2014年10月22日水曜日

20141022国家は一つの生物種である(14)―― 最期の迎え方 ――


 このブログの左欄「You Tube より」にリンクを貼ってあるが、「国旗の重み~六十年の時を経て届いた手紙~」という一つの動画がある。先の大東亜戦争(注:戦後GHQの意向により「太平洋戦争」と言い換えさせられた)において長田和美という海軍中尉が最期の二日前と前日に書きのこした日記の一節である。日記は60年後に95歳になっていた妻のもとに届けられた。
(関連: http://hibikorejitaku.blogspot.tw/2011/11/20111113-4-96-11-19-6-15-nhk-20111113-4.html )

 妻はその手紙を食い入るように読み、そして涙をこぼし、サイパンに送られる兵士たちを乗せた軍用列車の通過を駅のホームで見送り、デッキに立っていた夫のこぼれるような笑顔を見、双方互いに手を振りあって列車がまっすぐな一本線の先に小さく見えなくなるまで見送ったことを回想していた。95歳になっていた妻は60年たって改めて夫の愛に接し「思い出をいただいて、こんなに嬉しいことはありません」と、その手紙を届けたNHKS氏に語ったという。

 その手紙の一節を以下に示す。
「昭和十九年(1944年)(七月四日)命令に従い、私は艦隊司令部に出頭した。いまや司令部は前線と化し、空襲のまっ只中にある。生きて帰れるかわからなかったが、任務終了後無事に戻ることができた。とうとう最後の抵抗をする判断が下された。・・(中略)・・このように絶望的な状況下で戦えるのは日本人だけであろう。しかし敵の圧倒的な力を目のあたりにして、さすがの大和魂も歯が立たない。・・(中略)・・あと一日か二日で最期を迎える。

 何も思い残すことはない。できる限りのことは行った。私の心はおだやかで満ち足りている。・・(中略)・・どのように名誉ある最期を迎えられるかのみを考えている。これは私だけではなく、非戦闘員達にも日本人として名誉ある最期を迎えさせてやりたい。・・(中略)・・

 (七月五日)わが妻、シズエへ 何も言い残すことはない。君と結婚して十七年がたった。幸せな思い出に満ちた十七年だった。来世への思い出でこれ以上のものはないだろう。君になんとか恩返しをしたかった。感謝の気持ちでいっぱいだ。私のぶんも子どもたちを可愛がってほしい。私が至らぬために、子どもたちに迷惑をかけるかと危惧している。

 今後日本は本当に困難な時期を迎えるだろう。日本は、あらゆる勇気を奮い起こして困難を乗り越えなければならない。君は優しすぎる。父親を亡くした息子たちのよい相談相手になってやり、彼らを強く、廉直な日本人に育てておくれ。日本がある限り、暮らしに困ることはないだろう。万一の時が来たら、日本人として名誉ある最期を迎えてほしい。

 コン、マサ、ヤスへ。強い正直な日本人になっておくれ。将来の日本を担ってほしい。兄弟どうし、互いに協力しあい、全力を尽くしてお母さんを助けてあげてくれ。コンとマサ、君達は兄としてヤスの面倒をよく見てやってくれ。・・(後略)」

 日中間で大きな食い違いがある歴史認識の論議は別として満州事変の遠因となった柳条湖事件以降、日本の兵士たちや非戦闘員たちは大義のために戦い、それぞれ思いをこめて死んでいった。私は、故国日本の行く末のことを思い、故国に遺してきた妻子・親・兄弟・姉妹・恋人・友人らのことを思いつつ死んでいった幾百万人の方々の御霊は、現に今を生きている我々日本人の中に必ず転生しているものであり、我々は過去世に生きていた人々の現世を生きているのであり、そのように生命は永遠である、と確信している。

 私はその状況を国家という‘生物’の‘細胞’のような個々の国民の動きの中に俯瞰して見ている。個々の細胞は一個の生き物のようである。細胞の核内にあるゲノムには多細胞体が生き残るため必要なすべての情報が書き込まれている。細胞は想像をはるかに超えた一つの装置である。国家において‘細胞’のようなものである個々の国民も同様である。

