2016年3月9日水曜日

20160309「仏教」をキーワードに、思いつくまま綴る(11)―― 志ある政治家・官僚・学者・一般市井の人たちよ、目覚めよ! ――


 今朝の讀賣新聞一面中央に、「皇室典範見直し当初要求 国連女子差別委 政府が反論、記述削除」という見出しで重要な記事があった。その要旨は、日本国政府が当初案にあった「皇室典範が女性天皇を認めていないことに懸念を表明し、見直すように」ということに反論し、削除を求めた、というものであった。関連記事には、「国連女子差別撤廃委員会の報告書のまとめ役は中国人」であるとある。

 いわゆる従軍慰安婦問題について、従来彼女らが「性奴隷」として表現されていたが、それは「従軍慰安婦」という言葉に改められた。このことについて、韓国の連合ニュースが「日本政府は慰安婦問題の合意後も責任回避と否定を続けている」と批判的に論評した、と報道されている。

 朝日新聞・毎日新聞など他のメディアはどういう報道をしているであろうか?新聞の購読者の殆ど多くは、それぞれ個人の思想信条は別として、新聞店とのつながり等により継続的に購読しているはずである。だから新聞の報道姿勢によりそれぞれ個人の主義や主張は左右されやすいだろう。新聞が特定の思想信条のもとに報道すると、多くの国民は「そうだったのか」と納得し、政府に対して批判的になる。勿論、批判精神は絶対必要である。特に権力に対する批判精神を失ったら民主主義は滅びる。しかし特定の思想信条を持つ者たちによって、「ペンの力」(マスコミ)によって、決して扇動されてはならないのである。

 日本と中国・韓国・北朝鮮の関係は千年前と同じような緊張関係にある。この状態は今後千年経っても変わることは無いだろう。日本人はそのことを「何故なのか」と考えてみる必要がある。勿論、日本はそれらの国々に軍隊を派遣して大変迷惑をかけたことは事実である。しかし、その背景には16世紀以降西欧人による侵略という脅威があったのである。ただ、そのことだけが日本と中国・韓国・北朝鮮の間の緊張関係の根本原因ではない。

その根本には、5000年も前から7世紀ごろ、さらに戦後現在に至るまでの間の日本民族の生い立ちにある。日本民族は、縄文人を基層集団として長江中流域から稲作・漁労文明をもった渡来系弥生人たちとの混血、その後大陸の政情不安により朝鮮半島から渡って来た漢族・朝鮮族の技能集団との混血、戦後は在日韓国・北朝鮮人との混血、さらには欧米系・アフリカ系などとの混血により成り立っている。日本の歴史書『日本書記』には、7世紀ごろまでに日本にわたって来て帰化した人たちのことが数多く書かれている。

因みに縄文人の遺伝子は大陸・朝鮮半島に殆ど残っていない。しかもY染色体遺伝子・ミトコンドリア遺伝子のあるタイプのものは世界中に例が見つかっておらず、日本人独自のものである。朝鮮半島に僅かに残っている日本人特有の遺伝子は、古代に倭人が朝鮮半島に進出していた名残であろう。また豊臣秀吉軍の兵士の一部は朝鮮半島に残り、その子孫たちが居る。逆に豊臣秀吉軍の引き揚げとともに、日本に渡って来た朝鮮半島の陶工たちの子孫もいる。その中には外務大臣になった人も居る。江戸末期の漢学者・歴史家であった頼山陽は『日本楽府』で白村江(はくすきのえ)の戦いのことを書いている。その終わりの部分に「忠義の孫子海を踏みて来たり。長く王臣と為りて王室を護る」と書いている。

天皇陛下はそういう日本人・日本民族の統合の象徴として、皇后陛下とともに世界の平和と人々の幸せを常に祈って下さっているのである。

 豊臣秀吉が政権を執っていた時代には当時のスペイン・ポルトガルによる侵略や日本人が奴隷にとして海外に連れて行かれたという事実があった。日本が近代化された後、ロシアや西欧列強による侵略という脅威があった。日本は大東亜戦争に敗れたが、東南アジア諸国やインド・ミャンマー・ヴェトナムなどは独立することができた。

 中国・韓国・北朝鮮の国民の深層心理は、千年前と同じように日本を中華の下に置かれるべき国であるというものであろう。その心理は今後千年経っても変わることはないだろう。ただ、日本はそういう状況にあってもそれらの国々とできるだけ仲良くし、共に富を生み、共に分かち合うことが重要である。欲望があれば摩擦を生む。人間でも人間の集合である国家でも、煩悩を断つことはできないが、理性と武力的力関係で調和を作り出すことは出来る。

 戦後、アメリカの政策によって日本人の魂は抜かれ、日本人は平和を愛好するが武力は忌み嫌うようになった。そのように日本を導いたのは、アメリカ大統領の側近であったソ連のスパイであった。戦後、日本は共産化される危険があった。東条英機元首相は遺言に「現在の日本の事実上の統治者である米国人に対して一言するが、どうか日本の米人に対する心持ちを離れしめざるように願いたい。また、日本人が赤化しないように頼む」と書いている。

 日本人は海外からどのような圧力があろうとも、2千年以上も続いた男系の皇統を絶対に守り抜かなければならない。女性の天皇について「女系」と「女性」の二通りがある。女性天皇はこれまで何度もあった。それは男系の皇統を繋ぐための一時的なものであった。遺伝学的にみれば、ピンチヒッターとしての女性天皇の次の天皇は必ずY染色体遺伝子を受け継ぐ男性であった。

 女系である場合は、その女性の子孫である女性だけがルーツの女性のミトコンドリア遺伝子を受け継ぐ。しかもY染色体遺伝子を受け継ぐ男性は居なくなる。つまり皇統はそこで途絶えるのである。日本がもしそのような状態になったら、世界に類例のない2千年以上も続いてきた皇統が途絶えてしまうことになる。

 唐王朝時代の中国にあった薫り高い文化は日本に伝わり、現在に生きている。儒教・道教が重んじられた一方で仏教が弾圧を受けて廃れ、マルクス思想の中国共産党が支配している現在の中国にはどういう文化が根付いているのだろうか?

日本では奈良・平安の天皇親政の時代以降、政治は武家が行ってきたが、その武家は天皇に位階を授けてもらっていた。明治憲法下では天皇は日本国の統治者と定められていたが、国政への関与は殆ど形式的なものであった。現憲法下では天皇は日本国の象徴であり、日本国民の統合の象徴であると定められている。

日本では二千年以上皇統が続いており、そのお蔭で薫り高い文化が持続してきたのである。武家が政治を行っていた時代でも武家は古来の文化を大事にしていた。日本は本当に素晴らしい国である。深層心理において日本を何とか見下げたい国々の為政者にとって、日本に男系皇統の天皇が居なくなり、夫婦別称が行われるようにうなることが望ましいに違いない。日本人は、断固、男系の皇統がある国体を守り抜かなければならないのである。


志ある政治家・官僚・学者・一般市井の人たちよ、目覚めよ!