2009年8月31日月曜日

至善(20090831)

予想通り今回の選挙で自民党は大敗した。男の周りの人たちも「今回は自民党にお灸をすえる」と言っていた。それでも男も女房も自民党を応援した。理由は、民主党の政策実現に疑問を抱いているからであり、安全保障政策や外交に不安があるからである。民主党は大勝したので4年間は続くだろう。その間、政官業の癒着構造を改めてくれるだろう。民主党内には労組、日教組につながりをもっている党員も多いと思うが、今回の国民の選択には「自民党にお灸」という意味もあるので、それらにつながりをもっている議員の影響は抑えられるであろう。男はそのことに期待している。

さて、選挙は終わった。男はサークルなどで詩吟を教えているので来年教える詩吟のテキストを作成している。その中で、1月に西行の『至善』を教える。その詩文は簡単なようで、なかなか奥が深いものであると思う。詩文は「晴れに非ず 雨に非ず 睡蓮の天 山に非ず 林に非ず 在家の仙 一日を一生として興究まり無し 老楽は唯 至善を行うに在り」である。男は、昔詩吟を習った時、「在家」の「ざいか」と教えられていた。しかしこれは「ざいけ」と読むべきであると思う。なぜなら男は、この詩文は仏教の悟りへの道を教えているように思うからである。「ざいか」は単に「田舎の家」のことであり、「ざいけ」は「出家していない人、世俗の人」のことである。男は「至善」は「他人に迷惑をかけないように、あるがままに暮らす」と教えられていた。これも間違っていると思う。何故なら人は他人に迷惑をかけずに生きることは決してできない。しかし、最も善いと考えることを行うようにすることはできるからである。

男は、この詩には禅問答があると思っている。起句と承句の意味は「池の睡蓮は、天候に関係なく時期がくれば咲いている。自分は在家の身でありながら、山中林野に住み不老不死の術を心得ているよう仙人のようである。」と理解する。転句の「一日を一生として興究まり無し」の部分は、仏教の教えるとおり、「明日白骨になるかもしれないわが身は、生老病死の四苦から絶対に逃れることはできず、怨みや憎みに会う苦、愛する人と別離する苦、求めることが得られない苦、要するに生きている間中苦から逃れることはできず、逃れようとして求める一時的快楽も結局は苦を作る身である。そのように達観すれば、今この時生きている自分の日々は面白おかしいことばかりである。」という意味に解釈できると考える。結句は、「老人の楽しみは、唯一つ、自分が最も善いと信じることを、行うことであり、自分はその楽しみの中にある。」と言う意味であると解釈する。

ちなみに、西行は平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて生きた武士であり、僧侶であり、歌人であった。西行は『続古今和歌集』に「ねかはくは はなのもとにて 春しなん そのきさらきの 望月の比(ころ)」という歌を遺し、その歌のとおり、陰暦の216日、新暦48日ごろ、桜の花の時期に73歳で没したと言う。

男は仏教の勉強をしている。自分の最期に向けて毎日「死に支度」をしている。わが肉体は朽ちるが精神は不老不死のつもりである。もとより男は資産家ではなく、かといって日々食うに困るわけでもない。贅沢なものは好まず、持たず、名誉や社会的地位も欲せず、この年になってまで金や名誉や地位を求めて苦労を背負いたいとも思わず、またそのような人物的能力も持っていない。そういう意味では男は「在家の仙人」かもしれない。男は自分がそうしていられるのは、観音菩薩のような女房のお蔭であると思って感謝している。

2009年8月30日日曜日


山上憶良の歌に寄せて(20090830)

 男は女房とともに久しぶり録画してあった『日めくり万葉集』を再生して観た。もう15日分ほどたまっていた。15分であるので全部観るのに1時間半近くかかった。その中でいくつか「そうなんだ」と思うことがあった。「カタクリの花」が出てくる歌は巻194143番の歌一つだけだというし、「虹」が出てくるのは巻143414番の歌一つだけという。

 徳島県の東祖谷というところに庵を構えているアメリカ人のアレックス・カーと言う人は、巻3に出てくる351番の歌「世間(よのなか)を 何に喩えへむ 朝開き(あさびら)き漕ぎ去(い)にし船の 跡なきごとし」という歌に極楽浄土とか天国のようなピュアな世界を感じ取っている。

 同じアメリカ人で、17歳の時来日し、1982年に万葉集を英訳し、日本語で執筆しているリービ英雄という人は、百済渡来人説(663年白村江敗戦時、4歳で日本に渡ってきたとする説)がある山上憶良を自分と重ね合わせて、巻5に出てくる894番の歌「神代欲理 云傳久良久 虚見通 倭國者 皇神能 伊都久志吉國 言霊能 佐吉播布國等 加多利継 伊比都賀比計理」が訓読されて「神代(かみよ)より言(い)ひ伝(つ)て来(こ)らくそらみつ大和(やまと)の国(くに)は皇神(すめらのかみ)の厳(いつく)しき国言霊(ことたま)の幸(さき)はふ国(くに)と 語(かた)り継(つ)ぎ言(い)ひ継がひけり」となっている歌に、非常に感動している。

 彼は、大和の国・日本が神代の昔から神が威厳をもって守る国、言霊が幸いをもたらす国と語り継がれ、言い継がれてきた、ということに非常に驚き、感動しているのである。男も含め今の日本人は、自分の生まれ育った国に対して彼のような純粋な感動をしていない。しかし、それは戦後の教育のせい、日教組のせいだと男は思う。

 ちなみに山上憶良は660年頃生れ、733年頃没している。702年の第七次遣唐使船に同行して唐で儒教や仏教など最新の学問を研鑽し、帰国後は東宮侍講を経た後、伯耆や筑前の国司の長官(守)を歴任しながら、数多くの歌を詠んでいる。

 西欧人の中には日本人以上に日本人らしい人がいる。男はかつて合気道に親しんでいた頃、合気道の師範として日本人に合気道を教えていた人や尺八の師範として日本人に尺八を教えていた人に会ったことがある。ドナルド・キーンという人は、戦時中、日本の兵士たちが所持していたものの中で『万葉集』単行本が一番多かったことに驚いたという。

 男は今の若い人たちにもっともっと日本のことを学んでほしいと思う。国旗掲揚時や国歌斉唱時に起立を拒否した教師、国歌の伴奏を校長に命じられ、それを拒否した女性音楽教師、そういう教師たちが多い日教組の連中には、もっと虚心坦懐になって自分の父祖の地、自分が生まれ育った地、この日本の良さを学んで欲しいと男は思う。

