には平和主義を装い、「暴力」という言葉を使わなくても暴力を使う意図を内心秘めているような政党は、決して「大衆政党」ではない。

日本はイギリスのように国論が割れて、国家として深い傷を負うことが絶対ないようにしなければならない。そういうことが起きないようにするため、世代間の情報通信の格差を減らすことが重要である。この点について政治家及び行政機関は世代間の情報通信格差を減らすことを「努力すべき重要な責任事項」と位置づけ、その「責任」を果たすため積極的に努力して貰いたいものである。

 AbemaTVなどインターネットテレビで、上記のことについて問題の提起をしてくれないものだろうか。政府インターネットテレビはセンスに欠け、全く面白くない。政府インターネットテレビも広報のためであるだろう。その広報を若年層にも見てもらえるような工夫が必要である。世代間の情報通信格差を減らすため、官僚たちに一層努力して貰わなければならぬ。もしそのための人材が足りないのであれば、予算を確保して外部に人材を求めればよいことである。

要は、政府が怠慢であるかどうかを判断する目安の一つは、「努力」が足りているかどうか、である。そのような「努力」は全く足りていないのではないのか?政治家は社会的問題が起きる前に、潜在している問題を見つけ出し、その問題の解決のため活動すべきである。政治家たちも上記の情報通信格差解消の「努力」が全く足りていないのではないのか?

2016年7月8日金曜日

20160708東京都知事選挙に思う


 選挙は、国家又は自治体の経営に関わる人たちを選ぶことである。それぞれ志ある人たちが議員になりたいと立候補し、人々はその中から自分の期待に応えてくれそうな人を議員として選び、議会に送り込む。

 国家又は地方自治体の経営に関して、
    政府又は地方自治体の行政機関(以下、ここでは政府・地方自治体両者をまとめて「行政機関」と仮称する)の責任遂行の努力は十分であるか。
    行政機関は余計なことに過度な投資をしていないか。
    行政機関は自己保身をしていないか。
    行政機関は自己の利益になるような取引を行っていないか。

の四点について、有権者のみならず、選挙権がない人でもその行政機関による行政の恩恵を受ける人々(以下、ここでは「一般市民」という)よる点検が必要である。

 行政機関が行っていることについて、一般市民に対して十分な情報が提供されているかどうか、ということが最も重要である。有権者に選ばれて議員となった人たちが、そういう視点で行政機関を監視し、その状況を一般市民に良く知らせてくれて、行政が正しく行われるようにしてくれなければ一般市民は不安である。情報量の点で考えれば、一般市民は行政機関よりも不利な立場にある。舛添前知事の問題で、行政機関である都の職員と都議会議員が、ある意味で結託して、多額の費用を使ってリオ・オリンピックの視察旅行をする計画が明るみに出た。もし舛添前知事の問題がなかったら、都民はその計画を知らずにいたことになる。

 選ばれて議員になった人たちは一匹狼のようになることは出来ず、所属する政党の空気や慣例とされていることに従わざるを得ない。当選回数が多い議員は政党のそういう空気や慣例を守る重石となる。そうなると、一般市民には行政機関が過去に行ったことや、現在行っていることや、未来に行おうとすることに関する情報がよく伝わらなくなる。伝わったとしても有力な議員や行政機関の重職にある職員と何らかの縁故がある、限られた一部の一般市民にしか伝わらない。

 東京都知事選挙では各政党は推薦する候補者を選ぼうとしている。小池百合子氏は自由民主党の推薦を受けなくても構わないとして立候補した。増田寛也氏は東京都の各区長や各市町から出馬を要請されている。

 誰が東京都知事になっても、上述の四点に着目し、行政機関と一般市民との間の情報の差に着目し、東京都の行政が正しく行われるようにすることが望まれる。同じようなことが国政についても言える。

 上述の四点に関する一般市民による点検のためには情報が必要である。行政機関に関する正しい情報が一般市民に十分に伝えられるようにするためには、議員やジャーナリストたちの活動が必要である。さらに、議員やジャーナリストたちによる一般市民に対する情報提供が適切かつ正しいものであるかどうかということについて、一般市民が自ら積極的に点検する文化が盛んであることも必要である。

そのような文化の醸成のため行政機関自身が一般市民に対して啓発活動を行うことは、行政機関自身のためにも善いことである。新しい東京都知事がそのような文化を生み出すきっかけを作ってくれたら、それは日本という国家をさらに進化させることになるだろう。

