2017年10月28日土曜日

20171028リベラル ―― 皇統の維持を阻む勢力 ――


 リベラルとは自由主義のことであるが、左翼という意味でも使われている。左翼は「天皇制」という言葉を使い、「譲位」の代わりに「退位」という言葉を使っている。左翼は女系の天皇を容認しようとしている。少なくとも女系天皇を容認する動きを阻止しようとはしていない。

 リベラルの反対は権威主義である。日本で天皇は統治者ではないが国民統合の象徴として、絶対の権威をもっている。その権威は、政治には一切かかわらず、内閣の助言と承認に基づき憲法に定められている国事を行うだけのものである。その国事には、①憲法の改正・法律・政令・条約の公布、②国会の召集、③衆議院の解散などのほか、⑦栄転の授与、⑨外国の大使・公使の接受、⑩儀式を行うこと、がある。

 一方、大日本帝国憲法の第一条には「大日本帝國ハ萬世一系の天皇之ヲ統治ス」と書かれている。ここには「萬世一系」と、男系の皇統が重要視されている。

 男は、リベラルか、そうでないかの判断基準を以下のように考えている。リベラルの程度の度合いを大雑把に二つに分ける。

 超リベラル政党 : 日本共産党及び社民党
   日本共産党は、“一人の個人が世襲で「国民統合の象徴」となるという現制度は、民主主義及び人間の平等の原則と両立しない”とし、将来的には天皇の存在を認めない立場である。
   社民党は、“天皇という地位や、その地位が世襲であるとされていることによってさまざまな人権が制約されている”とし、天皇の世襲を人権保護の観点から認めない立場である。
   超リベラル派は、日本とアメリカの軍事同盟を認めない。だからといって日本が独自に日本を防衛することができるほどの軍事力を持つべきである、とも言っていない。

 リベラル政党 : 民進党及び立憲民主党及び無所属
   民進党は超リベラル派からリベラル派まで、さらに保守派を含む玉石混交の政党である。民進党は現政権を倒すことだけを目的としている政党である。この度の選挙では衆議院の民進党は「希望の党」・「立憲民主党」・「無所属」の三派に分裂した。
   立憲民主党を立ち上げた枝野氏は、「天皇制」・「退位」という言葉を使い、譲位を可能とする特例法案に反対した。その立憲民主党には天皇に対する侮辱発言をした辻元氏が加わった。このことを国会で追及された彼女は、「かつて30代の頃、天皇制に疑問を持っていた」と釈明した。

   無所属の野田元総理は女性宮家創設を推進し、女性天皇の実現を目指す立場である。因みに日本の歴史の中で男系皇統の中継ぎとしての女性天皇は重祚(再即位)を含めて第3335374143444648109117の各代の天皇がいる。いずれも男系皇族の女性であり、既婚の場合も即位に先立ち皇后であられた方々である。

野田元総理は、内親王(皇族女子)の結婚のパートナーが皇族でない方の家でも「女性宮家」とすることを認める立場である。小林よしのり氏も女系天皇を認める立場である。その女系天皇の子孫には神武天皇のY染色体遺伝子は伝わらない。

もし皇族の中で神武天皇以来の男系皇統を継承する男子が途絶えてしまった場合、男系の皇統を維持する方法はある。それは戦後GHQの指令により皇籍を離脱した旧宮家を皇族に復帰して頂くことである。古代にそれに似た先例がある。

今から1570年ほど前に即位された第26代継体天皇は、第15代応神天皇から五世(5代)後の子孫で、当時、近江国高嶋郡三尾郷(今の滋賀県高島郡高島町)で、今の村長のような立場におられた。日本の歴史書『日本書紀』にその記述がある。

 問題が起きた場合、原点に立ち戻って考えればよい。上記のような方法を全く考えず、ただ男系皇統維持の危機を煽るのは間違っている。そこに左翼が付け狙う隙がある。

男系皇統維持の危機を煽る立場の人たちの中には、「天皇制」とか「退位」とかいった言葉を使い、将来的には天皇がいない国を目指す人たちが含まれている。

彼らは男系皇統維持の危機を煽る立場の人たちのグループの中に入り込んで、最終目標として天皇を否定し、「改革」という言葉の陰に隠れて「革命」を目指す人たちではないのか? 彼らは穏健・中道の大多数の「国民」ではなく、彼らが意識している「市民」が革命を起こすことを期待しているのだ。立憲民主党・参議院民進党の国会議員の中には、彼らと同じ願望を抱いている人たちが居るかもしれない。

果たして天皇の「権威」が自由主義の対極にあるものなのか? 日米軍事同盟が自由主義の対極にあるものなのか? 悠々の歴史を持つ国体の維持のため危険な因子は何なのか? 「国民」ではなく「市民」という言葉が使われ、「リベラル」という言葉があたかも「理性的・高邁」な精神を表す用語のように扱われている現状に警戒が必要である。