2016年10月30日日曜日

20161030国民に「夢と希望」を持たせよ!


 28年度自衛隊観閲式・観艦式の動画を左欄にリンク引用した。この度の観閲式には在日アメリカ陸軍と海兵隊が参加した。また観艦式には韓国海軍が参加した。

さて、小池百合子東京都知事が「希望の塾」と命名した政治家養成のための塾を開いた。受講の応募者は4000名を超え、その中から2900人が塾生になったとのことである。

私が見たところではNHKを含む大手メディアでは取り上げたところは無かったようであるが、彼女はその塾の基調講演で次のように言っていた。「東京都や日本には何でもある。しかし希望が欠けている」と。塾生たちはその言葉をどう受け止めたことだろうか?

先日行われた東京10区と熊本県の衆議院議員補欠選挙では、いずれも彼女が応援した候補が当選した。これは自由民主党という政党が勝利したものではない。自由民主党は国民の空気を読み間違えている。国民の空気は地縁・血縁・街頭アンケートだけがすべてではない。インターネットを通じた無数・無名の人々の直感のようなものもその空気の大きな部分を占めている。そのことに自由民主党と言う政党は気付くべきである。さもないと次の国政選挙では失敗することだろう。

私はフェイスブックやツイッターやブログで、私が関心を持っている方々や組織の発言をモニターしている。山本一太衆議院議員はインターネットやメディアに精通していると言われている。自由民主党の議員諸侯は国民の間に漂う「空気」について、インターネット上に現れている「空気」に大いに関心を持つようすべきである。

さて「希望」についてである。今、日本国民は未来に「夢と希望」を持っているだろうか?私は「NO」であると思っている。国民の購買意欲を削いでいるのは政府が喧伝する「財政赤字」「赤字国債」「増税」「年金支給率」といった言葉である。どれも暗いイメージの言葉ばかりである。メディアは政府の尻馬に乗って国民を暗い気持ちにさせている。

国の財政について担当する官署では、税収と財政支出のバランスをとることに最も注力するのは当然である。税収を増やさなければ年々増え続ける医療・福祉のため予算を確保できない。そこで当該官署はあらゆる方法を考え出して税収を増やすことに腐心する。

 日本の通過は「円」であり、政府が発行した国債は日本銀行が買い取っている。EUでは自国の通貨はなくなり「ユーロ」が通貨となっている国々が多い。そういう国々では自国で国債を発行することはできない。一方、日本の通貨は「円」である。政府が発行した国債は、政府と一体的な日本銀行が買い取っている。これは「円」で発行した国債を、「円」という「貨幣」にしているようなもので、国債発行残高がある程度まで増えたとしても、財政破綻というようなことは起きないらしい。

財務省のホームページでは「財政赤字の問題点」として「財政赤字の拡大(公債発行の増加・債務残高の増大)」とあり、これが「財政赤字の拡大 (公債発行の増加・債務残高の増大)」「世代間の不公平」「民間部門の経済活力の低下」「財政への信認低下による金利上昇」を生じるとしている。

上記「財政への信認低下による金利上昇」に関しては、「政府財政への信認低下がさらに進めば、金利上昇に留まらず、政府の資金調達が困難となる」、と説明している。

果たしてそうなのだろうか? 財務省の別のページでは「金利の推移」と題するグラフが示されている。これには「公債残高」と・「利払費」・「金利」の推移が示されている。「公債残高」増え続けているが、「金利」は下がり続け、極めて低い水準にあってなお低下傾向にある。

市井の無学の一老人が直感的に思うことであるが、政府・自由民主党は国民に「夢と希望」を与えるため、国債残高をあまり気にせず次のことに注力して投資と構造改革に取り組むべきではないのだろうか? 