 上記遺書の文言の中に「大和魂」「来世への思い出」「あらゆる勇気」「廉直な日本人」「名誉ある最期」「正直な日本人」「将来の日本を担って」という言葉がある。これらの言葉は日本人の資質を示すものである。もし左翼の大学教授や学校教師らによってそれらの資質を言葉巧みに否定するような教育が行われるとすると、日本人のゲノムは幾世代を経てゆくうちに徐々に変化し、それらの資質が低下し、日本という国家は退化してゆくことだろう。

 そうなると日本人は未来の幸せへの願望のため固定的観念で善と悪とを仕訳するようになり、次第に多様性が薄れて超自然力の存在を信じるようになり、それを利他でなく利己のために用いる儀式を行うようになり、己を他より高みに格付けすることを願うようになるかもしれない。それは有り得ないだろうが、それは日本という国家の退化である。


 個々の国民でも一つの国家でもみな根源的な自己保存欲求につき動かされている。国家は ‘ゲノム’を持っている一つの生物種であり、根源的な自己保存欲求に突き動かされている存在である。そのため人々は時に協同し、時に敵対する。国家同士も同様である。それを避けることはなかなか難しい。進化した国家はそれを巧みに避ける術を心得ている。

2014年10月9日木曜日

20141009国家は一つの生物種である(13)――国家の品格・能力・強靭性 ――


 産経新聞が出しているインターネット版『産経ニュース』に『脳は生涯にわたり発達し続ける』と題して筑波大学名誉教授・村上和雄氏の記事が出ていた。その冒頭の部分を以下のとおり“”で引用する。
 
“黄金期を迎えつつある脳研究によって、私たちが従来教えられてきた脳に関する常識は、次々と破られてきた。
 例えば、傷ついた脳が自然に治ることはないという通説は誤りで、脳神経細胞は環境に応じて再配線できる。
 さらに運動、精神的活動、社会的なつながりが、神経細胞の発展を促すといった事実が判明した。従って、脳の働きは決して固定的なものではなく、作り替えが可能である。以前なら思いもよらなかったような驚異の治癒力が脳に備わっていることが分かった。
 《脳の働きを制御するのは心》”

 800億個もある脳神経細胞には個々に総数1万本の棘突起(スパイン、spine)があって、それが他の細胞と結合して神経の活動に関わっている。神経細胞同士は軸索(axon)と呼ばれる突起状の構造物でつながっている。脊髄中に伸びる軸索(axon)は数十センチメートルもの長さがある。軸索(axon)にはオリゴデンドサイト(oligodendrocyte)と呼ばれる細胞が軸索(axon)を移動しながら脂肪でできた物質を巻き付けて髄鞘(myelinミエリン)と呼ばれる構造を持たせている。髄鞘(myelin)は神経細胞間の信号伝達速度を向上させる働きがある。人は学習や鍛錬によって自らの能力を向上させるための努力をすればするほどその人の神経細胞の軸索の髄鞘(myelin)化が進む。こうして神経細胞はその人の努力に必ず報いてくれるものである。

 ノーベル物理賞を受賞することになった青色発光ダイオード(LED)を開発した赤崎勇・名城大終身教授(85歳)は「流行を追うのではなく、たとえ良い結果が出なくても自分がやりたいと思う研究をやり続けることが重要だ」と言った。脳を働かせるのは心である。人は強い意志をもって学習や鍛錬に精出せばその人の神経回路は強化される。

 人の集合である国家も同様である。国民の集合的心が国家の‘心’である。国家の‘心’の有り様が良ければその国家の神経回路は強化されるだろう。そしてその国家は高い品格と能力と強靭性を備えた国家となり、更に進化し続けることだろう。


 日本という国家の‘心’は何であるのか?日本は2000年の昔から万世一系の皇統の天皇を戴いている。神社・仏閣・祭祀・祭礼・伝統・文化などの言葉で表現される事象は古来続いている。先の戦争で日本は徹底的に打ちのめされたが日本人の心は変わらなかった。

2014年10月3日金曜日

20141003輪廻転生について考える


 人間は60兆個・200種類の細胞で構成されている。その60兆個の細胞のうち800億個が脳の細胞である。脳の一個の細胞には1万本ものスパイン(spine)と呼ばれるとげ状の突起がある。人間の脳の細胞同士はとげ状の突起(spine)をつなぎ合わせてネットワークを構成している。実際につながってネットワークになるのはスパインの一部である。