 国会議員たちも口では国の在り方についていろいろ言うが、皆戦後教育を受けた人たちである。中には神武天皇は後世の造作であるという歴史観をもつ学者にマインドコントロールされている人もいるであろう。山上憶良の歌にあるように日本は「神代の昔から神が威厳をもって守る国」であるのだ。神社は日本文化の象徴である。そもそも神道を宗教扱いにしたのは間違いの根本である。これは男の持論であるが、そうでなくても「靖国神社にはA級戦争犯罪人が祀られている」と公言する自民党国会議員もいる。多分多いであろう。皆、戦後教育に毒された人たちである。

 男は以前ブログに書いた「日めくり万葉集(20090617)」を読み返してみた。

2009年8月29日土曜日

大麻・MDMA・覚せい剤(20090829)

最近毎日のように大麻に関することが報道されている。自宅でこっそり大麻を栽培していたり、山中の人目につかないところで大麻を栽培していたり、大学生の間で大麻や覚せい剤やMDMAが広まっていたりして、じわじわと日本国内に社会的不安が押し寄せてくる感じである。悪い芽は小さいうちに摘み取ってしまわなければならない。警察にはご苦労であるが、ここは是非頑張って徹底的に取り締まってほしいと男は願う。
国の安全や社会の安全のためには、身の危険も顧みず与えられた任務を遂行してくれる人たちが必要である。民主党は国家公務員の人件費を2割減らすようなことを言っているがとんでもないことである。勿論、無駄な部分はよく探せばあるであろう。どこをどのように探し、どこには人数を増やす、と言った具体的なアイデアがない。
今日の自民党の新聞紙面1ページを使った広報には、さすがに第一番目に「誇りと信頼ある国家を目指す」とある。しかし男が気に入らないのは「国家公務員8万人削減」を「国のしくみ」の中で唱っていることである。「一般大衆」に聞こえのよい言葉であることは明白である。麻薬など社会の安全・安心に関わることをどう考えているのか!
男が言う‘無知な’一般大衆は、安全や安心は金をかけずにできると思っている。先般NHK番組の<日本のこれから「“核の時代”とどう向き合うか?」>(このブログ非核三原則(20090817)参照)で、「核の持ち込みには反対である」という人たちの凡そ半数が「アメリカの核の傘は必要」と言い、おそらくそのように答えた人たちの中には「アメリカへの思いやり予算は不必要である」と考えているのであろう。
マスコミが軽々しく‘公務員たたき’という言葉を使い、責任ある政党が‘無知な’一般大衆の耳に快い言葉を使うことをたしなめようともせず、‘公務員削減’と声高に叫ぶ。「公務員をよく使いこなす」とか「霞が関の抵抗は強い」と言う。ある党は公然と現状は‘官僚内閣制度’であると、官僚に敵意を向ける。男は、中央官庁の官僚たちに励ましの言葉を贈りたい。「叩かれ叩かれても、国のため、社会のために黙々と働いて下さい」、と。
勿論、男は天下りの実態のことは大体想像がついている。一部の官僚たちは清貧に甘んじようとせず、富を手にしようとうごめくき、そこそこの社会的地位と報酬を求めて自ら立ち上げた‘公益法人’の役職に天下りしている。元自民党議員秘書などが、そのような‘公益法人’の実働部隊である会社を作り、‘公益法人’から丸投げの事業を請け負っている。その会社の社長は、‘公益法人’のトップではないが、その‘公益法人’でそこそこの役職に就いている。その‘公益法人’の職員はプロパーもいるが、利益につながる企業からの派遣者もいる。しかし表向き、立派な組織活動が行われている。
その会社に奉仕すれば国からの金が流れてくるため、その会社に社員を‘出向’させ、その社員の給与は自ら払う会社がある。その会社は、直接つながりはないが間接的につながっている上部機関である‘公益法人’に求められて寄付もしている。
そのような実態は内部告発でもない限り外部に漏れることはない。このような政官業の癒着の構造に対してジャーナリズムはなかなかメスを入れることもできないでいる。
民主党のマニフェストには金の裏付けはともかくとして、外交・防衛の面でかなり具体的・現実的なことが書かれている。男は民主党圧勝ムードの中、国の安全保障という視点で、また世代交代で変わる自民党に期待して、自民党に投票するつもりである。

2009年8月28日金曜日

孫娘の隷書(20090828)

  先日久しぶりに孫娘にあった。孫娘は中学1年生である。息子が大阪から運転してきた車から降りるなり、いきなり「おじいちゃん、はい!」と言って差し出されたのが、縦30㎝、横45㎝の額の中に書かれている「君諱景完敦煌」という隷書であった。孫娘は大阪からの車中これを大事に抱えて持ってきて、いの一番に男に見せたかったのであろう。これを見た男がどういう反応をするか期待と不安があったであろう。いじらしい!

  孫娘は男と女房が中学校進学のお祝いにプレゼントしてあげたかなり上等の筆でこの書を書いたのだ。見れば見るほど惚れ惚れする書体である。中学校1年生の子供が書いた書とはとても思えない出来栄えである。「敦煌」の「煌」文字の最後のひと筆が終わったその上に、1cm四方ほどの小さな自分の印を押してある。文字全体のバランスも良い。男は書についてよく知らないが、隷書体は書く人の個性が表れていると思う。それゆえ芸術的価値があるのだと思う。孫娘の書は、後世に残るほど立派な書であると男は直感した。

 男は田舎に帰っていたりして多忙だったので、今日(27日)ようやくその書の額にねじとひもを付けて、男の部屋に飾ることができた。男の部屋の白い壁にはあちこち絵や写真やカレンダーなどを飾ってあるので、孫娘の書は男が机の前に座って左斜め上方の天井に近いところに掲げた。見上げれば見上げるほど感動させられる書である。男はなにか清々しい気持ちになった。いつもこの孫娘の書を見上げて「いいなあ」と思う。

 さて、彼女からこの書を渡されて男はどう訓読すればよいのか初め迷った。調べてみるとこれは「君諱全字景完敦煌效穀人也」と言う言葉の一部であることが分かった。そのことを男は孫娘に教えて上げた。「君の諱は全、字は景完、敦煌效穀の人なり」というのである。これは中国の後漢の時代、曹全という人が黄巾族の乱を鎮圧し民政を安定させた功績で、彼の生前に建てられた石碑に書かれている隷書体の文字であり、拓本が取られて書のお手本になっているものであるということである。