2016年7月6日水曜日

20160706老夫婦のある日


 老夫婦の会話。妻は「三ッ池公園に行かない?このところずっと家にいて歩いていないし」と言う。夫は歩いていないことは無いと思いながら、「そうだね。行こうか」とすぐ準備にかかる。気温は30℃、うす曇りの天気でウオーキングには最適な日和である。

普段から手元に置いてあってすぐ装着できるようにしている安物の布製のウエストバッグは財布・鍵・携帯電話・敬老パスをそれぞれ鎖とフックを用いてバッグに固定してある。そのウエストバッグは両脇に280mlのペットボトルを収められるようになっている。普段から空いたペットボトルを洗浄し、乾燥させてあるものを幾つも保管している。そのペットボトルに水を詰めた。飲料水は水道水をトレビーノ家庭用浄水器で浄水し、2リットル容器に入れて冷蔵庫に常備している。

 勿論、水道水は100%安全な飲料水であるとされているが、湖沼などの富栄養化現象に伴い発生する藍藻類によって産生される物質や、塩素と水道原水中に含まれる有機物が反応して生成されるクロロホルム・プロモジクロロメタンなどの物質や、除草剤に広く使われている物質を除去して、より安全にし、カルキ臭を無くすため浄水器を使用するのである。

老夫婦は久しぶりに三ッ池公園を訪れた。三ツ池公園は神奈川県の県立公園である。池が三つあるから三ッ池公園という。それらの池は昔灌漑用の池であった。この公園は日本の「さくら名所100選」に選ばれている公園である。園内のウオーキング道路は山あり谷ありで歩行運動には最適である。園内には野球場やテニスコートやプールなども併設されている。其処は木々が生い茂っておりウグイスなど鳥たちの楽園である。

ウグイスは色々な鳴き声を発する。夫が木の高いところの茂みに向かって「ホーホケキョ」と言ったら、それまで別のけたたましい鳴き声を出していたウグイスがとても美しい声で「ホーホケキョ」と応じてくれた。そこで夫は嬉しくなって負けじと甲高い声で「ホーホケキョ」と言った。勿論、本物のウグイスのようには行かない。ウグイスは「おかしな声だな」と思ったのだろう。少し間を置いてまたさらに美しい声で「ホーホケキョ」と鳴いた。そのうち「これは偽物だ」と思ったのか、男の声に反応してくれなくなった。

ウオーキング道路沿いの山手にヤマユリが咲いていた。以前それを見たとき「取って行かないでください」という立札がたっていた。ボランティアたちが折角植えたヤマユリを取って持ち去る不逞な輩がいたようである。老夫婦は幾つも咲いているヤマユリを夢中になって写真に収めた。まだつぼみが残っているものもあるが少し時季外れである、しかしつぼみがあるものが咲いている辺りはとてもよい香りが漂っていた。

撮った写真は後でパソコンに取り込み、良い物だけをフォルダーに名前と日付をつけて保存する。その中に「其処に行った」という記念の意味で夫と妻のスナップ写真を2、3枚必ず含めている。そのような写真のフォルダーが30年分ぐらいある。昔の写真はアナログ写真で人物が主であるが、それをスキャナーでデジタルに変換して保存してある。同じものを外付けハードディスクなどにも保存してある。

何年か前にA4サイズの「花暦」を作り、町の印刷屋で印刷して貰って遠地に住む家族や友人に配ったことがあった。今年は久しぶりにまた「花暦」を作ろうと思う。妻は「こうして夫婦で歩くことができるのが幸せなことですよ」と言う。全くそのとおりである。老夫婦そろって健康であるからこそ、そのようなことが出来るのである。健康な状態はいずれ終わりが来る。何時かどちらかが欠けたり寝込んだりするだろう。せめて知恵・知識を総動員し、無理をせず、健康長寿に努めつつ、今のこの時を生きなければならないと思う。

2016年7月5日火曜日

20160705尖閣諸島領域における中国による軍事的挑発行為


先日、73日の孫崎享(magosaki ukeru)氏のツイートをwebより括弧“”で引用する。“ダッカ事件:元NYTの東京支局長ファックラー氏のツイッター。安倍首相の罪は大きいのです。IS「アベよ、戦いに参加するというおまえの無謀な決断で、このナイフはケンジを殺すだけではなく、おまえの国民を場所を問わずに殺戮する。」”

孫崎氏のツイートには、『21世紀の戦争と平和』(孫崎享、徳間書店)を引用して、“「国家間の相互依存強化を図ることが、戦争を避ける唯一の道」など、ヒントになる視点が満載です。”というものもある。

