2017年5月12日金曜日

20170512『仏説阿弥陀経』について(19)


大多数の人々が下記に列挙する事項を認めれば、世の中は平和になるだろう。人々は自分が人間であるがゆえに自分が理想とする姿を神や仏に求める。一部の著名な人々や自分がそのような著名な人になりたがっている人は、人々が五濁悪世から脱するための最も理想的な方法を描いてそれを正義であるとし、他の人々にそのことを語り、自分の主張に対する同調者を出来るだけ多く自分の周りに集めようとする。

自分の主張に同調する人を出来るだけ多く自分の周りに集めるための最も効果的な方法は何か?それはマスメディアを利用することである。マスメディアを巧みに利用しているメディア出身の知事がいる。twitterfacebookなどを利用することにより、自分の主張を直接他の人々に訴えることができる。その上で自分の主張をマスメディアにも取り上げてもらうようにすれば、更に効果的に自分の主張を拡散させることができるに違いない。

しかし人はそれぞれ個人として自分自身を保存しようとする。人は自分の欲心を無くすことができないから、自分が最も利益を得るように行動する。人は仏陀に成らぬかぎり五濁悪世の中に生き続けなければならない。野獣も自己保存の行動をする。自己保存の面で同じでも、人は「自分は人間であって野獣とは絶対違う」、と思いたがっている存在である。

世界の平和を達成するため、次のことは出来るだけ多くの人々が認めるべき事項である。
a 国家は人間性の面を持っている野獣である。
b 世界の平和は武力を基本する総合的な力によって維持することが出来る。
c 武力以外に総合されるべき力の要素は次の諸力である。
    外交力・情報力・経済力・科学力・技術力・文化力・スポーツ力・団結力など。
d 価値観を共有する国家同士が同盟し、団結することにより、その同盟国個々が有する力の総和以上の総合力を、同盟国同士の各々がそれぞれ持つことができる。
 e  日本という国家の団結力の源泉は2000年以上にわたり綿々と維持されて来た男系の皇統にある。ミトコンドリア遺伝の女系では絶対ダメである。

分子遺伝学的にも日本人は世界で最も混血した人種である。NHKのEテレ『サイエンスZERO』で、日本人の遺伝子はアジアの中で特異であり、中国人・韓国人の遺伝子と大きくかけ離れていることが紹介されていた。【関連:20160413「仏教」をキーワードに思いつくまま綴る(18)】

日本は単一民族国家である。アイヌの人は「民族」ではない。国連の人権差別撤廃委員会が琉球・沖縄の人々を先住民族とする勧告文を出したことは、日本民族の分断を図る某国の陰謀であるに違いない。分子遺伝学的にアイヌの人々も旧琉球の人々も日本人と全く同じである。皆、「日本民族・大和民族」の一員である。アイヌの人々と旧琉球の人々のY染色体ハプログループのD1b系統は日本本土の人々より多い。それは北海道や沖縄では混血の度合いが少なかったため、縄文人の遺伝子が色濃く受け継がれてきたからである。

Y染色体ハプログループのD1b系統は日本人だけに存在する系統であり、台湾・中国・韓国には全く存在していない。「日本と韓国はよく似た者同士」と言われるが、人種的には日本人と韓国・北朝鮮人は全く別種である。

古代中国の歴史書に書かれている「倭人」は、縄文人と渡来系弥生人の混血種・古墳時代人が作った「大和(やまと)の国」の人々のことである。古代「倭人」たちは朝鮮半島に進出していたが、朝鮮半島の動乱時に扶余系である高句麗人・百済人たちとともに日本に渡来してきた。「倭人」たちにとって自分たちは「渡来」ではなく本国への「引き揚げ」であるが、当時の朝廷はその「倭人」たちも「渡来・帰化」扱いにしていた。

古代における朝鮮半島における動乱で、高句麗人たちの一部は当時の唐(中国)によって強制移住させられた。百済人・高句麗人・新羅人の一部は日本に移住した。彼らの遺伝子は現在の朝鮮半島の人々の間に少なからず残っている筈である。近代になって高麗(こうれい)人たちは李氏朝鮮における混乱を逃れて清(当時の中国)の領土であった沿海州に移住した。日露戦争の結果彼らはロシアによって自分の土地を奪われた。満州事変勃発後彼らは日本のスパイであるとされ、ソ連によって中央アジアに強制移住させられた。日本人は16世紀に豊臣秀吉の軍隊が、20世紀に日本軍とソ連との軍事衝突により朝鮮人を苦しめたという爪痕を残している。これが日本人に対する韓国人の恨みの源になっていると考えられる。

長い鎖国を経て近代国家になった日本は、並み居る列強の国家群に伍して生き抜かなければならなかった。日本という国家も正に「人間性の面を持っている野獣」のようであった。日本がアジア諸国を欧米の植民から解放するという大義のもとに遂行した大東亜戦争(戦後アメリカによって「太平洋戦争」と呼称を変えさせられた)終了後、日本国は二度と軍事強国にならぬように、憲法前文においても第9条においも「戦争放棄」が記述された憲法をアメリカによって押し付けられた。その結果日本は専守防衛に徹する平和国家になった。

しかし日本を取り巻く現実の世界は依然として「人間性の面を持っている野獣」のような国家ばかりが存在している。国家の「人間性の面」だけを見て平和を維持しようとすることは極めて困難である。日本人は上述aeのことを良く認識しなければならないのである。


2017年5月4日木曜日

20170504『仏説阿弥陀経』について(18)


