2014年7月2日水曜日

国家は一つの生物種である(3)――集団的自衛権――(20140702)


 集団的自衛権を限定的に容認するという憲法解釈が閣議決定された。これに対して中国は強い警戒感を表明し、韓国は日本が戦争できる国になったと憂慮を示した。アメリカは歓迎し向こう50年間日本の安全を保障した。日本・中国・韓国・アメリカ・世界の国々はいずれも‘生物’である。(今後学術的な生物と区別するため括弧付きとする。但し、表題は変えない。)

 東アジアの近代史を見ても日本を含む諸国は皆‘生物’であった。地球上のあらゆる生物がそれぞれ突然変異を経てそれぞれの姿で定着し今日に生きながらえているように、‘生物’である国家もそれぞれ突然変異を経てそれぞれの姿になり今日に生きながらえている。その中で神武天皇以来国家の姿や基本的な性格が変わっていないのは日本だけである。‘生物’である日本は‘生物’であるアメリカやイギリスなどと大喧嘩をした。その大喧嘩を経てそれぞれの‘生物’のそれぞれの‘DNA’に新たな要素が書き加えられ、それぞれ新たな状況に対応できるように進化した。この進化はアメリカもイギリスも国家の姿や基本的な性格は変わらずに起きていて、それぞれ現在も進化を続けている。

 日本国内で民主党・結いの党・共産党・社民党が今回の閣議決定に対して強く反発している。石原氏は結いの党の江田代表の国家観が次世代の為にならぬと判断し、日本維新の会の分党という形で同志を引き連れて「次世代の党」を立ち上げた。今回の閣議決定についてリベラルな考え方をする熟年・高齢者層に対して国家観を意識し始めた若い世代の人たちは「自分たちが生きのびるため」に当然のことであると受け止めているようである。

 動物たちは自分の命を自分自身で守ろうとする。動物の世界では自分の命を助けてくれるような他の動物はいない。日本は戦後「茹でガエル」のようにされ、あたかも「百年の刑」にかけられているようにされたので、多くの日本人は平和ボケをしてしまっていた。日本が危険な目に遭ったら、アメリカは必ず助けてくれると思い込んでいた。アメリカと雖も日本が自ら血を流して自国を護ろうという意思を示し、更にアメリカが危急のときは日本がアメリカを助けるというgive and take の考え方をしない限り、日本のために自国の兵士の命を危険に晒す気持ちにはなれないだろう。


 日本地球上のあらゆる生物は自ら生き残るため自然に行動している。生物には自存力が備わっている。国家も‘生物’である。日本人の意識を変えるキーワードは「国家は一つの生物種」である。今回の閣議決定に声高に反対している政治家たちに対して、私は彼らが男らしい野性的な心を持つこと、及び吉田松陰や橋本左内など幕末に国の為死んだ志士たちのように文武両道を兼ね備えた今様の真の武士になることを求めたい。無理かな?

【関連リンク】2009712日日曜日『マイケル・ジャクソン追悼式(20090712)』
http://hibikorejitaku.blogspot.jp/2009/07/20090712-8-to-heal-world-6-70-11.html