2015年5月8日金曜日

コメ ――― 生産・精米・販売のシステムを大改革すべきではないのか? ―――


よく利用しているスーパーマーケットでコメを買った。従来、我が家では九州の田舎から贈答の返礼の意味も込めて親戚の農家からコメが送られてくる。老夫婦二人暮らしだとその消費も僅かなので、送られて来たコメの半分以上は遠隔地に住む子供たちにおすそ分けして送っている。農家が作ったコメは驚くほど安い価格で引き取られている。ところが都会地の消費者は価格が高く、しかも美味しくないコメを食べさせられている。

そのスーパーマーケットで買ったコメは特別栽培米コシヒカリ4kgである。原料玄米は滋賀県認証品で「環境にこだわり農産物」と表示がある。精米年月日は「15.04.04」と表示されている。兵庫県の神戸には大手の精米業者がいるらしい。東北各県のコメもいったん神戸まで運ばれ、神戸で精米されて市場に出されているようである。

コメ生産農家は作ったコメを採算が合わない低価格で売っている。運送業者・精米業者・卸売業者などが中間利益を確保していて、そのしわ寄せがコメ生産農家と都会地の消費者に来ている。この現実をジャーナリズム・マスメディアは大いに問題にすべきである。有名芸能人たちの恋愛・結婚・離婚などのゴシップなどにうつつを抜かすようでは情けない。

そのスーパーマーケットで買ったそのコメには白化したコメが2割以上混じっているようである。これがそのコメの品質を下げている。精米段階で古米や低級のコメがブレンドされていると疑わざるを得ない。我が家に田舎から送られてくるコメはそのようなことはない。白化されたコメはほとんど混じっていない。炊き上げるととても美味しそうな香りがしていてキラキラ光っている。老夫婦二人で消費するコメの量は僅かなので、今後はそのスーパーマーケットではコメを買わないことにした。美味しいコメの生産地で精米されたコメを直接買うことも選択肢の一つとするつもりである。

コメ生産農家も汗水たらして働いて作ったコメを安く買い取られないような工夫をするべきである。テレビである大規模農業会社がコメの代わりに家畜の飼料を生産している様子が映し出されていた。コストが安いからと言って農薬に汚染された飼料を輸入して牛に食べさせると、その牛の肉の中に有害な物質が含まれるのではないか?家畜の飼料を日本国内で生産すればその点安心感はある。ただし家畜の飼料とする穀物の生産に関して農薬や除草剤の使用基準が定められているのだろうか?

一方、発想の転換も必要である。この地球上に降り注ぐ太陽のエネルギーは約3.85×1018MJ(メガジュール)であり、そのうち約0.1%が植物によって吸収され、植物内に固定されているという。そのエネルギーの総量は世界のエネルギー需要の10倍弱にあたるそうである。これは相当なエネルギー量である。ブラジルではトウモロコシからバイオエネルギーを得ている。農地を効率の良いバイエネルギーを生み出す土地に改造できないものか。

コメの生産地で協同して精米工場を所有し、インターネットを利用して全国の消費者のニーズにあった白米を売るようにする。生産者と消費者を直結させる仕組みを作る。古米や品質の悪いコメを良いコメにブレンドしていながら、例えば「環境保護に貢献している」というような宣伝文句・美辞麗句を並べたて消費者をだましている悪質な精米業者や大手の小売業者がいるとすれば、そのような画期的な仕組みでそれらの悪徳業者を締め出すことができるだろう。


こういうことは農林水産省がやるべき仕事であるが、農林水産省はかつての農業政策で余ったコメの処理に悩んでいることだろう。もし、そのような事実があるとすれば、という疑いの目で言うことであるが、天下りや利権が働いていて、消費者が美味しいコメを比較的安く手に入れることができないことが黙認されているではないのか?農耕地の有効利用について農林水産省・経済産業省・環境省の三省が合同して日本の食料・エネルギー・環境保護政策を推進するべきである。ジャーナリズム・マスメディアにはもっと正義感をもって社会に潜む問題点を洗い出してもらいたいものである。