このネットワークは6歳ごろまでの間に完成すると言われている。その後は学習や訓練によってネットワークの個々の線(軸索)の太さが増加する。そのネットワークの個々の軸索が太くなることによって信号の伝達速度が向上する。信号の伝達速度が向上すればするほど、その人の能力は高まる。脳内に完成した細胞ネットワークは学習や訓練によってそのネットワークの軸索が太くなってゆく。6歳ごろまでに完成された脳内ネットワークの良否だけではなく、その後の学習や訓練によってその人の能力が決定されるのである。

人間の脳にはそのネットワークの軸索を太くする働きをする細胞(オリゴデンドロイサイトoligodendrocyte)や必要なタンパク質を運搬する細胞(分子モーターmolecular motors)が存在している。オリゴデンドロサイトは繋ぎ合った細胞同士の軸索の上を移動しながら脂肪でできた腕をその軸索に巻き付けて軸索を太くしてゆく。分子モーターは役割ごとに90種類ある。これらの細胞の働きは遺伝子の発現によるものである。

意識は感覚・感情・行動・記憶の各要素が統合されたものである。以前私は意識は人間にしか存在していないものであると思っていた。しかし上記の概念では意識は動物にも存在しているし、感情をプログラムされたコンピューターにも意識を持たせることは不可能ではないかもしれない。

 人間には言語がある。人間はその言語を用いて自分が意識したもの・体験したこと・他人が意識したこと・他人が体験したなどを詳細に記録し、後世に伝えることができる。人間は想像力を働かせて自分の意識を遠い過去から遠い未来まで拡げることができる。人間の意識は時空を超越するものであり、広大無辺・融通無碍・自由自在なものである。

 人間の意識は800億個もの脳神経細胞の活動によって作り出されるものである。その細胞のスパインの突起部分が他の脳神経細胞のスパインの突起部分と結合することにより意識が生まれる。意識の量はその脳神経細胞の数と脳神経細胞同士の結合の度合いの濃淡によって決まるものである。

 脳神経細胞を作り出し、一つの脳神経細胞のスパインと他の脳神経細胞のスパインとの間で結合を生じさせるものは遺伝情報である。遺伝子の発現によって意識を生み出す仕組みができる。人間は死ぬと脳神経細胞も消滅する。しかし遺伝情報は子孫に伝わる。また本人の遺伝情報は本人の骨など体の組織が残っている間は残る。子孫に伝わった遺伝情報はその子孫の意識の元となる。

 人の才能・素質は遺伝によるものが50%ぐらいあることが分かってきている。親から遺伝的に受け継いだ才能・素質を十分発揮できるかどうかはその人の運命ではなく、その人が成長・学習・訓練等に関する正しい知識を持っているかどうかによるものである。人は欲得に心を曇らせることなく物事を素直に受け止め、正しい知識によって最大の努力をすれば自然に自分の未来が開かれるものである。例え自分が自分の死に直面せざるを得ないような状況におかれたとしても、自分の死がある役割を担っていることを自覚することができれば何も苦しむことはないのである。仏教や易経はそのような自覚の仕方を教えるものである。つまらぬ雑学に時間を費やすよりはそのような教えを学ぶことに時間を費やすほうが余程良い。他者より上に自分を格付けしようとしてもがくことは愚かである。

 私は「意識は霊魂である。意識は脳内に碇を下して体全体を包んでいる」と考えている。人は死んでもその霊魂は何かの形で永遠に残る。過去世・現世・来世の因縁は人間だけのものである。「あの世」の存在の有無を科学で証明することは不可能である。しかし極めて素直に「あの世」の存在を信じることができる人は幸せである。

 われわれヒトの遺伝子の99%以上は他の生物の遺伝子と共有している。ヒトの遺伝子の53%は植物の遺伝子と共有し、残りの46%を動物と共有している。ヒトの遺伝子の個人間の差は僅か0.1%である。ヒトのDNAは約30億塩基対から成っているので、その0.1%、つまり300万塩基対の違いが個人間・人種間の形質の差をもたらしている。