以下①〜⑦はそのアイデアである。これは官僚ではなく、政治家が前面に立って行うべきことである。政治家に、国民に「夢と希望」を与える能力・見識が無ければ、国民は不幸である。

①日本の労働人口は年々減少する。自由民主党はこれに対処するため労働移民の受け入れを画策しているが、それは将来必ず禍根を残すに違いない。そのような短絡的・愚かなことをするよりも、あらゆる業種・生業について生産性を上げるため積極的に投資すること。
②今のところ発電コストが高すぎて実用に程遠いが、核融合発電の実用化に向けて巨額な投資をしてこれに取り組むこと。
③バイオ・小規模水力・樹木廃材・風力・波力・太陽光など非核分裂反応エネルギー(再生可能エネルギー)の開発に巨額な投資をすること。
④例えばカルデラ大噴火などを含め、想定外の災害時に甚大な被害を受ける確率が大きい核分裂反応エネルギー(原子力発電)の安全運転に注力する一方で、この原子力発電の利用は時期を明示して将来ゼロにすること。
④全国にくまなく新幹線網・鉄道網・広帯域電気通信網を建設し、人・物・金・情報の行き来を更に活発化する公共投資を積極的に行うこと。
⑤将来人類が地球外惑星(当面、火星)に移住・生存できるような宇宙開発を含め、宇宙の利用のために巨額な投資を行うこと。
⑥目的・目標を示して海底資源の開発のために巨額な投資を行うこと。
⑦保育園から大学卒業までの教育費は、国公立の施設における費用と同等額全額を国家が負担すること。


2016年10月10日月曜日

20161010 日本人とは何者か・何処から来たのか・何処へ行くのか


 最近「ああそうなんだ!」と目覚めたことがあった。それは80歳に近いというこの齢になって、初めて三橋貴明氏の講座やブログに接することになったためである。私は元来取捨選択しながらも好奇心が強く新しいものが好きな性格であるから、「あの世」にかなり近い齢にもかかわらず、またこれまで何度も隠居・隠棲に憧れていたにも関わらず、「終わり良ければすべて良し」として、「日本の国を思う」志を貫徹して最後の線香花火のように燃え尽きたいと思うようになった。享年33歳の若さで、「起こしておくれ、仏壇から線香を取って来ておくれ、東を向けておくれ、お父さんを呼んできておくれ」と言って、私が父を呼びに行っている間に、皇居がある方角に向かって手を合わせて逝った母の言葉が、いつも私の脳裏にある。母は朝鮮で8年間、朝鮮の人たちの教育に携わっていた父を支えていた。

 さて、安倍政権は労働移民政策を考えているらしい。わが国のいわゆる「限界集落」は農業の担い手となる労働移民の受け入れにより、将来日本の中の外国のようになってしまうだろう。今のところ日本国内の企業が限界集落の解消のため役立つことをしているが、そのうちに外国の資本が食指を動かし、日本国内の様々な問題の解決のため自分たちが何かをすれば儲かることが分れば、大量の投資をし、利益の吸い上げにとりかかることだろう。

グローバリズムは人・物・金が国境の壁を取り払って自由自在に行き交うことを善とする経済的思想である。言うなれば、政道よりも経済優先の商道を優先させる思想である。外国資本といっても、その背後に莫大な資産を保有しているほんの一握りの超大金持ちがいることだろう。彼らには国家観はなく、世界中何処へでも暮らしやすいところに行って住み、働かずに利益を吸い取る。一般庶民の暮らしは彼等の動きに影響を受けることになる。

科学的社会主義を信奉する日本共産党はその点を突き、人々に自分たちの主張が正しいと訴えるだろうが、自由主義・民主主義の思想の観点からは、彼らの主張を絶対受け容れることはできない。勿論天皇への崇敬・男系皇統維持・自衛隊の国防軍化の観点からも。

日本人は今一度「自分たちは何者であり、何処から来て何処へ行くのか」自問する必要がある。社会に影響力のある学識者・言論者・ジャーナリスト・青少年の教育に携わる教師・政治家・官僚たちは、「そのことは分っている」と反発するかもしれないが、今一度謙虚になって自問して貰いたいものである。

日本人は基本的に縄文人を基層とする多人種の混血の人種である。しかもその縄文人は7万年前±13000年にヨーロッパ人と分岐した人種であり、日本列島に辿りついて北海道から沖縄までの日本列島だけに住みついた人種である。