先ず、前に挙げた「安倍首相の罪は大きいのです」と言う言葉は、一般大衆の感情に訴える言葉である。わざわざISの言葉を引用して、安倍首相の罪が具体的な何なのか論理的な説得もせず、ただ聴衆の感情に訴える手法は民進党や日本共産党や社民党がよく使う手法と同じようなものである。

次に「国家間の相互依存強化を図ることが、戦争を避ける唯一の道」という言葉は、唯一かどうかは別にして、一応説得力はあるように見受けられる。「国家という‘生物’」は競合する他の「国家という‘生物’」とお互い自存のため争い合う。争いの対象についてお互い良く話し合い、利益を分かち合うことができれば戦争を避けることができるだろう。しかし、孫崎氏の言っていることは理想論である。彼は、「国家という一種の野性的な‘生き物’である」という本質を全く頭に入れていないようである。

中国は公然と、『琉球復國運動基本綱領』で、「琉球は古来より主権を持つ独立国家である。琉球人民は日本の琉球群島に対する植民地統治を承認しません。琉球国の主権と独立と領土を完全に取戻し、琉球共和国を建設します」と言い、尖閣諸島・奄美諸島・沖縄諸島・宮古諸島・八重山諸島などを占領する意図を持っている。≪関連:中国が用意している「沖縄占領憲法」(20120402)
http://hibikorejitaku.blogspot.jp/2012/04/20120402-will5-httpwww.html

国防大学戦略研究所所長金一南少将は、人民日報ウエブサイトのインタビューにおいて「魚釣島問題において中国側はもっと大きな範囲から着手すべき。」「琉球群島主権問題において譲歩は不可能である。」「琉球群島は中国の属地である。日本は引き上げるべきである」と言った。≪関連:沖縄・尖閣・八重山各列島の防衛(20120803)
http://hibikorejitaku.blogspot.jp/2012/08/blog-post_9400.html

尖閣諸島上空において、中国空軍の戦闘機と航空自衛隊の戦闘機がドッグファイト直前の状況になることは過去にもあったようであるが、先月、617日の緊急発進(スクランブル)で航空自衛隊F-15戦闘機は中国空軍Su30戦闘機からのミサイル攻撃を交わすため火炎弾を発射するなどして空域を離脱した事件があった。中国側は「中国が東シナ海上空に設置した防空識別圏を巡視飛行中の中国空軍機に対して航空自衛隊機が火器管制レーダーを照射した」と主張した。

この防空識別圏は中国が国際慣例を無視して勝手に設定したものである。中国は南シナ海も古来中国の領海であったと主張して、その海域で軍事拠点化の工事を進めている。中国の実質「駆逐艦」・名称と外見上の「公船」は、尖閣諸島の領海に頻繁に侵入を繰り返している。しかも、「尖閣諸島は明の時代から中国領であった」として、尖閣諸島上空を勝手に中国の防空識別圏として設定している。

世界はまるで「一種の野性的な‘生き物’であるような国家」の集まりである。野生動物同士はそれぞれ種を残すため多様な進化を遂げてきている。野性的な‘生き物’同士は生存のため互いに争う。その中で強い‘生き物’が上位に立っている。日本が現在アメリカと同盟関係を結んでいるのは、その方がお互い「より強い‘生き物’になれる」からである。つまり「軍事」をもって「外交の手段」の一つにしているのである。孫崎氏は「軍事は外交の手段である」という原則を知らないか、知ろうともしないお方のようである。または、彼は、日本はアメリカに対抗して中国と同盟関係を組んだ方が良い、と考えているようである。

安全保障関連法は、自国の防衛をより強固にするための法律であって、アメリカの要求に応えて海外に出かけて行き、アメリカを防衛するためのものではない。しかし、日本共産党はこれを「戦争法」だと言って、一般大衆に不安感を抱かせようと躍起である。一方、民進党は漠然とした一般大衆の不安感を積極的に払しょくしようとはせず、むしろその不安感を利用して、「安全保障関連法」の廃止を訴えて安倍政権打倒の手段としているようである。日本国民は、この日本の平和と安全と繁栄を彼らに委ねることを、決してしてはならないのである。

2016年7月3日日曜日

20160703ダッカのテロで日本人7人の横死に思う


 バングラディッシュの首都ダッカのレストランで、ISを名乗る武装組織のメンバーによるテロ行為により日本人7人が殺され、1人が顔に深い傷を負った。犠牲者のご家族のご心中は如何ばかりか! 彼ら日本人たちはバングラディッシュの交通渋滞解消のためのインフラ(社会基盤)整備のため活動していた。