 人間は地上のあらゆる生物と同根である。人間だけが特別な存在であるのではない。仏教では「あの世」の存在を肯定し、人は死後六道に輪廻転生するとしている。善男善女は死後新たな人間として「人間界」に生を受けるが、悪人は生前犯した罪の程度に応じて「修羅界」「地獄界」「餓鬼界」「畜生界」のいずれかに生を受けて苦しむことになる。


動物界の最上位に君臨する人間はほとんど同根の他の動物を殺して食べている。つまり人間は「畜生界」に生きている同根の動物を殺して食べている。善男善女はそういう人間である。他の動物を殺さなければ人間は生きては行けないのである。他人を殺すことは最もいけないことである。人間は他の動物を殺すことは必要最小限にし、その動物を憐れみ、その動物を存在させている大自然に感謝の気持ちを表明するべきである。野菜など植物とて人間と同根である。人間は畑の作物を大切に思う気持ちがなければならないのである。

2014年10月2日木曜日

20141002国家は一つの生物種である(12)―― 国家の中枢 =‘脳’――


 人間は60兆個・200種類の細胞で構成されている。その60兆個の細胞のうち800億個が脳の細胞である。日本国は125545千人の日本人によって構成されている。そのうち国家公務員は約639千人であり、地方公務員は約2769千人である。国家公務員のうち特別職公務員(大臣・副大臣・政務官・補佐官・大使・公使・裁判官・人事官・検査官・自衛官等)は約299千人いる。この特別職公務員のうち自衛官は約248千人である。脳が52の「野」に分けられているように日本国の中枢は国家公務員が構成員となっている各種各様の組織・機関によって構成されている。

 人間の脳の細胞同士はとげ状の突起(spine)をつなぎ合わせてネットワークを構成している。このネットワークは6歳ごろまでの間に完成すると言われている。その後は学習や訓練によってネットワークの個々の線の太さが増加する。そのネットワークの個々の線が太くなることによって信号の伝達速度が向上する。学習や訓練によってそのネットワークの線が太くなってゆく。人間の脳にはそのネットワークの線を太くする働きをする細胞(oligodendrocyte)や必要な物資を運搬する細胞(分子モーターmolecular motors)が存在している。分子モーターは様々な役割を担うその役割ごとに90種類あると言われている。国家の中枢内では各組織・機関相互間の意思疎通を的確・迅速にする努力が必要である。国家中枢内のネットワークと中枢内組織・機能の有り様はその中枢の機能の良否を左右する。

 脳内の組織・機能が壊れると病気になる。同様に国家の中枢のネットワークと中枢内組織・機関・機能の有り様が破壊されるとその国の中は乱れ、流血の惨事が起きる。内部に大きな矛盾を含んでいる国家の中枢は国内が乱れぬように必死に努力せざるを得ない。そういう国家は内憂外患を抱えて非常に苦悩する。

子供の脳内のネットワークは未熟である。子供の成長のためには家庭や社会や国家による十分な保護が必要である。同様に国家の中枢のネットワークとその組織・機関・機能の有り様が未発達な状態の国家に対しては国際社会による十分な支援が必要である。今中東で起きている諸問題は国際社会が協同してその解決のため力を注がなければならないことである。さもなければその火の粉はわが国に及ぶだろう。


日本は非常に安定した国家である。かつて自由民主党もポピュリズムに陥り盛んに官僚たたきを行っていた。今日本では正しい国家観を持っている政治家たちと国家に身をささげるという高い志を持っている国家公務員たちが国家中枢のネットワークを高度化させ、中枢組織・機関の機能を改善する努力を傾注している。日本国民はテレビ公開討論会・電子メール・SNS等を通じて国政に関わる情報を広く共有することが出来ている。

2014年9月24日水曜日

20140924国家は一つの生物種である(11)―― 国家の意識・国際社会の意識 ――


 意識は感覚・感情・行動・記憶の各要素が統合されたものであると言われている。以前私は意識は人間にしか存在していないものであると言った。しかし上記の概念では意識は動物にも存在しているし、感情をプログラムされたコンピューターにも意識を持たせることは不可能ではないかもしれない。