昨日は憲法記念日であった。安倍首相は3年後、日本国憲法を改正し、第9条に第3項を追加し、自衛隊を明記すると宣言した。日本国憲法前文には「日本国民は、・・(中略)・・平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と書かれている。しかし現実の世界は、東條元首相の遺言にあるとおり、「国家から欲心を除くことは不可能なことである。されば世界より今後も戦争を除くことは不可能」な状況にある。個々の人間は人間性にあふれ、お互い愛し合うことを願うが、その個々の人間の集合体である国家(日本国を含む)は、「人間性の要素をもつ野獣」と変わらない。
                 
日本が「アジア諸国を植民地から開放する」という大義の下、耐えきれないほどの犠牲を払って戦った大東亜戦争(戦後「太平洋戦争」と呼称が変更された)の戦陣に散華した方々が「悪いことをした人たち」のように思われ続けていることは真に悲しいことである。

いわゆる「従軍慰安婦」問題や、「南京大虐殺」問題は、「人間性の要素をもつ野獣」である国々がそれぞれ自己保存の本能に動かされているため未来永劫解消されることはないであろう。国際社会における「五濁悪世」は絶対無くならないであろう。

今を生きる日本人は、「自分たちが何者であり、何処から来て何処に行こうとしているのか」よく自覚する必要がある。前の戦争で戦った人たちが教養として身につけていた萬葉集や古事記・日本書記などに書かれていることを、我々日本人は学び直す必要がある。

以下のことは遺跡・史書・科学的知見に基づく真実である。
 ① 日本の歴史書『日本書記』『続日本紀』の記述にある「高麗(こま)」は「高句麗(こうくり)」のことである。同書に記述されている高麗人の官位は高句麗の官位である。
  岩波文庫『日本書記』(二)の「補注(巻第九)の九」の項に、高麗を日本でコマとよむことになったいきさつ、及び「コマ」の漢字に「狛」が使われたいきさつ、について記述されている。
 ② 中国と北朝鮮の間の国境(鴨緑江)近くの中国吉林省通化市に建っている好太王碑(こうたいおうひ)(「広開土王碑(こうかいどおうひ)」とも言われる)石碑に刻まれている文言の一部。好太王は高句麗の第19代の王である。また「辛卯年」は西暦391年である。
  百殘新羅舊是属民由來朝貢而倭以辛卯年來渡海破百殘■■新羅以為臣民」
  ■■は「加羅(から)」と判読されている。「倭」は日本、「百殘」は「百済」のことである。日本は海を渡って百済・加羅・新羅の人々を臣民にしたのである。
 ③ 高句麗と百済の支配層は扶余(ふよ)(現在の中国東北部にかつて存在していた民族・国家)の出であり、中国の清王朝を支配した満州族と同じ女真族である。中国の歴史書には、高句麗と百済で使われていた言語は似ている、と書かれている。一部の研究者は、高句麗語は朝鮮語とは遠く日本語には近い、と指摘している。
 ④ 高句麗は西暦663年の白村江の戦いで百済が滅びて孤立し、西暦668年に中国唐王朝により滅ぼされ、高句麗の北部の民は現在の北朝鮮北西部に隣接する中国遼寧省朝陽県に強制移住させられた。高句麗に遺った民は高句麗の再興を図ったが全て失敗した。高句麗の遺民の一部は日本に渡って来た。
  日本には地名で「狛江」「高麗」「巨摩」などは渡来帰化した「高麗人(こまびと)」に由来するものである。
 ⑤ 高句麗に関する歴史認識について、高句麗が現在の韓国・北朝鮮の歴史と連続するものであるかどうかについて論争がある。(Wikipedia「高句麗論争」)
 ⑥ 『隋書倭國傳』の一部。
  「新羅・百濟皆以倭爲大國多珍物、並敬仰之、恆通使往來。」(新羅・百濟、皆倭を以て大國にして珍物多しと爲し、並びに之を敬仰し恆(つね)に通使・往來す。)
 ⑦ 『日本書記』雄略天皇八年春二月(はるきさらぎ)の条の一部。
  新羅王・・(中略)・・乃使人於任那王曰、高麗王征伐我國・・(中略)・・伏請救於日本府行軍元帥等」(高麗王・・(中略)・・乃(すなは)ち人(ひと)を任那(みまな)の王(こきし)のもとに使(や)りて曰(い)はく、「高麗の王、我(わ)が國(くに)を征伐(う)つ。・・(中略)・・伏(ふ)して救(すく)いを日本府(やまとのみこともち)の行軍元帥等(いくさのきみたち)に請(こ)ひまつる」

 万葉の時代、「やまと言葉」は漢字の持つ意味の部分を無視して、その音や訓を使って仮名としての漢字が用いられていた。日本書記が編纂された時期には、「やまと言葉」を中国語の漢字の意味に当てはめた漢字が用いられた。上記括弧( )内の文字は「やまと言葉」である。

われわれ日本人は「やまと言葉」を話していた人々の子孫である。彼らは縄文人と渡来系弥生人が混血した人々であった。縄文人はホモサピエンスがアフリカを出立した早い時期にユーラシア大陸でヨーロッパ系の人々と分岐した人々で、北海道から沖縄までの日本列島でしか生き残ることができなかった人々である。渡来系弥生人は長江中流域からポートピープルとなって直接または遼東半島→朝鮮半島南部経由で日本に渡ってきた人々である。

北朝鮮は核・ミサイル兵器をちらつかせて、日本に脅威を与えている。もしかして北朝鮮には扶余系・女真族の人々の血が濃く混じっている人々が多いのかもしれない。歴史は繰り返しているように見える。私は、我々日本人は自分たちのルーツを知り、自分たちの歴史を知ることによって、国際社会の中で生き残ることができる、と思っている。