 今から約1万年前(国際標準模式層断面及び地点(Global Boundary Stratotype Section and Point 略称GSSPによれば11,784年前)以降、8200年、52004200B.P(年前)に気候変動が起きていた。これは文明の発祥・発展・衰退と深い関係がある。

 “中国文明の源流は黄河文明だと思われてきたが、じつはその1000年以上前に長江流域で文明が華開いていたのである。・・・(中略)・・・中国の雲南省から長江流域、そして西日本には多くの文明的共通点がある・・・(中略)・・・6300年前に誕生した長江文明は、4200年前に起こった機構の寒冷化によって大きな変節を迎える。北方で畑作牧畜を行っていた漢民族のルーツにつながる畑作牧畜民が南下し、長江中・下流域で長江文明を発展させた稲作漁労民は、雲南省や貴州省の山岳地へと追われることになった。・・・(中略)・・・畑作牧畜民に追われた長江流域の人々の一部は、ポートピープルとなって海に逃れ、台湾や日本へ到達した。・・・(中略)・・・とくに約3000年前の寒冷・乾燥化は厳しいもので、北方の民は大挙して長江流域に押し寄せた・・・(中略)・・・長江文明をつくりあげた稲作漁労民は、畑作牧畜民のように争いを好まなかった。・・・(中略)・・・多くの人々は、北方からやって来た人々と一緒に暮らしただろう。しかし、そうでない人々もいた。そうした人々が、しだいに雲南省や貴州省の山奥に移り住むことになった・・・(中略)・・・長江流域の民が向かったのは、中国の山奥ばかりではない。すでに指摘したように、海を渡り、台湾にも行っている。さらには日本列島にも渡り、日本の弥生式文化の成立に大きな影響を与えたと考えられる。・・・(中略)・・・倭人は苗族や台湾の生番族とも同じ文化を共有している。”

 上記括弧(“”)内は『古代日本のルーツ 長江文明の謎』(安田喜憲著、青春出版社)より引用したものである。この本には温帯ジャポニカ稲作文明が長江河口から直接鹿児島県さつま市笠沙町黒瀬海岸と朝鮮半島南部経由で九州へ伝搬した図(佐藤洋一郎『稲の日本史』角川書店による)が描かれている。

 縄文人はヨーロッパ系の人の祖先と近いが、北は北海道から南は沖縄までの日本列島だけにしか生き残っていなかったという世界で特異な人種である。縄文人と共通のミトコンドリアDNAハプロタイプでは、南方由来のM7aは沖縄と北海道のアイヌで多く分布し、朝鮮半島においてもこのタイプが少し見られる。縄文人のY染色体DNAハプロタイプD1bC1a1は日本列島だけにしか存在していない。長江中・下流域に起源があると考えられるO1b2は日本人の間に多く分布しているが朝鮮人には少ししか分布していない。DNAから見れば日本人には中国人や韓国北朝鮮人には見られない特殊な部分がある人種である。

倭人は縄文人と長江流域から渡ってきた弥生人が混血した人種である。倭人は朝鮮南部に進出していた。倭人とは古墳時代人のことである。朝鮮南部には日本の古墳と同じ形の前方後円墳が存在している。中国吉林省に建っている広開土王碑には倭人が高句麗まで攻め上ったことが書かれている。神功皇后が新羅を攻めてこれを支配下に置くことができたのも、朝鮮南部に居た倭人たちの働きによるものであったに違いない。

日本語と似ている朝鮮語は、倭人たちがもたらしたものかもしれない。福沢諭吉は朝鮮の一般の人たちが読めるようにするため、諭吉が発行を推進した新聞の漢文の文字にはハングル語の‘ふりがな’を付けた。上述の古墳や広開土王碑に書かれていることやハングル語の‘ふりがな’のことは今の韓国内ではすべて否定されている。しかし史実は事実である。

