2014年8月25日月曜日

20140825国家は一つの生物種である(9)――お互い笑顔で共存共栄ができるか? ――


 九州南部の宮崎を出発した一人の英雄が奈良盆地に王権を確立して以降、大和言葉が成立し次第に日本列島全域に広まって行った。その英雄の名前は神倭伊波禮毘古(カムヤマトイハレビコ)で初代天皇・神武天皇となられたお方である。

 『古事記』には初代神武天皇以降第十三代成務天皇までの間に大和朝廷が国家を統一してゆく状況が書かれている。その一つに倭建命(ヤマトタケルノミコト(『日本書紀』では「日本武尊」と書かれている)が父・景行天皇の命を受け九州の豪族の討伐や東方各地の豪族の討伐に活躍したことが書かれている。倭建命は第十二代景行天皇の第二皇子である。

 中国の歴史書にある『倭人傳』は当時の中国人の「日本見聞録」のようなものである。これまで日本人はその『倭人傳』がさも正確な史実のように扱ってきていた。しかしその『倭人傳』は当時の中国の皇帝に気に入られるように中国で編纂されたものであった可能性があると指摘されている。「邪馬台国(ヤマタイコク)」はヤマト「倭(ヤマト)」の国のことではなかろうか?大和朝廷が九州を平定するまでの間に九州に存在していた諸国の総支配者が「ヒミコ」と聞こえるような名前の女性であったから中国語で「卑弥呼」と当て字されたのであろう。当時日本には漢字を知っている人は一人二人居たかもしれないが、日本は漢字圏外であった。

日本には狭い国土の中に13千万の人々が住み、その人々は天皇を戴き、言語・文化・伝統が一つに纏まっている国家に所属している。日本は混血人種の単一民族国家である。天皇・国旗「日の丸」・国歌「君が代」は日本民族のアイデンティティである。神社・仏閣・慰霊碑は日本民族団結の拠りどころである。祭祀・祭礼・祭りは古から今日に至るまで連綿として続き未来へと繋ぐ日本民族の魂の交流の行事である。日本の歴史・文化・伝統などは日本民族の‘DNA’である。このように日本人は中国人・韓国人にない世界を共有している。日本に帰化して幾世代も経ていない人や今後日本に帰化する人の子孫は皆そのような世界を共有するようになるだろう。必ずそうでなければならぬ。こういうことを否定しようとうごめく輩は国賊である。

 中国には「中華民族の偉大な復興」という強い願望と夢がある。韓国には「日本に克つ」という強い願望がある。日本の強い願望は「法の支配に基づく平和の実現と持続」である。日本民族の‘DNA’は日本の歴史・文化・伝統などである。中国や韓国にもそれぞれの国の歴史・文化・伝統などの‘DNA’がある。中国は「中華民族の偉大な復興」・韓国は「日本に克つ」を目的としているように見える。中国も韓国も日本の歴史について自分たちの認識を正しいと主張し続けている。日本の強い願望の実現はなかなか困難な状況にあるが、日本は彼らの主張に決して譲歩してはならぬ。従来の日本のお人好しぶりは止めよ!

国家はヒトの集合体である。ヒトは動物界の一種である。動物は他の動植物を食べ、他の動物を攻撃し、また他の動物の攻撃から身を護るため運動性を備えている。ヒトの集合体である国家はヒトのように理性的であるが、その一方で動物的に行動する。日本・中国・韓国それぞれの国家の指導層の人々はそれぞれの国家の願望・それぞれの国家に所属する人々の集団的心情などが書かれている看板を背中に抱え、国家同士互いに友好と共存共栄を目指しつつも互いに対立・相克し合っている。


日本人は国家をそのように観ないと、日本は国家としての生存競争に負けるだろう。国民同士は互いに交流し相互理解が進んでも国家同士は対立・相克するものである。日本と中国・日本と韓国の間で歴史認識の共有は絶対無理である。歴史認識は永遠に平行線のままであろう。日本はそう開き直り、お互い共存・共栄の道を共有できるようにすればよい。その共有のためには軍事力が重要である。軍事力が共存・共栄の有り様を左右する。日本国民はこのことをしっかり自覚すべきである。