 人間には言語がある。人間はその言語を用いて自分が意識したもの・体験したこと・他人が意識したこと・他人が体験したなどを詳細に記録し、後世に伝えることができる。人間は想像力を働かせて自分の意識を遠い過去から遠い未来まで拡げることができる。人間の意識は時空を超越するものであり、広大無辺・融通無碍・自由自在なものである。

 人間の意識は800億個もの脳神経細胞の活動によって作り出されるものである。一個の脳神経細胞には1万本ものスパイン(spine)と呼ばれるとげ状の突起がある。その突起部分が他の脳神経細胞のスパインの突起部分と結合することにより意識が生まれる。意識の量はその脳神経細胞の数と脳神経細胞同士の結合の度合いの濃淡によって決まる。

 脳神経細胞を作り出し、一つの脳神経細胞のスパインと他の脳神経細胞のスパインとの間で結合を生じさせるものは遺伝情報である。人間は死ぬと脳神経細胞も消滅する。しかし遺伝情報は子孫に伝わる。また本人の遺伝情報は本人の骨など体の組織が残っている間は残る。

 私は「意識は霊魂である。意識は脳内に碇を下して体全体を包んでいる。国家の意識もその国家の統合の中心に碇を下して国家全体を包んでいる」と考えている。人は死んでもその霊魂は何かの形で永遠に残る。過去世・現世・来世の因縁は人間だけのものである。

「あの世」の存在の有無を科学で証明することは不可能である。しかし極めて素直に「あの世」の存在を信じることができる人は幸せである。一方で「あの世」は必ず存在するとか天地創造の神は絶対に存在するとして、そのことを「信ぜよ」と他人に強要する人は普遍的社会にとって甚だ迷惑な存在である。


 国家は人間の集合体である。大多数の国民の共通的な意識が国家の集合的な意識となる。意識の根源には自存欲求がある。国際社会はそれぞれ自存欲求を持つ国々の集合的な社会である。国際社会で共通的に価値があるものは「国際法」である。価値観が共通な国家同士はグループとなる。利害が共通する国家同士は同盟を組む。自らの支配力を高めるため平気で人を殺す猛獣のような人々のグループは社会から結局排除されることになる。

2014年9月3日水曜日

20140903国家は一つの生物種である(10)―― アリは同じ種のアリを食べ殺す ――


 NHKBSの番組に「ワイルドライフ」という番組がある。その一つに『アリゾナ砂漠 ミツツボアリ 巨大帝国を築く』という番組が放送された。ミツツボアリは体長7㎜ほどの小さな蟻である。彼らの生態の幾つかをここに列挙する。
    ひとつがいの羽アリのオスとメスが交尾し、メスは女王アリとなる。
    女王アリは巣穴を掘り始める。
    そこに5、6匹の女王アリたちが寄ってくる。
    彼らは初めに巣穴を掘り始めた女王アリの巣穴掘りを手伝う。
    巣穴が完成し女王アリたちは産卵を始める。
    卵を舐めて清潔に保つ役割を担っているアリたちがいる。
    外で食糧を見つけ出し巣に運んでくる役割を担っているアリたちがいる。
    食糧と自分の唾液で作った蜜を作る役割を担っているアリたちがいる。
    その蜜を口移しで受けて自分の体内に貯蔵する役目を担う貯蔵アリたちがいる。
    巣の中は幾つもの小部屋に分かれている。
    その一つの部屋ではお腹を蜜で膨らませた貯蔵アリたちが集まっている。
    巣ができて6年目に巣内で異変が起きる。
    女王アリたちが生き残る順番を決める動きを見せ始める。
    フェロモンの強い女王アリ一匹だけが生き残る。
    生き残り競争に敗れた女王アリは巣内の他のアリたちに食べられてしまう。
    巣ができて8年目にミツツボアリの巣の中は巨大な帝国のようになっている
    ある日その巣に他のミツツボアリの集団が侵攻してくる。
    女王アリは巣内の秘密の小部屋に避難する。
    巣内のアリたちは必死に防戦する。彼らは兵隊役を担っているアリたちである。
    侵攻した集団は巣内の女王アリや卵や他のアリたちを皆殺しにして食べ尽くす。

