2017年1月10日火曜日

20170110『仏説阿弥陀経』について(4)


 私は「80の声を聞く年寄りは引っ込んで阿弥陀仏(Amitāyus Buddha)について学び、思索し、その内容を文章にして公に発表するなどして自分自身で満足しておればよいのだ」と思っている。しかしその一方で、私は世捨て人のようになって世の中の動きにまったく無関心になってしまうことはどうしてもできない。これも私の煩悩がそうさせるのである。

 日本総領事館前に設置された慰安婦像に多くの日本人は憤りを感じている。この問題について朝日新聞は60代の二人の投稿者の声を掲載している。その一人は日本政府がこれ以上の対抗措置をとることは自制すべきである、と主張している。他の一人は、(日本政府が)韓国国民の理解を得る努力をなおざりにしたまま韓国政府に対し対抗措置をとったことはあまりにも大人げない、と主張している。しかしネット上では朝日新聞の報道姿勢に対して批判が多い。

 朝日新聞は別のページで移民の受け入れに積極的な姿勢を示す二人の学識経験者の意見を大々的に掲載している。産経ニュースによると「日本国政府は在日外国人の中で特に能力が高い研究者・技術者・経営者などが永住権を取得するために必要な在留期間を現行の5年から最速で1年に短縮する方向で検討を始めた」という。1年に短縮する対象者は中国籍が2497人で全体の65%を締めている。多くの日本人は長野オリンピックの聖火リレーのとき中国政府の指令により起きた事件のことを覚えていて、今回の政府の検討に対して批判的である。永住権を与えるにあたっては政治的活動の禁止を絶対条件とするべきである。

 新聞・テレビは意図的に世論を誘導しようとしているように見える。悪知恵が働く官僚や学者は新聞・テレビを利用して世論を導こうとしているように見える。

例えば国債の残高に関して、それは「国の借金1053兆円・国民1人当たり830万円」と言われている。「国の借金」は「政府の借金」である。従って「国民一人当たり」は全く意味の無い言葉である。国債は政府が発行し、日本銀行が市中銀行から国債を買い取ると現金化され、市中銀行からその現金が企業の投資に回る。インフレにならない程度に国債を発行し、経済が活性化されれば国民はその恩恵を被ることになる。しかし税金を取り、その収支バランスを取りたい財務省は「赤字国債・赤字国債」と声を大にし、国民に「増税もやむなし」という気持ちにさせようとしているかのようである。新聞・テレビは財務省の尻馬に乗って報道プログラムを作っているように見える。

経済学者は新聞・テレビに出演する。新聞・テレビに顔を出すことによって名声が上がる。新聞・テレビは自分たちの収益が上がるような報道プログラムを組むため、彼らや彼らに同調する政治家やコメンテーターを利用する。彼らは「グローバル経済だ」「規制緩和だ」と理屈を並べて主張する。一般大衆は「そうだ、そのとおりだ」と頷く。その陰でグローバル投資家やグローバル企業経営者は「儲け口ができた」とほくそ笑む。

リベラリストは国家と距離を置きたがる。リベラリストたちが新聞・テレビに出て自分の考え方を主張する。日本を貶めたい国の政府や報道機関は彼等を日本攻略のため利用する。その結果日本国民は苦しめられる。従軍慰安婦問題のように事実が歪められて拡散される。

日本の一般大衆が新聞・テレビに惑わされることなく、不動の姿勢を保つことができる道がある。それは日本の一般大衆が自分たちのルーツ・歴史・文化を知ることである。

 日本人は縄文人・長江中流域からポートピープルのように逃れて日本列島に辿りついた渡来系弥生人・後漢滅亡後に朝鮮半島から渡来帰化した人々・白村江で敗戦後百済から渡って来た人々など多人種の混血である。従い日本人は形質・性質・能力など非常に多様な面を有している。このように多様であるから、日本国内にはいろいろな考え方が現れる。

その一方で、巷で「今年は皇紀2677年である」と言う人が少なから居るほど世界で最長の男系皇統が続いているなかで培われた日本独自の文化が仏教文化とともに代々継承され、日本の社会に深く根付いている。「以和為尊(和を以て尊しと為す)」の精神は日本人のルーツと日本人が2000年以上続いている男系皇統の皇室に関係がある。日本人は群れの中では従順なところがあるのは「以和為尊」の精神によるものである。これは日本民族の特性である。

戦後GHQの指令により多くの皇族が民間人になった。このため男系の皇統維持が困難に直面している。そういう中、女系天皇も検討されている。NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』では、井伊家はその直虎以降、その直虎の実母・その母のミトコンドリア遺伝子が代々継承されたことになる。私は皇室がそのようなことにならないことを切に願っている。

 戦前までの日本人は阿弥陀仏(Amitāyus Buddha)に対する信仰心が厚かった。戦後アメリカの文化に触れてその信仰心は薄くなった。国家のことよりも個人の自由な活動に最大の価値を認める人たちが多くなった。現行憲法下では思想・信条の自由も最大限に保障されているので、憲法第9条の改正に反対する人々が多い。


 古代に聖武天皇が仏教を通じて国づくりを推進されたように、仏教は日本国民を安寧にする力がある。日本人の間で阿弥陀仏(Amitāyus Buddha)に対する信仰心が深まれば日本はもっと良い国になるだろう。皇統の問題の解決方法も含め、良い知恵がその信仰心により生まれて来るに違いない。私は明日から真剣に『顕浄土真実教行証文類』を学ぼうと思う。