 武装組織のメンバーたちは「神は偉大なり!」と叫んで、平気で無辜の人々の命を奪う。この地球上に彼らが住む場所が何処にもないようにしなければならない。そのためには彼らに勝る国際的な組織力と武力が必要である。

 武装組織も国家も非常に怖い「生き物」である。そのことが先ず人々に認識されなければならない。武装組織や国家は人間で構成される。個々の人間同士はお互い温かい心を通わせ合う。しかし、そのような人間が組織や国家に所属すると、其処では人間は一個の‘細胞’のようになる。この原理が人々に認識されなければならない。

 多分一部のメディアや一部の政治勢力では、日米同盟を強固にした安倍政権の打倒と、美辞麗句である「国際紛争の平和的解決」を人々に訴え、共感を得ようと行動するだろう。彼らは理想主義者たちであり、現実に目を反らしている人たちである。

 勿論、日本はアングロサクソンの人たちのような「新個人主義者」の国ならば、彼らの国々のように核武装もし、必要ならば戦争もする覚悟で、欧米諸国と距離を置くことだろう。しかし、日本は2000年以上万世一系の天皇を戴く国である。今、日本は自存のため最良の道を選んで進んでいるのである。あってはならぬことであるが、日本がかつてのように自存が危うくなったときは、また別の道を探らねばならないのである。

 現在の日本は、憲法の前文にある「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼」するだけでは「安全と生存を保持」できないからこそ、アメリカと強固な同盟関係を構築しているのである。しかし将来、日本が自衛のため「別の道を探る」ことはあり得るだろう。

 先の戦争に関して、マッカーサー元帥は、アメリカ議会において以下のとおり、「日本の戦争は自衛戦争であった」と証言している。反戦感情に流されている一部のメディアや一部の政党は、この証言を受け容れるべきである。以下、webより括弧(“”)で括るとおり引用する。

There is practically nothing indigenous to Japan except the silkworm. They lack cotton, they lack wool, they lack petroleum products, they lack tin, they lack rubber, they lack a great many other things, all of which was in the Asiatic basin.

 They feared that if those supplies were cut off, there would be 10 to 12 million people unoccupied in Japan. Their purpose, therefore, in going to war was largely dictated by security

 和訳:「日本は絹産業以外には、固有の天然資源はほとんど何もないのです。彼らは綿が無い、羊毛が無い、石油の産出が無い。錫(すず)が無い、ゴムが無い。それら一切のものがアジアの海域には存在していたのです。もし、これらの原料の供給を断ち切られたら、1000万から1200万の失業者が発生するであろうことを日本人は恐れていた。したがって、彼らは戦争に飛び込んでいった動機は、大部分が安全保障の必要に迫られてのことだったのです」”

 今回、日本人が7人もテロの犠牲になったことについて、一部のマスメディアや政党が安倍政権や日米同盟を批判するかもしれない。彼らはこの機会に自分たちの主張を広めたいという欲心から、或いは武を忌み嫌う心情から、ポピュリズムを煽ることに加担することになる。今回の参議院選挙は、日本人が現実を冷静に見つめることが求められている選挙である。

関連:29130226「力」の論理を忌み嫌ってはならぬ
http://hibikorejitaku.blogspot.jp/2013/02/blog-post_26.html

2016年7月2日土曜日

20160702「科学的社会主義」に対抗する新しい哲学思想が現れることを期待する


 以下、括弧(“”)で引用する記事は、webで入手した『量子重力が予言するビッグバウンス宇宙』と題する記事である。これはペンシルベニア州立大学のM. ボジョワルド(Martin Bojowald)によるものである。

 NHKのEテレ番組で、ニュートリノがビッグバウンスに関係している粒子であることが紹介されていた。ニュートリノは私たちの体を毎秒50兆個も通り抜けているそうである。そのニュートリノが宇宙の膨張と収縮に関係しているというのである。しかもその宇宙はその膨張と収縮の度に進化し、新しい宇宙を産み出しており、それが無数に存在しているというのである。

 私は、かねがね「宇宙は一つの生命体である。人間は国家又は武装集団の中の‘細胞’のようなものである。細胞の中は核を中枢とした一つの複合的生命体である」と考えていた。「新しい国家論」を打ち立てるためには量子力学・生命科学・社会情報学・政治学等広範囲な学域における学者たちによる連携・協同作業が必要である。