 「20140823国家は一つの生物種である(8)――  日本人は完全混血人種である ――」に書いたように体長5㎜にも満たないうようなアリたちの生態を観察したことがあった。彼らは2匹単位で行動している。仲間が次々殺害されると何処かに身を隠して生き残っていたアリたちは群れをなして一か所に集まる。この状況「20140721国家は一つの生物種である(4)――国家=‘生物’/国民=‘細胞’――」に書いたように単細胞生物のキイロタマホコリカビが危機を感じてナメクジのような多細胞体になることと似ている。多細胞体のアリ同士は何かの方法で互いに信号を伝達し合っている。この状況は動物界のヒト種である我々人間も同じである。

 上述過酷な環境のアリゾナ砂漠で暮らすミツツボアリは生き残るため同じDNAの身内を食べる。歴史を顧みればわが日本でもヨーロッパでもヒトは生き残るためDNAが殆ど変らない他のヒトを殺している。ヒトは理性があり感情があるからそのような残虐なことはできるだけ避けようとするだけで、本質的に上記アリたちと変わらない。これが現実である。何千年も昔に起きたように気候が異常となり食糧難が起きそうである。ヒトは生き残るため互いに争う。テロ活動はその一形態と観ることもできる。争いに負けたヒトの集団は分解され、或いは消滅する。


 多人種混血の単一民族の国家である日本は、国家として生き残るためどうあるべきか?わが日本国憲法前文にある「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼」するだけでは日本は国家として生き残れないことだけは確かである。またもし天皇・国旗・国歌が軽んじられるようになれば日本国は衰退してしまうだろう。アメリカは大統領選挙・「星条旗よ永遠なれ」という国歌・そしてその国旗が多民族統合の要となっている。「生き残る」という共通の利益を軽んじる国民が多くなれば国家は衰退する。結果的にその国家で恩恵を受けている個々の国民が不利益を被ることになる。

2014年8月25日月曜日

20140825国家は一つの生物種である(9)――お互い笑顔で共存共栄ができるか? ――


 九州南部の宮崎を出発した一人の英雄が奈良盆地に王権を確立して以降、大和言葉が成立し次第に日本列島全域に広まって行った。その英雄の名前は神倭伊波禮毘古(カムヤマトイハレビコ)で初代天皇・神武天皇となられたお方である。

 『古事記』には初代神武天皇以降第十三代成務天皇までの間に大和朝廷が国家を統一してゆく状況が書かれている。その一つに倭建命(ヤマトタケルノミコト(『日本書紀』では「日本武尊」と書かれている)が父・景行天皇の命を受け九州の豪族の討伐や東方各地の豪族の討伐に活躍したことが書かれている。倭建命は第十二代景行天皇の第二皇子である。

 中国の歴史書にある『倭人傳』は当時の中国人の「日本見聞録」のようなものである。これまで日本人はその『倭人傳』がさも正確な史実のように扱ってきていた。しかしその『倭人傳』は当時の中国の皇帝に気に入られるように中国で編纂されたものであった可能性があると指摘されている。「邪馬台国(ヤマタイコク)」はヤマト「倭(ヤマト)」の国のことではなかろうか?大和朝廷が九州を平定するまでの間に九州に存在していた諸国の総支配者が「ヒミコ」と聞こえるような名前の女性であったから中国語で「卑弥呼」と当て字されたのであろう。当時日本には漢字を知っている人は一人二人居たかもしれないが、日本は漢字圏外であった。

日本には狭い国土の中に13千万の人々が住み、その人々は天皇を戴き、言語・文化・伝統が一つに纏まっている国家に所属している。日本は混血人種の単一民族国家である。天皇・国旗「日の丸」・国歌「君が代」は日本民族のアイデンティティである。神社・仏閣・慰霊碑は日本民族団結の拠りどころである。祭祀・祭礼・祭りは古から今日に至るまで連綿として続き未来へと繋ぐ日本民族の魂の交流の行事である。日本の歴史・文化・伝統などは日本民族の‘DNA’である。このように日本人は中国人・韓国人にない世界を共有している。日本に帰化して幾世代も経ていない人や今後日本に帰化する人の子孫は皆そのような世界を共有するようになるだろう。必ずそうでなければならぬ。こういうことを否定しようとうごめく輩は国賊である。