 男は字が下手である。書道の勉強をしたいとかねがね思っているがなかなかその時間的余裕がない。字の上手下手は生まれつきのものであると男は思う。若くして子宮外妊娠で他界した男の実の妹は、字が上手であった。頭もよかった。女房は「M(孫娘の名前)はFちゃん(男の他界した妹)によく似たところがある。性格も、容貌もFちゃんの生まれ変わりではないかと思う。」と時々言う。男もそう思う。

 仏教では輪廻転生を否定していない。先日、酒井法子というタレントは麻薬を吸った罪により囚われの身となっている。前世の行いによって人間界に生まれた彼女は、悟りを求めない行いによって一時的な快楽を麻薬に求めた。彼女の場合まだ地獄に落ちるほど麻薬を吸っていなかった。それは彼女の前世の行いがごく普通の人間であったからである。地獄も極楽もこの世にある。もし彼女の前世で人を殺めたり、極悪非道のことをしていたならば、彼女は人間界に生まれることなく、初めから地獄に落ちていたであろう。

 孫娘は男の妹・Fが生前果しえなかったことを実現させているように男には思える。男はFの生前、兄として思い残すことがあった。これも男の無明のせいであり、修行の心がけの足りなさのせいである。男は来世(あの世)においても天上界に生まれることは決してない。人間界に生まれるが、少なくとも今生よりは増しな徳性を備えて生まれることができるだろう。そう思いながら孫娘・Mにいろいろ教えておきたいと男は思っている。

2009年8月27日木曜日

ミサイル一発喰らわないと目が覚めないのか?(20090827)

  新型インフルエンザが流行している。ニュースによるとワクチンの製造は大幅に遅れていてその使用について優先順位を決める会議ではまだ結論が出ていないというし、医療機関同士の連携協力関係が構築されている自治体は岡山県だけだという。政府はワクチンの輸入を試みている。医療機関ではサービスの限界を超える患者が殺到した場合のことを懸念している。政府はこれまでいろいろ対策を講じてきていると思うが、男はなにか歯がゆさを感じる。それは、日本人は、問題の存在に気がついていてもその問題への対処策が遅れたり不十分だったりすることに慣れっこになっているのではないかということである。

 日本人は、一発がつんとやられるまで目が覚めないのだ。今回の事態はずい分前から予想されていたことである。なぜもっと早くからワクチンの製造が順調に進まない状況に対処していなかったのか?イギリスでは全国民分のワクチンが既に準備されているというではないか!よく縦割り行政の弊害というが、男はそれだけが問題ではないと思う。

 民主党は役人を減らすと盛んに言う。男はむしろ必要な部署には役人を増やすべきであると思う。安全、安心に関わる部署の役人の数は十分ではないと思う。安全や安心のためにはコストがかかるのだ。

 今日の新聞を読んで男はその念を一層強くした。自民党は「企業を通じ賃金を増やして消費の拡大を図る」と言い、民主党は「家計に直接支給して消費拡大を図る」と言う。国民新党は郵政民営化の批判ばかりしている。選挙公報が配布されたが読んでみると、民主党は「政権交替で暮らしを守る、変わるのはあなたの生活です。」と紙面のトップに掲げ、自民党は「日本を守る責任力」と掲げている。公明党は「生活を守り抜く」と掲げている。幸福実現党をのぞいてどの党も国の防衛については触れていない。ただし、男は日本の将来のために、この党が出てくることには十分警戒が必要であると思う。

 日本人は、新型インフルエンザで何千人か死んだり、某国からミサイルを撃ち込まれたりしない限り目が覚めないのだ!国の形は人間の形にたとえて考えれば分かりやすい。人間の知能、精神、知覚力、手足の力、免疫力、学習、鍛錬、道具や器具などと国のそれらに類似する部分をくらべてみて、日本と言う国の形として改善しなければならない部分は何か、そこのところをどの政党も全く考えていないように見える。

 自民党以外のどの党も、票集めのため「経済」とか「暮らし」とか「生活」とかいうキャッチフレーズを大見出しで掲げている。一般大衆がそういう言葉に惹かれて投票し、自民党は野に下ってしまうことになるだろう。その結果もしわが国の安全が脅かされるような事態にでもなれば、そのとき初めて一般大衆は目が覚めるのだ。

 しかし、しかしである。男は、政治家たちはなぜ一般大衆に対して国の背骨である軍事力の重要性を説明しようとしないのであるかと思う。もし、政治家たちが党派を超えて軍事に関する勉強会を開くようになったら、一般大衆の目が覚めるまえに、安全保障上の問題が起きないように一般大衆を啓発することができるようになるのではないかと思う。

2009年8月26日水曜日

日本列島の大王たち(20090826)

 上記タイトルは、古田武彦著の本(朝日文庫)の題名である。男は今日陶芸を楽しむ日であるので、行き帰りの電車やバスの中でこの本を読んだ。

 読むうちに男が前々から関心があった日本人のルーツについて書かれている本、安田喜憲著『古代日本のルーツ 長江文明の謎』のことが頭によぎった。吉田武彦は、天皇家のルーツ・神武天皇は古事記にあるとおり日向(宮崎県)を出発し、宇佐(大分県)に立ち寄り、そこで宇佐の土地の有力者の厚遇を得、その後筑紫(福岡県)の岡田宮(福岡県遠賀郡芦屋)に詣でた後、安芸(広島県)、吉備(岡山県)を経、淡路島と四国の海峡を経て難波(大阪)の地に入ろうとしたが戦闘に破れ、熊野(和歌山県)を迂回して大和(奈良)に入った、としている。しかし、銅鐸の分布の関係から、天皇家のルーツは北九州地方の大王の分家であるとしている。

 天皇家のルーツ(初代は神武天皇)は海路を辿って畿内地方に入り、崇神天皇の代にその土地の大王たちを支配下において大和政権を確立する祖となったようである。崇神天皇は、越(富山県、福井県、新潟県)などに軍を派遣し、大阪・奈良を中心とし日本海側および太平洋側までの一帯を支配下においたという。この地方には吉田武彦が引用した『漢書・地理志』によれば東鯷人が住んでいて、3世紀、遅くとも中国の三国時代の呉朝末までに、銅鐸とともに記録上、その存在を絶ったという。それまで鯷人は中国の呉朝と交流していたという。