日本共産党が理論的基礎としている「科学的社会主義」思想は、日本国民を決して幸せにはしない危険な思想である。民進党などは、自分たちの利欲のため日本共産党と徒党を組んだ。最新の量子力学を基にした理論体系を基に、近い未来に「新しい国家論」が産み出されることを期待したい。

 “アインシュタインの一般相対性理論によると,私たちの宇宙は密度が無限大の1点「ビッグバン特異点」から始まったとされる。だが,無限大が登場した時点で一般相対性理論そのものが破綻することを意味する。宇宙が非常に小さかったビッグバンの瞬間に何が起こったのかを説明するには,量子論の助けが必要だろう。”

 “量子論と相対性理論の融合は多くの研究者によって試みられている。その1つが「ループ量子重力理論」だ。この理論では,物質が原子からできているように,時空は“時空の原子”からできているという。この理論の驚くべき帰結の1つは,宇宙初期のような超高密度な状況では,重力が引力ではなく斥力に変わってしまうことだ。空間の原子に蓄えられるエネルギーに上限があるため,上限を超えてエネルギーが詰め込まれようとすると空間の原子は反発し,斥力が生まれるからだ。この反発的重力のために,ビッグバン特異点のように1点に集中し密度が無限大になるといったことがなくなる。”

 “時の始まりと考えられていたビッグバン特異点が存在しないなら,ビッグバンよりも過去の宇宙が存在したということになりそうだ。ループ量子重力理論が描き出す私たちの宇宙の誕生物語は,次のようなものだ。ビッグバンの前,宇宙がある1点に向かって収縮し始める。宇宙の密度はどんどん高くなりやがて重力は斥力に変わる。その結果,宇宙は収縮をやめ,再び膨張し始める。つまり,ビッグクランチが起こった後に,ビッグバウンス(大反跳)を経てビッグバンが起こったのだ。”

 “こうしたはるか昔の出来事を実証するには,どうしたらよいだろうか? 重力波やニュートリノが手がかりを与えてくれるのではないかと著者は言う。これらは物質とほとんど相互作用しないため,ビッグバン期やさらに前の時期に関する情報を保持している可能性があるからだ。原子の存在がブラウン運動の観測で証明されたように,“時空のブラウン運動”が観測されて,時空の原子の存在,ひいてはループ量子重力理論の正しさを証明される日は近いのだろうか。”

2016年7月1日金曜日

20160701 STAP問題、小保方氏は実験捏造していなかったと判明。


msnニュースにジャーナリスト・上田眞実氏による以下の記事が出ている。一人の女性研究者を社会から抹殺した真犯人は誰なのか? マスメディアは彼女を真犯人に仕立てた責任は無いのか? 結局、マスメディアがペンの力・映像の力で一般大衆を扇動し、一人の若い女性の人生を奪ったのではなかったのか?

自分が当選したい、とにかく安倍政権を倒したい、自分でも安倍総理以上のことやれる、自分を世の中にアッピールしたい、という欲心己惚れだけで一般大衆を煽っている連中がいる。大衆扇動・大衆迎合に精力を注ぐ輩がいる。類似的なことが小保方晴子氏に対して起きたのである。以下、括弧(“”)で括って当該記事の一部を引用する。

STAP細胞論文をめぐる研究不正事件で理化学研究所(理研)を退職した小保方晴子氏を、元理研研究員、石川智久氏が刑事告発した事件は5月、神戸地検の不起訴処分により終結した。神戸地検は「窃盗の発生自体が疑わしい」としたコメントをメディアに発表する異例の事態となった。”

 “石川氏は2015126日、「小保方氏がES細胞を盗み、STAP細胞と偽造していた」として理研(神戸)を所轄する神戸水上署に告発状を提出。その後、兵庫県警の扱いとなり、神戸地検へ送検されていた。石川氏は小保方氏が神戸で実験期間中、所属していた若山照彦チームリーダーの研究室から無断でES細胞を盗んで混入、その細胞塊サンプルを若山氏に渡して実験を実施させ、STAP細胞として英科学誌「ネイチャー」に発表し理研で不正な地位を得ていた、と告発していた。”

“ネット上にはいまだに小保方氏が捏造したとの情報がそのまま残り、拡散される状況が続いている。マスコミを使った、大掛かりな冤罪事件をでっち上げた犯人は誰なのか。そこにSTAP細胞事件の真相が隠されている。”

 “そして国民総掛かりで小保方氏を「持ち上げて、落とす」狂騒に参加したことは、2年間にわたり犯罪者として世間の白眼視にさらされた女性研究者の人間らしい時間を奪った。それを、私たちは忘れてはならない。”