2014年10月2日木曜日

20141002国家は一つの生物種である(12)―― 国家の中枢 =‘脳’――


 人間は60兆個・200種類の細胞で構成されている。その60兆個の細胞のうち800億個が脳の細胞である。日本国は125545千人の日本人によって構成されている。そのうち国家公務員は約639千人であり、地方公務員は約2769千人である。国家公務員のうち特別職公務員(大臣・副大臣・政務官・補佐官・大使・公使・裁判官・人事官・検査官・自衛官等)は約299千人いる。この特別職公務員のうち自衛官は約248千人である。脳が52の「野」に分けられているように日本国の中枢は国家公務員が構成員となっている各種各様の組織・機関によって構成されている。

 人間の脳の細胞同士はとげ状の突起(spine)をつなぎ合わせてネットワークを構成している。このネットワークは6歳ごろまでの間に完成すると言われている。その後は学習や訓練によってネットワークの個々の線の太さが増加する。そのネットワークの個々の線が太くなることによって信号の伝達速度が向上する。学習や訓練によってそのネットワークの線が太くなってゆく。人間の脳にはそのネットワークの線を太くする働きをする細胞(oligodendrocyte)や必要な物資を運搬する細胞(分子モーターmolecular motors)が存在している。分子モーターは様々な役割を担うその役割ごとに90種類あると言われている。国家の中枢内では各組織・機関相互間の意思疎通を的確・迅速にする努力が必要である。国家中枢内のネットワークと中枢内組織・機能の有り様はその中枢の機能の良否を左右する。

 脳内の組織・機能が壊れると病気になる。同様に国家の中枢のネットワークと中枢内組織・機関・機能の有り様が破壊されるとその国の中は乱れ、流血の惨事が起きる。内部に大きな矛盾を含んでいる国家の中枢は国内が乱れぬように必死に努力せざるを得ない。そういう国家は内憂外患を抱えて非常に苦悩する。

子供の脳内のネットワークは未熟である。子供の成長のためには家庭や社会や国家による十分な保護が必要である。同様に国家の中枢のネットワークとその組織・機関・機能の有り様が未発達な状態の国家に対しては国際社会による十分な支援が必要である。今中東で起きている諸問題は国際社会が協同してその解決のため力を注がなければならないことである。さもなければその火の粉はわが国に及ぶだろう。


日本は非常に安定した国家である。かつて自由民主党もポピュリズムに陥り盛んに官僚たたきを行っていた。今日本では正しい国家観を持っている政治家たちと国家に身をささげるという高い志を持っている国家公務員たちが国家中枢のネットワークを高度化させ、中枢組織・機関の機能を改善する努力を傾注している。日本国民はテレビ公開討論会・電子メール・SNS等を通じて国政に関わる情報を広く共有することが出来ている。