 その越には、安田喜憲によれば、古代中国の長江中流域の文明が伝わっている考古学的な痕跡があるという。長江中流域の文明は、先ず笠沙(鹿児島県南さつま市笠沙町)を経て、西日本全域、出雲(島根県)、淀江(島根県米子市)などに伝わったという。その笠沙は、古事記によれば、ニニギノミコトが日向の高千穂の嶺に下って、詔して「この地は韓国に向かい、笠沙の岬を通って朝日がさす国、夕日の照る国で、甚だ良い国である」と申されたと言う土地の名前である。

 男は、吉田武彦が九州の大王の分家であるとする天皇家のルーツは、安田喜憲による古代中国の長江中流域の文明と深い関係があって、長江中流域の民の大型建築、造船、航海、稲作などの文明力をもって畿内地方をその勢力下に置くことができたのではないかと思う。わが国が伊能忠敬によりヨーロッパ人が驚いたほど正確な地図を作り、和算術を編み出し、明治維新後は非常に急速にわが国を当時の列強諸国に負けない強い国に仕上げ、戦艦大和や零戦を作ることができたのは何故か。男は、日本人の血の中に、黄河文明よりも千年も古いことが分かった長江文明を身につけた民が、紀元前後戦乱を逃れて沖縄島伝いに九州南部に辿りついた人々の遺伝子があるのだと思う。

 さらに、朝鮮半島を支配していた中国の後漢が3世紀に滅亡した前後、やはり戦乱を逃れた当時の文明人たちが、日本書紀の記述だけでも何万人という規模でわが国に渡来してきており、7世紀、倭国(当時の日本)が百済を救おうとして白村江で大敗したときも百済から王族・貴族など知識や技術の高い人たちが、日本書紀の記述だけでも何千人という規模でわが国に渡来してきている。

 1世代25年、一家族夫婦と子供2人として1000年も経てば子孫は計算上1兆人となるので、今の日本人の血の中にはそれら渡来人たちの血も天皇の血も含まれていることになるのだ。男は日本人はこのことを知って、心の中心を見失わぬようにしなければならないと思う。

2009年8月25日火曜日

西欧ではどうの、韓国ではどうのと・・・(20090825)

政権選択選挙の日も近い。男は昨日朝9時からの党首討論会と昨夜9時から行われた各政党の政策責任者が集った討論会も聞いた。男はそれ以前の討論会や各党のいろいろな主張や発言に耳を傾けている。暇なご隠居さんと揶揄されればそれまでである。しかし、多くの国民は今度の選挙に重大な関心をもっていることは確かであると思っている。
民主党は日本に永住している外国人に参政権を与える理由として韓国やドイツの例をあげて日本も同様にすべきだと主張している。子育て支援についてもドイツやフランスなどが多額の支援をしているから日本も同様にすべきであると主張している。
男は、民主党がなぜ他国の例を引き合いに出してわが国も同じようにと、‘女たちのように’(失礼!)横並びの発想を持つのであろうか?日本は日本、外国は外国なのだ!なにも他国の真似などする必要はない!さすがに石原伸晃自民党幹事長代理は「ドイツは一回だけの給付であり、フランスは低所得の移民者たちが社会不安を生じさせないための対策でもある。」という趣旨のことを言っていた。
参政権の問題も日本と韓国とでは国情が違う。朝鮮半島は陸続きの中国の支配民族である漢族や、元の時代は蒙古族、清の時代は満州族に支配されていた。氏姓もわが国(倭国)が白村江で百済救済のため戦っていたころからほどなく経って中国風になってしまった。そういう国であるから永住する外国人に参政権を与えることに余り抵抗感がないのだ。ドイツだって諸王国が王国同士の対立を避けるため進んで神聖ローマ帝国の中に入り、紆余曲折を経て日本の江戸時代のころには幾多の小国が分立していた国柄である。外国人に参政権を与えることに抵抗感がないお国柄なのだ。
それと万世一系の皇統があり、神道が庶民の文化として切っても切れない状態にあるわが国とを比較して、それらの国がそうしているからわが国もそうすべきである、という発想は余りにも日本という国に対する志がなさすぎると男は思う。
政治家に志がない状況を見て、隙があると大川隆法氏は幸福実現党を立ち上げた。立候補者の顔ぶれをみると若い世代の人たちばかりである。「憲法第9条を改正する」とか「毅然たる国家として防衛体制を強化する」などと主張している。男は、15日のNHK番組で「日本のこれから「“核の時代”とどう向き合うか?」」(男のブログ、非核三原則(20090817)参照)で若い世代の人たちが、わが国の防衛体制強化を求めている状況をみて、志ある若い人いたちの票がどこに向くのか興味をもって30日の選挙結果を心待ちにしている。
今の政治家たちに欠けているものは、「軍事は外交の手段である」という大原則への認識がないということである。わが国は世界で唯一の原子爆弾被爆国として核武装はしない、という選択を最後の最後まで保ち続けるべきであるが、アメリカの核の傘の柄をわが国も一緒に持っていることを是非実現すべきである。‘旦那’が支えている核の傘の下に、‘妾’が‘旦那’に寄り添って媚を売っている姿が、わが国の現状である。政治家は票を欲しいばかりに国の護りの在り方について、一般大衆を啓発しようとはしない。否、悲しいかな一般大衆を啓発することができるような高い志と識見をもっていないのだ。
幸福実現党は、幼稚ではあるが、その方が票が取れるとでも思っているのか、上記の主張をして政治家を出そうとしている。男は、清い、高い志と、高い識見を持っていない政治家たちが、この国の行く末を誤った方向に導いて行っているように思えてしかたがない。

2009年8月24日月曜日

党首討論会(20090824)

