2015年8月31日月曜日

20150831安全保障関連法案に対する反対者たち


 産経ニュースから括弧(“”)で引用。
 “国会前集会発言集(1)「安倍は人間じゃない。たたき斬ってやる」”
 “安全保障関連法案に反対する市民団体が主催した8月30日の国会周辺の集会には、民主党の岡田克也代表ら野党幹部のほか、法政大の山口二郎教授や音楽家の坂本龍一氏、学生団体「SEALDs(シールズ)」のメンバーらが参加し、安倍晋三首相を「安倍」と呼び捨てにしながら、「戦争法案反対」「安倍政権打倒」などと訴えた。主な発言は次の通り。”

 “山口二郎法政大教授
 「安倍首相は安保法制、国民の生命と安全のためと言っているが、こんなものは本当に嘘っぱち。まさに生来の詐欺師が誠実をかたどったものだ。安倍政権は国民の生命、安全なんて、これっぽっちも考えていない。その証拠に先週、(東京電力)福島(第1)原発事故の被災者に対する支援を縮小する閣議決定した。線量が下がったから、もう帰れ。本当に人でなしの所業だ。・・・(中略)・・・安倍に言いたい。お前は人間じゃない! たたき斬ってやる!”

 ほほう。山口先生はそう叫んで、そこに集まった人々から喝采を浴びて溜飲を下げたことであろう。物事には概して陰陽・正負・表裏等の二面性あり、一方だけ見ようとしていると他方が見えず、自分の「こうあるべき」という基準に合わない言動に立腹するものである。

 民主党の岡田代表は当該「法案が憲法に違反」していると言う。同党の枝野幹事長は「安倍政権の暴走を阻止」すると叫ぶ。共産党は当該法案が「戦争法案」であるというレッテルを貼り、国民の感情をその方向に導こうと懸命である。

 国家が何年・何十年という時間的経過の中で、今どのような危機にさらされているかということを国民大多数に理解してもらうことは極めて難しいことである。政権を担ったことがある政党の幹部であれば、その理解度が一般国民よりも少しは高い筈である。しかし彼らはその危険性を理解していながら、ではどのようにして国家・国民を危機から回避させるかという考え方も示さず、ただ当該法案にただ反対している。彼らは国家のことよりも自分たちの利益を優先しているようにしか見えない。

 国民は馬鹿ではない。人は私心のない人を信頼する。人々は自国の危機について理論整然と理解していなくても、直感的に危機を感じている。安倍総理のアメリカ議会における演説によって日本はかつての敵国アメリカと完全に和解し、アメリカと軍事・経済・外交の面でがっちりと同盟関係を固めた。そのことによって日本は軍事的にも経済的にも外交的にも、最も効率よく最も経済的に自国の防衛力を高めることが出来るようになった。このことによって敵は日本を簡単には攻め落とすことができなくなっているのである。

 大多数の日本国民は敵のあらゆる戦略・戦術について、自由に飛び交う情報によって多くの知識を得ている。このように進化した日本国の国民は、敵の宣伝・プロパガンダを「またやっているぞ」という程度に軽く受け止めている。私心のある政治家たち、或は物事を一方からだけしか見ようとしない政治家たち、或は名声がある学者・識者たちの個人的な意見を信奉する政治家たちに顔を向けながら、腹の底ではその人たちを信用していないのである。そのような政治家たちに面従腹背するのは日本人の特質によるものである。日本人は「枠の中で互いに従順」(文化人類学者・船曳武夫氏の読売新聞投稿記事より)なのである。もしかして、安全保障関連法案に対する反対者たちもそうなのかもしれない。

2015年8月16日日曜日

20150816男・オスの本質 ―― なぜ力の同盟が必要なのか考える ――


 我が国にける殺人犯の男女比について、統計上では男が約80%、女が約20%である。野生動物、特にライオンなどの猛獣はメスをめぐってオス同士が争う。人間も動物の仲間であるので男同士が争うことが多い。男も動物の仲間ではオスである。オスは子孫を残すため単独で、或は集団で争うことが宿命づけられているのである。

 争いの根源は脳の中にある。ところが人間には理性があるから争いの感情を制御することができる。両親から受け継いだ遺伝子に刻み込まれている要素により、生まれつき激高し易い性格を持っている男の子でも、その子がその母親の胎内にいるときから、或は乳飲み子のときから正しく訓練されると、その子は自分の感情を制御できるように成長するに違いない。

 『Newton別冊 知りたい! 遺伝のしくみ』という本に次の記事がある。(“”内)
 “遺伝子との関係が明らかにされた性格の一つに「攻撃性」がある。オランダの遺伝学者ハン・ブルーナー博士は、放火やレイプ、露出壁などといった衝動的な行動や攻撃的な行動をとる人が多くいる家系について遺伝子をしらべてみた。するとその家系の中には「MAOA(モノアミノ酸化酵素A)というタンパク質をつくる遺伝子に異常があり、MAOAがまったくつくられない複数の男性がいた。

 MAOAはセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質を酸化する作用をもつ。酸化された神経伝達物質は機能を失いニューロンの外に排出される。
 このMAOAをつくることができないタイプの男性は全員が攻撃的な性格であった。ブルーナー博士らはこの結果から、MAOAが攻撃性という性格に強く関係していると考えた。この研究成果は、1993年に、科学雑誌『Science に紹介された。

 その後さらに研究が進み、攻撃的な人、とくに男性では男性ホルモンやアドレナリンが多く分泌されていることが明らかになっている。”

 男性を特徴づけるY染色体遺伝子について、『意識は傍観者である』(早川書房)には“人間のおよそ半数がこの遺伝子をもっていて残りの半分はもっていないので、もっている半分のほうがはるかに危険である。比べものにはならない。囚人の圧倒的多数がこの遺伝子をもっていて、死刑囚の98.4%がもっている。”とある。要するにオスは生来攻撃的なのである。その攻撃性を抑制する理性は正しく訓練されないとうまく働かないのである。これは個々の国民でも国家や国家連合のような集合組織体でも同様に言えることである。

 なぜ国家において警察や軍が必要なのか?それは個々の国民の生存と幸福のためである。ではなぜ国家同士が同盟を結ぶのか?それは集団で脅威に対抗するためである。ではそのための手段・方法はどうあるべきか?最も望ましいのはそのことが法律に定められていることである。しかし法律が先か、実行が先かという話になると、危急の場合は国民に負託された「賢い人たち」による慎重な手続きと判断によって直ちに実行に移されるべきである。但し、それは最高裁判所が示す基準に必ず従っているものでなければならない。


 「軍事力」・「軍事同盟」という言葉に距離を置きたい人々は、表題の「男・オスの本質」というような言葉を好まないだろう。しかし現実の世界ではその言葉で言い表すことができるようなことが起きている。「テロ国家」「テロ集団」「力による現状変更の試み」「集団的自衛」といった言葉は、まさしく「男・オスの本質」によって起きている状況をオブラートに包むようにして言い表しているにすぎないのである。