 中国には「中華民族の偉大な復興」という強い願望と夢がある。韓国には「日本に克つ」という強い願望がある。日本の強い願望は「法の支配に基づく平和の実現と持続」である。日本民族の‘DNA’は日本の歴史・文化・伝統などである。中国や韓国にもそれぞれの国の歴史・文化・伝統などの‘DNA’がある。中国は「中華民族の偉大な復興」・韓国は「日本に克つ」を目的としているように見える。中国も韓国も日本の歴史について自分たちの認識を正しいと主張し続けている。日本の強い願望の実現はなかなか困難な状況にあるが、日本は彼らの主張に決して譲歩してはならぬ。従来の日本のお人好しぶりは止めよ!

国家はヒトの集合体である。ヒトは動物界の一種である。動物は他の動植物を食べ、他の動物を攻撃し、また他の動物の攻撃から身を護るため運動性を備えている。ヒトの集合体である国家はヒトのように理性的であるが、その一方で動物的に行動する。日本・中国・韓国それぞれの国家の指導層の人々はそれぞれの国家の願望・それぞれの国家に所属する人々の集団的心情などが書かれている看板を背中に抱え、国家同士互いに友好と共存共栄を目指しつつも互いに対立・相克し合っている。


日本人は国家をそのように観ないと、日本は国家としての生存競争に負けるだろう。国民同士は互いに交流し相互理解が進んでも国家同士は対立・相克するものである。日本と中国・日本と韓国の間で歴史認識の共有は絶対無理である。歴史認識は永遠に平行線のままであろう。日本はそう開き直り、お互い共存・共栄の道を共有できるようにすればよい。その共有のためには軍事力が重要である。軍事力が共存・共栄の有り様を左右する。日本国民はこのことをしっかり自覚すべきである。

2014年8月24日日曜日

20140824国家は一つの生物種である(8)―― 日本人は完全混血人種である ――


 体長5㎜にも満たない小さな蟻たちが必死に生き延びようとしている。逃げ回る蟻たちを次々殺しても蟻たちは食糧を求めて次々現れ出て梯団を組んで行動する。
中国も韓国もロシアも必死に生き延びようとしている。日本はそう強欲にならなくても必要なものは手に入り、豊かに暮らして行けると思っているかのようにしている。日本は強い武力を備えた上でこれらの国々と共存共栄して行かなければ生き残れないだろう。

=== Japanese people are full half-breed races. ==

The foreigner who does not know about Japanese may be unable to distinguish between Japanese, Chinese, and Koreans, but will look them such that they are the same. However, there are the differences on biological morphological element and character by differences of DNA, history and culture between Japanese, Chinese and Koreans. After human beings leave Africa, the posterity of people who arrived at Japan comparatively early is called the Jomon man. The Jomon man created earthenware 15,000 years ago, and they lived in the Japanese Islands separated from the continent peacefully as long as 12,000 years. Photos below: The Jomon people had the deep carved face with double eyelid. (Quote from Newton, the most recent edition [The origin of Japanese])
日本人のことを知らない外国人は日本人・中国人・韓国人の間の区別ができず、皆同じように見えるかも知れない。しかし日本人・中国人・韓国人の間にはDNAや文化などの違いによる形質・性格などの違いがある。人類がアフリカを出発してから比較的早い時期に日本に辿り着いた人々の子孫は縄文人と呼ばれている。縄文人は15000年前に土器を創作し、大陸から切り離された日本列島で12000年もの間平和に暮らしていた。縄文人は下記写真のとおり二重瞼で彫の深い顔立ちをしていた。(Newton 『最新版 日本人の起源』より引用。)


 




 長江中流域に黄河文明より1000年古い文明を築いていた人々が居た。彼らは稲作・漁撈の文化を持っていた。彼らは北方から下って来た畑作・牧畜の文化を持つ人々から圧迫を受けて長江中流域から離れた。彼らは3000年前頃から山東半島・朝鮮半島南部経由でこの日本列島に徐々に渡って来ってきた。彼らはジャポニカ種の稲作技術を持っていた。紀元前400年頃から長江流域から舟で直接九州南部にやって来た人々も居た。彼らは渡来系弥生人と呼ばれている。