23日、NHKの「迫る決選9党党首スタジオ集結政権選択の夏・日本を誰に託すか」という番組で党首討論会が放送された。これを聞いていて男は感じたことがある。それを三つ挙げるならば、先ず、それぞれ主張が違う党が9つもあって、防衛、官僚、経済について十分な討論が行われぬまま終わってしまったということである。次に、民主党などは一般大衆、特に子育て世代の女性たちや生活が苦しい人たちだけに媚びへつらって、彼らの耳に心地よいことばかりを聞かせようとしているかような印象があるということである。最後に、改革クラブは民主党などが財源について理論的・実質的な裏付けのない、あたかも‘革命’のように政権奪取を目指しているように見えることや、‘官僚が悪い’と強調していることなどを批判していることである。
海賊対策や北朝鮮制裁、および対テロ対策の国会審議に対する民主党の対応ついて麻生首相が批判したことに対して、鳩山代表は口を濁して逃げざるを得なかったような印象を受けた。民主党はもともと‘革命’的に政権奪取を目指していたから、理想論を述べることが出来る鳩山氏が当面の党の代表にふさわしいと党員たちは考えたのであろうか?
男は麻生首相は党の総裁として、これまでの自民党が ‘政官業’癒着の構造から脱却できなかったことや、小泉改革で考慮されていた弱者救済策も世界同時不況の影響で不十分であったことを、‘一般大衆’の前で率直に謝ればよいと思う。物事には必ず光と影、プラスとマイナスの両面があるのだ。民主党は政権奪取を最優先にして、一般大衆に受けるようなことを並べ立てているが、必ず反動が起きるに違いない。鳩山代表らはそのことを予測していて「もし民主党のマニフェストが実現できなかった場合には責任を取る」と言っている。民主党などが頼みにする‘一般大衆’、男もその内の一人であるが、その‘一般大衆’は、政権をとった民主党がこの日本をめちゃめちゃにした後で「マニフェストを実現できなかったから責任をとります」と言って責任を取ってもらっても困るのだ。
テレビ討論会に出ることができる条件を満たしていない幸福実現党は、日本の精神の在り方について、‘一般大衆’に受けるようなことを言っている。この党には若い立候補者が多く、若い世代の人たちの漠然とした不安感を受け止めるようなことを言っている。男は、仏教などの普遍宗教ではない宗教団体が政治活動を行うことを禁止すべきであると思っている。憲法改正時には、新興宗教など非普遍宗教の政治活動の禁止を規定すべきである。
ついでに憲法改正時には、宗教のカテゴリーに神道を含めないことも明記すべきであると思う。神道はもともと宗教ではなく、日本の古来の文化の形である。靖国神社にA級戦犯が祀られたからとて、靖国神社に国を代表して内閣総理大臣が参拝するからとて、外国からとやかく言われる筋合いはない。A級戦犯の方々は天皇を守りとおして自ら死を選んだのである。石原東京都知事、が昔、A級戦犯として処刑された方々を「結果責任」として当然であるというようなことを言ったことがあった。男はこの言葉に反発していた記憶がある。
男は、度々言うが、「やましき沈黙」が起きる日本人の精神構造は、今の平和な民主主義、自由主義のこの日本の国の中で、依然として強く存在していると思っている。A級戦犯として処刑された方々は、確かに戦争指導の立場にあった方々であるが、指導された一般国民に全く責任がなかったわけではない。当時の一億国民は皆、多かれ少なかれ先の戦争に対して責任があったのだ。その結果として、あのような悲惨なことになったのだ。

2009年8月23日日曜日

永住外国人の参政権(20090823)

 男は現役時代、会社から派遣されてアメリカの会社で研修を受けていたことがあったが、そのとき知り合い、以来交友関係が続いている友人から久しぶりに電話があった。アメリカでは兵役に就き、満期で退役してアメリカ市民権を与えられた人が雑誌か何かで取材されて記事になっていたことがあったが、彼もそのようにしてアメリカ市民権を得た一人である。今アメリカでは兵役は志願制であるが、当時は徴兵制がしかれていた。彼は永住権をもっていたため徴兵されたのである。

 その彼は男のブログを読んで、アメリカの永住外国人の参政権について話してくれた。それによるとアメリカでは永住権を持っている外国人は、アメリカ市民と全く同じ扱いを受けるそうである。しかし選挙権・被選挙権はアメリカ市民にならないと決して与えられないということである。ところが、一部の政党は日本に永住している外国人に地方参政権を与えるべきであると主張している。その理由として、韓国やドイツなどがそのようにしているからだという。

 朝鮮半島は漢民族に支配されていた時期があった。ドイツはローマ帝国の支配下にあった時期があった。そういう国々では外国人に参政権を与えることに抵抗感がないであろう。しかし日本やアメリカは違う!

 民主党の鳩山代表は党内の左翼思想の人たちもまとめなければならない立場であるためそういう発言になったのかどうか知らないが、あるテレビ番組で彼は「日本列島は日本人だけのものではない」とまで言いきった。民主党内には日本の国旗を切り刻んで民主党のシンボルマークを作った者がいる。

 今回の選挙で民主党をはじめ、一部の政党は自衛隊の海外派遣に反対している。ソマリヤ沖やインド洋などに派遣されている自衛隊員たちは、日の丸の旗を掲げ、国の為に黙々と任務を遂行している。天皇陛下・皇后陛下をはじめ皇族の方々に対しては、ごく自然な気持ちで敬意を払っている。そういう人たちと対極にあるのが、それらの政党の人たちである。民主党員やその支援者の中には労組の人たちも多い。国旗を切り刻んだ人たちは反米であり、国連で決めたことについても自衛隊を活用することには反対している人たちと同類である。男は反対する理由の根底にイデオロギー、簡単に言えば左翼思想があると思う。

 男は彼らのイデオロギーには天皇制や神道と相容れないものがあると思っている。神奈川県では教育委員会が卒業式の国歌斉唱・国旗掲揚時起立しない教員のリストを作成していることについて、件の教員たちはテレビのカメラの前で、リスト作成は憲法で保障されている思想信条の自由に反することであると主張して抗議している。男は‘革命’を標榜する民主党の中には、そのようなイデオロギーを、今は‘隠し持って’いる連中がいると感じている。

 彼らが受け容れない天皇は1500年ぐらい前、ヤマト政権確立の時から平安時代まで実質支配者であった時期があった。ヤマト政権確立後、天皇は国(倭国、後に日本国)の安泰と民の幸せを祈っておられた。今の天皇もその祈りを続けておられる。国のため、民のため祈ることをする天皇のような存在を持つ国は他にない。神道の源泉は古代の天皇の祈りにある。

 日本は天皇と神社があるユニークな国である。日本人は普段無意識のうちに天皇を敬い、神社の儀式に参加している。日本から天皇と神社を無くしてしまったら、殆どの日本人は精神不安定になってしまうだろう。人は誰でも自分の心の深層を認識することはできないのだ。天皇と神道は、日本人の心の深層にある‘セルフ(自分自身)’の元である。

 男は神道を宗教のカテゴリーに入れてはならないと思う。その理由は、神道は日本人の精神文化の根底にあるものであるからである。靖国神社などはその文化を実際の形にしたものである。首相の靖国神社参拝を非難し、‘自粛’という形で参拝が行われないようにすることは、日本人の精神を改造して行こうと意図する側の深慮陰謀であると男は思う。