 稲作は韓国からもたらされたものではなく、長江中・下流域⇒山東半島⇒朝鮮南部⇒九州のルートと長江河口から九州南部への直接ルートでポートピープルとして渡ってきた稲作漁労民がもたらしたものである。彼等渡来系弥生人たちは争いを好まなかった。一方“狩猟・漁労・採集生活で豊かな暮らしを行ってきた縄文人は、森を大切にし、循環再生を基本とする穏やかな社会”(引用は上掲)を作っていた。従い渡来系弥生人と縄文人はお互いに殺戮し合うことは無く、混血して古墳時代人となった。縄文人たちはいろいろなものづくりに長けていた。これらのことが今の日本人の物づくりや創造性発揮の原動力となっている。

 中国唐王朝初期にできた『隋書倭國傳』に「新羅・百済皆以倭爲大國多珍物、並敬仰之、恆通使往來(新羅・百済、皆倭を以て大國にして珍物多しと爲し、並びに之を敬仰し、恆に通使・往来す)」と書かれている。当時、朝鮮の新羅の国も百済の国も倭国(=日本)が大国であり、珍しい物が多い国として新羅・百済両国とも倭国(日本国)を敬い尊んでいたのである。

 後漢滅亡後も、白村江の敗戦後も非常に多数の漢族・韓族の人たちが日本にやって来た。そして混血し、日本の伝統や文化を継承する純粋の日本人になった。戦後は在日中国・韓国北朝鮮籍の人たちのみならず、ヨーロッパ系・東南アジア系・アフリカ系の人々との混血も増えている。その中からスポーツや芸能やなどで活躍する人たちが出現している。

日本人はDNA的には世界に類を見ない多人種の雑種である。戦後日本国籍を取得した韓国朝鮮系日本人は約35万人いる。一方日本に永住している中国人は約23万人いる。これは増加傾向にある。日本人になった韓国朝鮮系人も中国人も今後数世紀もしないうちに混血が進み、体の一部に縄文人のDNAを持つようになり、皆完全な日本人になることだろう。しかし労働移民など、将来に禍根を残すようなことは避けるべきであり、日本への帰化には一定の条件を付し、日本国民としての宣誓を行わせるべきである。グローバリズムの落し穴に十分気を付けるべきである。

日本民族は単一特殊な民族であるに違いない。日本人が普段使っている文字も漢字・ひらがな・カタカナ・ローマ字・英語と多様であり、同じ町の中に古い文化と共に新しい文化が併存し、暮らし方も多様である。それが日本の総合力を高め、また日本の進化の原動力にもなっている。日本人はこのことを先ず自覚し、それを自分の心の深奥に据えるならば、いかなる状況においても慌てず穏やかに対処し、もし身に危険が降りかかれば日本民族として団結してそれに対処してゆくことだろう。日本民族は過去にそのようにしてきたし、これからもそのようにして行くに違いない。

そういう民族性を恐れたのがアメリカであった。しかし空母機動艦隊を創設し運用した国は世界でアメリカと日本の二国だけである。今アメリカの力は弱まっているものの依然として超強大な軍事力を維持している。日本がアメリカをはじめ、ASEAN諸国やインドなどと軍事的な連携をすれば、環太平洋地域における平和と安全を維持できることは確かである。「軍事は外交の手段である」。志ある人たちには是非このことを念頭に置いていてもらいたいものである。


日本が独自のステルス戦闘機を開発し、試験飛行させたことについて今のところアメリカは文句を言ってきていないようである。TPPにおいても日本はアメリカと対等に利益を分け合う構図をつくることに成功する前までは、日本国内ではTPPに反対し、日本がアメリカから離れることを主張する論調も盛んであった。「真に強い侍同士はお互い相手を尊敬し合う」ものである。日本が強ければ強いアメリカも日本を尊敬するだろう。集団安全保障関連法を、「日本がアメリカのために戦争に巻き込まれる法律である」、と非論理的に情緒的に思う人たちが心配している。しかし自らの心の深奥に前述のことがしっかり据えられて居れば、そのような心配は全く無用である。