2015年4月30日木曜日

20150430安倍首相のアメリカ上下院合同会議における演説に思う。


アメリカ議会の上下両院合同会議における安倍首相の45分間の英語による演説は実に素晴らしかった。演説中standing ovation 13回に及んだ。

この安倍首相の演説に対し、日本国内誌では朝日と日経の二社が見出しに「謝罪」や「お詫び」の言葉が無かったとことを掲げた。一方、中国や韓国はいつものように反発した。

歴史認識に関し、日本は中国や韓国と同じ立場に立つ必要は全くない。日本は彼らに対し100回謝罪し、100回お詫びの言葉を述べても、彼らは日本に対する批判の手を緩めることは絶対ないだろう。一方、このたびの演説によって、アメリカと日本の間では歴史認識の問題は完全に解消したと思われる。

日本はアメリカと非常に強固な同盟関係を築いている。政道において日本はアメリカに対し折中を行ってきて、この度アメリカ上下院合同会議における安倍首相の演説をもってその折中を完了させる目途をつけた。安岡正篤先生の『易経講座』には、“単に歩み寄りなんていうものは居中であって折中ではない。易は中庸である。中庸は複雑な現実に処して勇敢に折中していくことである。これくらい難しいことはないので、孔子も中庸の中で「爵録(しゃくろく)を辞するよりも白刃(はくじん)(ふ)むよりも、天下国家を均(ひとし)うするよりも中庸は難しい」と説いている。”と書かれている。日本は中国・韓国両国に対して安倍首相の演説にあるように“Later on, from the 1980’s we saw the rise of the Republic Korea, Taiwan, the ASEAN countries and before long China as well. This time, Japan too devotedly poured in capital and technologies to support their growths. (下って1980年以降、韓国が、台湾が、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国が、やがて中国が勃興します。今度は日本も資本と、技術を献身的に注ぎ、彼らの成長を支えました。)”

日本は中国・韓国に対して折中の途次にあるが、その道はなかなか険しいものがある。国家観が乏しい政治家や商人たちは日本が中国・韓国と居中する、つまりお互い歩み寄ることを求めている。それは日本が中国・韓国の歴史認識を共有せよと言わんばかりである。

正しい商道とは歩み寄りのために絶対譲ってはならないものを譲り渡して行うことではない。正しい商道とは絶対譲ってはならないものは決して譲ることなく、お互い利益があることについて契約して共に利益を得ることである。その相手(中国・韓国)とは仲良く出来なくても共通の利益となることは沢山ある。日本は無理してまで中国・韓国と仲良くする必要は全くない。ただ、お互い国民同士の交流は大いにやる必要はある。正しい商道を突き進むうちに日本と中国・韓国との間でやがて中庸が得られるようになることだろう。

2015年4月13日月曜日

20150413国家は一つの生物種である (終章) ―― 戦争ができる国とは? ――


安全保障政策を巡って「日本を戦争ができる国にしようとしている」と一部で反政府キャンペーンが行われている。戦争ができる国は戦争に巻き込まれるのだろうか?日本はアメリカと強固な同盟関係を結んでいるから戦争に引き込まれるのだろうか?

 戦争ができる国は戦争に巻き込まれることはない。戦争ができる国に対して敵は戦争を仕掛けることを躊躇する。その状況は野生動物の世界と似ている。国家は本質的に野生動物と似たところがある。野生動物は生存し・子孫を残し・種を維持しようとする。国家も似たようなものである。国家として生き残り・人口を適正に維持し・国体を維持しようとする。

 国家を構成する人間の本質は何なのか?

 人間は生まれつき悪の根を持っている。
人間の社会から悪は決して無くならない。
 人間は死後の報いを恐れて善の行いもするし悪の行いもする。

 人間は自分が信じる神に喜ばれると信じて他の人を殺すことがある。
人間は自暴自棄になったとき他の人を殺すことがある。
 人間は自分が行う結果を想像できないとき他の人を殺すことがある。
 人間は自分が愛する者や愛する対象のため殺し合いをすることがある。
 人間は自ら生き残ろうとして他の人を殺すことがある。
人間は他の人を殺すとき自分を納得させる何かの理由を作る。

 人間は自分の力量や品格では到底かなわないようなその人を尊敬する。
 人間は自分の欲求や理想を満たす人のファンになろうとする。
 人間は孤独に耐えられず誰かと親密な関係になろうとする。
 人間は他の人に認められたくて善いことも悪いこともする。

 人間は他の人に認められたくて他の人を脅したり自分を大きく見せたりする。
人間は他の人を自分より下に置いて差別したがる。

国家も人間と同じようなものである。
行政単位も人間と同じようなものである。
宗教団体も人間と同じようなものである。
武装集団も人間と同じようなものである。
テロリストの集団も人間と同じようなものである。
カルトの宗教集団も人間と同じようなものである。

戦争ができる国とは戦争をする国のことなのか?
戦争ができる国とは戦争に巻き込まれる国のことなのか?
戦争ができる国は国民同士互いに心が通じ合う国から好かれるだろう。
戦争ができる国は警戒をされるが一方で敬意も表されるだろう。

戦争ができる国とは直ちに強力な武器を保有することができる国のことである。
戦争ができる国とは自国がそういう国であることを自ら語る国のことである。

強い国とは敵国を知り自国を知って戦争の準備を怠らない国のことである。
強い国とは強い国を知っている国のことである。
強い国は価値観を共有できない国とは決して同盟関係・共同体関係を結ばない。
強い国は共通の利益があるときだけそういう国と契約して利益を分け合う。

野生動物は生き残るため自分の力を懸命に誇示しようとする。
自分の力や真実を正当に表現することができる人は尊敬される。
自国のあらゆる面の実力を表現しなければ他国はその実力を理解できない。

悪に満ちた世界の中でそういう国だけが生き残ることができるだろう。

 心ある政治家よ! 官僚よ! 武士の心を持て! 
 良い日本を作り、次世代に良い日本を残すことは、
 先の戦争で没したすべての人々に対する義務である。