2017年10月24日火曜日

20171024国政選挙の結果


 第48回衆議院総選挙の結果、自由民主党は追加公認を含め284議席を確保した。公明党は29議席・「希望の党」は50議席・「日本維新の会」は11議席を確保した。憲法の改正に前向きな政党の合計議席数は374議席となり、議席総数465議席の80%を超えた。これで多くの憲法学者や歴代の内閣法制局長官が「違憲」としてきた自衛隊を「合憲」にする動きが加速するだろう。自衛隊は憲法に違反する組織であるとされながらも、日本の防衛・災害派遣・人命救助・国際平和への貢献などのため忍耐強く、黙々としてその活動を続けて来た。

 実質「軍隊」である自衛隊を「軍」と呼ぶことを好まない一部の政治家・ジャーナリスト・学者・言論者たちは、穏健中道の人々の組織の中に入り込み、メディアを利用して自分たちの主張に協調する人々が国民の半数ほどは存在していると喧伝してきた。しかし彼らの隠れ蓑であった政党が左右の勢力に分裂し、彼らの影響力が大いに弱まった。しかし、彼らは「政権交代ができる政治勢力が必要である」という美名のもとに早速蠢き始めている。

 この度の総選挙では、安倍首相の演説会場にSNSを通じて呼びかけられた反安倍総理の立場の人々が集まり、安倍首相の演説を妨害した。この動きに対抗して安倍首相を応援する立場の人々がSNSによる呼びかけに応じて安倍首相の演説会場に「日の丸」の国旗を持参して集まった。安倍首相の演説を妨害する行為は起きなくなった。

 SNSやブログなどによる情報発信が盛んに行われるようになりフェイクニュースが増えたが、一部の声高に正義を唱える人たちの影響力は小さくなった。自分の主義主張を声高に叫ばない大多数の穏健中道の人々の選択が政治に反映されるようになった。

将来この傾向を抑えるような動きが出ないとも限らない。民進党の前身であった旧民主党が政権を取っていたころ、人権擁護法案・人権侵害救済法案・人権救済機関設置法案・人権委員会設置法案を審議し、その法律を制定しようとする動きがあった。「人権」という美名のもとに、個人の発言やテレビドラマ・小説・アニメーション等の表現については制限するが報道機関の発言は制限しないというものであった。その上、人権委員の資格について国籍条項はなく、各自治体の人権委員会の主観的な判断だけにより、外国籍の人権委員であっても令状なしに人権侵害についての捜査ができるというものであった。

民主党から党名変更した民進党は分裂し、上記のような法律を作りたいと考えていた人たちは「希望の党」に加わることが出来なかった。上からの目線ではなく国民の目線で政治を行うと宣言した立憲民主党が野党第一党となり、リベラルな政治家を排除した「希望の党」は今度の国政選挙でその地位を得ることができなかった。

 「改革」「リセット」「しがらみからの脱却」「安倍首相のもとでの憲法改正に反対」など、定義・理由のあいまいな旗印を掲げて声高に叫んでいる人たちがいる。彼らは大多数の穏健中道の人々のグループの中に巧みに入り込み、グループの力を巧みに利用して自分たちの理念を実現させようと蠢く。男はそういう人たちを監視しなければならないと思っている。
 
弥生時代以降日本に渡来してきた人々が縄文人たちと共に暮らして行く間に、縄文人たちが「大自然と共にある」という世界観のもとに行ってきた神々を畏敬する祭祀は、彼らの子孫に継承されている。アイヌのカムイ(kamuy)は神道の神(kami)として、今を生きている日本人の間で畏敬され、祈願されている。この儀式のときアイヌの人々が儀式のとき用いているイナウ(inaw)に似ている御幣(ごへい)や大麻(又は‘大幣’)(おおぬさ)が用いられている。

縄文人・アイヌの人々の精神文化は狩猟・採集の文化であり、言うなれば水平軸上の文化である。これに対して弥生時代以降日本に渡来した人々が持ち込んだものは「支配・組織・秩序」など垂直軸上の精神文化である。黄河文明よりも1000年古い漁労・稲作の文化が栄えていた長江中流域から、縄文時代末期日本に渡って来た人々がいた。縄文人がその人たちと交流した後誕生したと考えられる天皇は、奈良盆地に朝廷を開いて以来、天地自然を畏敬する祭祀を続けてこられ今日に至っている。神武天皇以来男系の皇統の今上天皇も、宮中で祭祀を行っておられる。天皇は日本中のすべての家々の宗家のような存在である。人々は気付いていないが、これが日本民族のアイデンティティの中心にある。男はそのように確信している。

このアイデンティティを無くす原因となりかねないような思想・信条を持つ一部の人々が穏健・中道の人々のグループの中に入り込み、そのグループとして発言し、従来の秩序を変えてしまうような動きをする可能性がある。右派と目されている野田元総理大臣も女系天皇推進派である。この状況をほくそ笑んで喜んでいる輩もいるだろう。

年内に政党の再編成が行われるだろう。すでにその動きが見られる。あるメディアはその動きに加勢するだろう。男はそのような動きを監視し、SNSやブログ等を通じて男の見解を発信し続けるつもりである。