2009年8月22日土曜日

90歳老母の介助(20090822)

 明日21日、横浜から女房が男の田舎の家に帰ってくる。女房が帰ってくることになったのは、母が17日帯状疱疹の治療を終えて退院し男が引き続き数日間母の独り暮らしの面倒を看ることにしたのだが、男が母に「M子に帰って来て貰いたいか?」と聞いたら「お願いしたい」という返事だったからである。

 入院中男は一日3回の点滴の合間、母を運動のため病院から連れ出して散歩させていた。しかし母はその時以外は病院の廊下をちょっと歩く程度で後はベッドに横たわってばかりいた。そのせいで母の体力が低下していた。その上母の骨髄の機能は低下している。この猛暑を乗り切るため、男は女房が1、2週間母の面倒をみてやった方がよいと判断した。真夏と真冬の厳しい時期の一定期間、母の自立生活を見守りながら必要な介助をしてやる。そのような状態が2、3回あるだろう。そのうち母の自立度が低下し、男と女房はしばらく田舎暮らしをして母を介護するようになる。そのうち母は生涯を全うすることになる。

 男は米を研いで電気炊飯器のタイマーをセットしておくだけで、後は殆ど母に独り暮らしの生活の状態を続けるように仕向けている。母は味噌汁やゴーヤチャンプルなどを作っている。ゴーヤは男が庭先を耕して苗を植えたものが育ったもので、次から次に実がなっている。母が自分で作る食事だけでは栄養的に不十分なので、男はすぐ隣のお惣菜屋で出来るだけ多くの種類を買い揃えて来たものや、近所の方が母のために作って持って来てくれた酢の物などをできるだけ美味しそうに見えるように小皿などに小分けし、堅いものは刻み、デザートには男が買ってきた小豆の煮ものに砂糖と少しのお湯をかけて電子レンジで温めたものなどを食卓にのせてやった。男自身はパン、マーマレード、ベーコン、チーズ、卵、玉ねぎ、サラダ菜、トマト、コーヒー、牛乳などの朝食を作って食べている。使った食器は母が自発的に洗っている。

 以前は女房が帰ってくれば母は全て女房任せで自分はテレビを観たり新聞を読んでいたりして何もしなかった。女房は母の入浴時は頭髪を洗ってやったり、入浴後はドライヤーで乾かしてやったりしていた。これに対して男は浴槽に40℃の湯を満たすだけで、後は放ったからしにしている。男は高齢者が入浴時に事故が多いことを知っているが、母にあまり構いすぎるとかえって良くないと思っている。構いすぎると母に依存心ができてしまって、自分自身でなにもかもするのだという意欲をなくし、自立心が衰え、結果的に要介護状態を増進させることになる。年寄りには厳しい方が良い、というのが男の持論である。

 母には「明日M子が帰ってくるが、お風呂に入る時は自分で髪を洗い、風呂から上がったら自分で髪を乾かしなさい。また風呂から上がる時は、栓を抜いて排水しておくように。」と言った。母は「風呂に入る前よく体を洗うから、湯は汚れない」と言う。一番風呂に入って、その後に男が入浴すれば水の節約ができると思ったらしい。男は「年寄りが入ると湯は汚れるよ。年寄りが入った後は入れない」とはっきり言った。母は「へえ、そうかえ。」と不満気である。男は「お風呂の中で体を洗う方が楽でしょう。水を抜くのに時間がかかる。水を抜いておけば後はヘルパーさんが掃除してくれる。ヘルパーさんは1時間しかないのでその間別の仕事ができる」と言ったら、母は納得した。

 年寄りを甘やかせず、年寄りの出来ないことだけを手助けする。食事は栄養のことを十分考え、バラエティに富んだものにし、できるだけ美味しそうに見せる。加齢とともに自立度は落ちてくる。それに応じて介助度を上げる。そういうやり方がベストである。

2009年8月21日金曜日

皆年をとるのだ!(20090821)

このところ連日30数度の猛暑が続いている。男は家事などをしてびっしょり汗をかくので、一日に何度もシャワーを浴びてシャツなどを取り換える。90歳の母は乾いた洗濯物をたたむなど自分のできることをして男に手伝っているが、屋内にいるのでエアコンを使わずにいても汗はかかないようである。

男は母に「お風呂に入る?」と聞くと母は「ちょっと入ろうかな」と言う。男は母が元気に見えるし、風呂に入れるのは初めてのこともあって母の体温を測ることを忘れていた。本来なら血圧も測らなければならなかったのであるがそれも忘れていた。男は太陽光温水器から熱湯をおろし水道水と混ぜ温度を調節して40℃にして母に入浴させた。母は腰椎の一つを圧迫骨折しているので腰が曲がっている。「髪を洗う?」と聞くと「いや、今日は洗わない。」と言う。母は浴室に置いてある介護用の椅子に腰をかけ、湯舟から湯をすくって自分で体を洗っている。男が「湯舟の中で体を洗えばよい」と言うと母は「そうしよう」と言って湯舟の中に入り、自分で体を洗った。ヘルパーさんは本来正式な仕事ではないが、週2回の訪問介護で食事作りの援助をしながら母の入浴を‘見守って’くれている。母は風呂から上がってきて大変気持ちよさそうであった。

男もいずれそのような状態になるのであろうと思うが、母が入浴後浴槽の湯を抜いた後、浴槽の底にざらざらしたものが沢山残っていた。同じようなことを先日妹も言っていた。年寄りは皮膚からふけのような残滓が沢山出るものらしい。浴槽を洗浄しないとそのままでは浴室を使う気にはなれないので、男は先日妹がしたように浴槽と床面を備え付けの清掃用具で綺麗に洗浄した。

電話で女房にそのことを話したらヘルパーとして年寄りの世話をしている経験から、「そうよ。○○さんの家の嫁が‘おばあちゃん、お風呂から上がる時には掃除しておいて下さいね’と言ったとそのおばあちゃんが怒っていた。その嫁の気持ちはよく分かるわ。」と言っていた。そして、「私たちもいずれそのように汚くなるのだから、いつも綺麗でいるように心がけようね。」と言う。男もそのとおりに心がけて行かなければならないと思う。

