2014年10月9日木曜日

20141009国家は一つの生物種である(13)――国家の品格・能力・強靭性 ――


 産経新聞が出しているインターネット版『産経ニュース』に『脳は生涯にわたり発達し続ける』と題して筑波大学名誉教授・村上和雄氏の記事が出ていた。その冒頭の部分を以下のとおり“”で引用する。
 
“黄金期を迎えつつある脳研究によって、私たちが従来教えられてきた脳に関する常識は、次々と破られてきた。
 例えば、傷ついた脳が自然に治ることはないという通説は誤りで、脳神経細胞は環境に応じて再配線できる。
 さらに運動、精神的活動、社会的なつながりが、神経細胞の発展を促すといった事実が判明した。従って、脳の働きは決して固定的なものではなく、作り替えが可能である。以前なら思いもよらなかったような驚異の治癒力が脳に備わっていることが分かった。
 《脳の働きを制御するのは心》”

 800億個もある脳神経細胞には個々に総数1万本の棘突起(スパイン、spine)があって、それが他の細胞と結合して神経の活動に関わっている。神経細胞同士は軸索(axon)と呼ばれる突起状の構造物でつながっている。脊髄中に伸びる軸索(axon)は数十センチメートルもの長さがある。軸索(axon)にはオリゴデンドサイト(oligodendrocyte)と呼ばれる細胞が軸索(axon)を移動しながら脂肪でできた物質を巻き付けて髄鞘(myelinミエリン)と呼ばれる構造を持たせている。髄鞘(myelin)は神経細胞間の信号伝達速度を向上させる働きがある。人は学習や鍛錬によって自らの能力を向上させるための努力をすればするほどその人の神経細胞の軸索の髄鞘(myelin)化が進む。こうして神経細胞はその人の努力に必ず報いてくれるものである。

 ノーベル物理賞を受賞することになった青色発光ダイオード(LED)を開発した赤崎勇・名城大終身教授(85歳)は「流行を追うのではなく、たとえ良い結果が出なくても自分がやりたいと思う研究をやり続けることが重要だ」と言った。脳を働かせるのは心である。人は強い意志をもって学習や鍛錬に精出せばその人の神経回路は強化される。

 人の集合である国家も同様である。国民の集合的心が国家の‘心’である。国家の‘心’の有り様が良ければその国家の神経回路は強化されるだろう。そしてその国家は高い品格と能力と強靭性を備えた国家となり、更に進化し続けることだろう。


 日本という国家の‘心’は何であるのか?日本は2000年の昔から万世一系の皇統の天皇を戴いている。神社・仏閣・祭祀・祭礼・伝統・文化などの言葉で表現される事象は古来続いている。先の戦争で日本は徹底的に打ちのめされたが日本人の心は変わらなかった。