2019年6月9日日曜日

20190609晩年の記(その八)



 その男は一昨日の通院日に受けてたCT検査の結果、がんが右肺に転移していて水が貯まっていることがわかり即緊急入院した。一緒について来たその男の妻誰某とともに入院手続きなどのため病院内をあわただしく動き回った。

 その男の指先にはその男の体内の酸素の状態や呼吸状態が分かるセンサーが取り付けられナースステーションでモニターされている。その状況はその男の手元でも分かるようになっている。

 肺に水が貯まっているため酸素量が下がり、その男の鼻には酸素吸入装置が取り付けられた。

 14日にそれぞれ長崎と大阪に住んでいる二人の息子たちが急きょ帰ってくる。その男はその時まで自分の命を繋げたいと思っている。

 その男と誰某は残された時間をできるだけ濃密に過ごしたいと思っている。一日当り4万3千円の個室とラインと言う通信連絡手段と自宅・病院間片道1時間ほどの距離がそれを可能にしている。



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