テレビのコマーシャル番組である有名女優がご主人とよくアメリカ旅行を楽しみ、セレブ専用のような店でネイルケアをしたり、買い物をしたりする優雅で贅沢な生活ぶりを紹介していた。男は多少不愉快に思った。世の中には女性たちを羨ましがらせ、欲望を掻き立てさせる商業主義を何とも思わず、むしろそれを煽る馬鹿が多いのだ。先の戦後の日本人はみなアメリカの文化に毒されている。和服が似合う質素で慎ましやかな女性こそ最も美しいのだ。日本人は2000年の間に培われてきた日本の文化の良さを再認識すべきである。

70代前後と思われるその女優もセレブであることをさりげなく誇り、優越感を抱いているように見える。彼女も今いくら自分の美しさを誇っていても、いずれ男の母のようになるのだが・・。しかし、男がそのようなことを思わなくても、その聡明な女優自身もそう思っていることであろう。今精一杯自分を輝かせようとしているだけに違いない。

2009年8月20日木曜日


日本列島は日本人だけのものではない?(20090820)

民主党の鳩山代表は以前あるテレビ番組で「在日外国人たちは税金も払っているのだ。日本に永住している外国人には地方参政権を与えるのは当然である。日本人はもっと度量を大きく持つきである。日本列島は日本人だけのものではない。」という趣旨のことを語っている。彼がそのような発言をする背景には、彼を取り巻く人たちの間でのいろいろな話のやりとりの中で、そのような考え方が醸成されたのであろうと男は思う。「日本列島は日本人だけのものではない」と言うのは言いすぎである。「日本列島に住んでいるのは日本人だけではない」と言うのなら理解できる。
しかし、男は日本国籍を取得していない者に参政権を与えることには大反対である。日本は古来から渡来人に対して氏姓を与え帰化させてきた。帰化人には能力に応じて官位を与えてきた。鳩山氏は外国の例をあげて在地の国籍を持たない者でも地方参政権を与えるべきだと言う。日本は日本である。何も外国の例に倣う必要はない。民主党は自由貿易協定(FTA)のことだって外国の例にならい日本の独自性も考えずに米国とFTAを締結することを掲げた。民主党はとにかく政権を取ることだけに集中して、勉強が足りないのだ。
男は右翼ではない。YouTubeを観ると田母神元航空幕僚長の終戦記念日の講演に呼応するかのように、右翼的な激しいデモが行われている様子が映し出されていた。男は心情的にはこの真夏の暑い日差しの中、ナショナリズムを煽り、ナショナリズムに酔う人たちに拍手を送りたい気持ちはある。しかし一方で、その気持ちは何度も言うが日本古来の神道や天皇などを中心に据えた文化に根差すもので、戦前の日本のように一億国民が組織的に動き始めたときには、いろいろな価値観の存在を認めず、多様性を排除するという方向に向いてしまう危険性があることを広く訴えたいと思うのである。
この30日に行われる国政選挙に向けて国防のことを訴えているのは宗教法人がバックアップする幸福党だけである。男は宗教法人は税制上の優遇をうけている公益法人として宗教活動のみに専念すべきであって、特定のイデオロギーを掲げて国政に参加すべきではないと考える。東京10区で小池元防衛大臣が幸福党と連携したのは軽率であると思う。しかし公党は国民にたいして国家防衛上の考え方についてきちんと説明すべきである。
田母神氏は身を挺して国家の在り方や国防のことを訴え続けている。その中に中国や韓国などが内閣総理大臣の靖国神社参拝を非難し続けるのは日本から金を引き出すためで、一旦弱さを見せた日本は脅せば幾らでも金を出すと見くびられているからであると言う。男もそう思う。国と国の関係は人と人との関係に似ている。強い人間に対して相手は敬意を払う。北朝鮮は核をちらつかせて日本や韓国を脅せば何かを得ることができると思っている。チンピラ、ごろつきのような国である。男は日本は宮本武蔵のような自立した強さを持つべきであると考える。
全ては日本国憲法の不備に起因している。日本人の多くは心の中にもやもやしたものを感じている。それは矛盾の芽である。矛盾の芽は徐々に大きくなり、いずれかの時に爆発して平衡を保とうとする。男は何れ改正される憲法の精神の根本に据えるべきものについて、何か指針のような‘素人の哲学’を打ち立ててみたいと思っている。これは男の余生の遊び心である。男があの世に逝った後になって価値が出てくるかもしれない。高校の同級会のため田舎に帰っていた妹にそう言ったら妹は笑っていた。

2009年8月19日水曜日

YouTube20090819

 男はYouTubeも楽しんでいる。お気に入り登録や再生回数の多い動画の上から2番目とか3番目に民主党の鹿児島県国分支部の大会会場で日本国旗が切り刻まれて民主党のシンボルマークが作られて掲げられているのが出ている。小沢一郎氏も応援弁士として名前が出ている。昨日の党首討論会で麻生首相がそのことを暴露したこともトップの方に出ている。
男ははっきり言って理想論ばかり言い、静かな革命を目指すやり方は嫌いである。男には嘘が丸見えだからである。しかし革命的に政権を取ろうとすることはやむを得ないのかなとも思う。男は改革は好きであるが革命は嫌いである。

 民主党は政権交代を革命と位置付けているのであろう。鳩山代表は「もしマニフェストが実現できなかった場合は責任を取る」と、早逃げ道を作っている。鳩山代表は自らの思想信条に封印をして、ともかく政権を取ることを最優先にしているように見える。多くの民主党員もそのような同じ気持ちでいるのであろう。天下国家の大義のためには、一般大衆に対して嘘をつくこともやむを得ないと考えているのではないかと男は疑う。

 民主党の中にはいろいろな分派があって、恐らく今は猫を被っているが本来なら○○党に入党した方が良い人物も結構多いであろう。あの国旗切り刻みをやらかした人物はそのような連中かもしれない。国旗掲揚・国歌斉唱の時に起立して敬意を表しない一部の日教組の教員と同じ考え方をしている連中が民主党の中にもいるのであろう。

 男の竹馬の友は、今回の選挙では民主党に投票するとはっきり宣言した。その理由は自民党は官僚政治を断ち切ることができないからだという。自民党も民主党も官僚の数を減らすという。男にはどちらも一般大衆におもねって人気とりを図っているように見える。官僚の数を減らしてどういうメリットがあるのだろうか?デメリットについて考えた上で数を減らすと言っているのであろうか?官僚組織がしっかりしていないと国は弱体化する。平安時代の400年間は名もない官人組織がしっかり機能していたから続いたのだ。その官人組織をよく機能させる有能な貴族がいたから続いたのだ。

