2018年6月26日火曜日

20180626人と人の間・国家と国家の間における対立・紛争の根本原因



 夫婦の間・親子の間・人と人の間・国と国の間などでいろいろ争いが起きるのは何故だろうか?争いの原因には色々あるが、私は次のことが争いの根本原因であると考えている。
 一 自分を自分以外の人と見比べること
 二 甘えの気持をもつこと
 三 自分の世界と自分以外の人の世界の境界を尊重しないこと

 人は「欲」があるから自分を自分以外の人と見比べて、自分の優位を確保しようと思う。人は「欲」があるから「甘え」は許されると勝手に思う。人は「欲」があるから自分の世界と自分以外の人の世界を混同させてしまう。

 ある日私は上司から「人は他人を差別したがる」と言われたことがあった。これは真理である。「人は他人を差別すること」によって自分自身を満足させている。例えば自分の持ち物を他人に見せて自慢する気持ちは、「自分を自分以外の人と見比べること」から起きるし、自分を他人に認めてもらいたいから起きるのである。

 例えば遺産相続について、法律に則り自分の分け前を主張するのは、「甘えの構造」から来ている。兄だから・弟だから・姉だから・妹だからという気持ちで自分の主張は許されると思うと兄弟姉妹間で軋轢が起きる。これは世界観の違い・社会への関わり方の違い・経験の違いなどにより起きている。

 国家と国家の間でも上記三つのことは対立・紛争・軋轢の原因となっている。国家は一つの生物のような存在である。国家は国際社会の中で存続し・繁栄・発展の願望を持っている。このため法の支配を無視して武力で隣国の領土を奪取しようと試みたり、自国と敵対する国の中に住んでいる自国民を利用して、その敵対する国の中に自国に都合がよいような土壌を醸成させるように工作をしたり、敵対する国を貶めるような世論を醸成させるために国際社会の中で宣伝活動・ロビー活動を行ったりする。

 微生物・動物・植物・あらゆる生物には「自存力」が備わっている。「自存力」は利己的な力である。人にも国家にも「自存力」が作用する。人と人の間・国家と国家の間における対立・紛争・軋轢は決して無くならない。これが現実である。現実は寒々としている。

 しかし人間は理性と愛の精神をもってこの対立・紛争・軋轢をなるべく小さくするように努力している。対立・紛争・軋轢の現実と向き合いながら「共通の利益」を見出せば、その現実は暖かいものになるだろう。夫婦の間・親子の間・人と人の間・国と国の間などで。

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