 悪辣な元官僚はいるが一般大衆におもねって官僚たたきをするのは良くない。もし男が中央官庁の官僚ならば、敢然とそのような政治家たちと戦うであろう。今の時代、メディアを利用すれば程度の低い政治家たちを相手に戦うことは左程難しいことではないと思う。

 男はYouTubeやホームページなどで候補者の思想信条やその人となりを見極めたいと思う。今回の選挙は前評判通り民主党が勝つとは限らないと思う。おそらく選挙後、不安定な政治情勢が続き、その過程で思想信条を同じくする政治家が結集し、新たな政党が生まれるのではないかと思う。

 政治資金はインターネットで一般国民から集めるようになるとよい。男は自分の選挙区とは無関係に、思想信条や人となりに共鳴できる政治家に‘貧者の一灯’を贈りたいと思う。日本は変わるであろう。老若男女がネットを通じて個々の政治家の思想信条・人となりを知るようになれば、男が懸念しているような「(海軍反省会の)やましき沈黙」は無くなるはずだ。男はそのことに期待をかけている。

2009年8月18日火曜日

年寄りを看るということについて「(20090818)

 男の母(継母)、90歳は5年ほど前がんを患ったがそのがんが消滅し、住み慣れた九州のある田舎町で独り暮らしをしている。ところが今月の8日、男のもとにその町でホームドクターの役割を担っているK病院から緊急連絡が入った。母がヘルペス(帯状疱疹)に罹っているので入院させたと言うのである。男は急きょ田舎の家に帰った。

 このK病院を経営しているK先生は母の健康状態を常続的に把握しておくため、毎月母の血液検査を行ってくれている。K医師は母の血液検査の結果について男に説明してくれた。それによれば、白血球数は2000前後、赤血球は8.5前後であり、葉酸やB12を与えても増えなくなってきて、骨髄の造血機能が低下しているということである。

 母は5年ほど前、十二指腸のあたりに出来ていた悪性リンパ腫を外科手術で取り除いた。K医師の判断により悪性リンパ腫の切除を先行させたのは、6cmほどもあった腫瘍が原因で一本の尿管を圧迫し、腎臓の機能に影響を与えていたからである。母はK医師の判断で、隣接する町にある泌尿器科で尿管にステントを入れ、尿通を一時的に良くする手術を受けていた。腫瘍はK医師が「便通が悪い」という母の訴えを聞いて腹部の超音波検査をして見つけてくれた。K医師によれば、普通腫瘍は便塊と区別しにくいので超音波ではなかなか見つけにくいということであるが、母の場合腫瘍が出来ていた個所が便塊のない場所であったから見つけることが出来たそうである。

 男はK医師に紹介状を書いてもらって、男が住んでいるところからアクセスしやすいK市民病院で母の腫瘍を取り除く外科手術を受けさせることにし、母を横浜の男の家に連れて来た。執刀してくれたI医師は術後化学療法を行うよう勧めてくれたが母がどうしても田舎の住み慣れた家に戻りたがるし、都会では血液内科が少なく高齢者を受け入れてくれる病院が当時は見つけることができなかったので、やむなく母を田舎に連れて帰った。

 悪性リンパ腫に対して本来行うべき化学療法を行っていなかったため、1年後にがんが再発すべくして再発した。そこで今度は母が住む県内のA病院で化学療法を受けた。その時は幸いにして腫瘍が他の臓器に悪影響を与えていなかったため、主治医のM医師により初めから最も適切な化学療法が選択されて施されたお陰でがんは緩解し、現在に至っている。
しかし8月に入って帯状疱疹が発症した。これは今年になって母の造血機能が衰えて来たのが原因であると考えられる。これは血液のがんが再発している状況にあると考えられる。どこかに腫瘍ができているかどうかは分からない。K医師は赤血球が7を切る状態になれば、輸血しか延命の方法はないという。男もそう思う。

 それまで男は母を母の住む町にある特別養護老人ホームに入居してもらおうと、5年前から手続きをしていた。しかし老人ホームでは血液のがんを患っている母を良く看てくれないと思う。男はK医師に「私は今決心した。母を老人ホームに入居させることは適切ではない。母がおむつをあてるようなったり、痴呆になったりするようであれば別であるが・・」と男の判断を伝えた。

 K医師は、輸血には7000人から8000人に一人の割合で移植片対宿主病(いしょくへんたいしゅくしゅびょう、graft versus host disease; GVHD)という問題が起きる可能性があるという。男がインターネットで調べたところによれば、輸血製剤製造過程中にどうしても残ってしまうリンパ球のため、状況によってGVHD起ききてしまうらしい。輸血には状況により発熱・発疹などの副作用も起こり得るらしい。K医師は母に対する輸血が必要になったとき輸血は120日に一回の割合で行うことになるが、そのとき1週間から10日間、家族の者が母の近くにいて欲しいと言う。

 母は一見元気そうである。K医師が言う通り母の状態をみれば母は決して痴呆になることはないし、おむつを当てて暮らすような状況にもならないと思う。しかし男は母の寿命はあと数年であろうと予測する。もし帯状疱疹が再発するようなことがあれば、母の免疫力はかなり低下していることになる。入院するようことがまた起きれば、その時は母は病院で寿命を終えることになるかもしれない。男はK医師からいろいろ話を聞いてそのように状況を判断した。その判断を男の弟妹や母の弟妹に語った。

 男は女房に電話でそのことを話した。数日後男がまた横浜に戻るが、その後は毎朝8時にモーニングコールをして母の状況をチェックし、何かあれば第一優先順位ですぐ母のもとに帰ることにし、そのうち母の赤血球数が8を切るようになり、白血球も1500を切るようになれば、その時には母のそばにいてやり、母がいよいよ寿命を終えるときまで母のそばで母を看て上げようと思う。

 男は今後女房と一緒に頻繁に帰省して母の状況をチェックし、母の血液検査の結果の推移についてK医師に聞こうと考えている。そしてその都度適切に対処する。それが年寄りを良く看ることであると男は考える。

 母は明日(818日)昼食後退院させる。明日、男はホームヘルパーを派遣してくれているK.園と、デイサービスを受けている老健Hに電話を入れ、母が入院前受けていた福祉サービスを再開してもらうようにする。そして数日後10日ぶりに女房がいる横浜に戻ることにする。この10日間、男はブロードバンドのインターネットにアクセスすることができて、この田舎町で割合気楽に、毎日楽しみながら過ごすことが出来たのはとても良かった。