縄文人たちは渡来系弥生人と争うことなく彼らから稲作技術や漁撈技術を学んだ。こうして渡来系弥生人と縄文人の間で混血が進んだ。北海道と沖縄では混血の度合いが少なかった。この混血の人種は倭人と呼ばれていた。倭人たちは古代朝鮮半島にも進出していた。

一組の父母から二人の子供が生まれ25年で世代が交代すると仮定すると1000年後には240乗、つまり1兆人の子孫が出来ることになる。一方子供には父親の遺伝子の半分と母親の遺伝子の半分が遺伝するから、子供には223乗個の遺伝情報が選択されて伝わる。日本人の形質・性格などは縄文人の特徴と渡来系弥生人や後に日本に帰化した人々の特徴が混じり合ったものになって行く。この傾向は今後更に進んで行くことであろう。日本人は完全混血人種である

People who had built the civilization 1000 years older than Huánghé (Yellow River) civilization were in the middle reaches of Chángjīang(Yangtze River). They had the culture of a rice crop and fish catching. They received pressure from the people with the culture of field crops and cattle breeding came down from the North, so they left away from the middle reaches of Chángjīang(Yangtze River). From about 3000 years ago, via Shāndōng peninsula and southern area of Korean Peninsula, they came to Japanese Islands gradually. There were also people behind among them who have gone over southern Kyushu directly by ship from the Chángjīang(Yangtze River). They had the rice crop technology of Japonica rice. There were also people who came by the ship from the Chángjīang(Yangtze River) to southern Kyushu directly around from B.C. 400 years. They are called Toraikei-Yayoi man, people who crossed the sea and have passed into Japan.

  Jomon men learned rice crop technology and fish catching technology from them, without fighting with the Toraikei-Yayoi men. In this way, the half-breed of a visit system Yayoi man and a Jomon man progressed. There were a few half-blooded degrees in Hokkaido and Okinawa. The race of this half-breed was called the Wajin. The Wajin had advanced also to the ancient Korean Peninsula. 

  When it assumes that two children are born from a set of parents, and a generation will take the place in 25 years, in 1000 years, [ the 40th power of 2 ], i.e., 1 trillion persons posterity can be done from the one set of parents. On the other hand, since the half of a father's gene and the half of a mother's gene are inherited to a child, a genetic code of the 23rd power of 2 is chosen and it is inherited to child. Japanese biological morphological element and character, etc. become to what a Jomon man's feature, the feature of Toraikei-Yayoi man or feature of people later naturalized to Japan were mixed, and go. This tendency will be further progressing from now on. Japanese people are full half-breed races.


 


2014年8月21日木曜日

20140821国家は一つの生物種である(7)―― 国家間の対立・相克の原因 ――


 テレビ朝日のモーニングバードに出演している玉川徹氏の韓国レポートによれば、韓国人は日本人が好きであるが心の深奥では嫌いであるという。(関連:『国家は一つの生物種である(6)――  反日システム ――』

 『韓国併合への道 完全版』を著した呉善花氏は、「韓国人は反日の前に侮日の感情がある。韓国人が日本人を嫌いなのは韓国人と日本人が似ているからである」という趣旨のことを語った。日本と韓国は近くて遠い国同士である。何故そういう関係なのだろうか?

 日本と中国の関係について考えてみる。『本当は謎がない「古代史」』を著した八幡和郎氏はその本の中で「中国の呉越地方は日本人のふるさとである。卑弥呼の手紙は洛陽で書かれた。その内容も洛陽の政府に好ましく受け取られるように中国で書かれた」と書いている。古墳時代の人々は縄文人と渡来系弥生人が混血して生まれた人々で、当時の日本の各集団の指導者は呉越地方を故郷とする当時の中国人とすでに日本列島全域で高い文化を築いていた縄文人との間の混血の子孫であった。女王卑弥呼もその一人であったに違いない。その後日本の指導者層の人たちは多くの子孫を残した。その子孫は日本全国に拡散した。現在殆ど総ての日本人の形質や能力などにはその一部を受け継いだものがある筈である。今後数世紀以内にDNAの拡散は一層進み、日本人の容貌や体つきなどはさらに多様化してゆくに違いない。(関連:『発掘された人骨から復元した原日本人の顔立ち(20120505) 

 日本と中国・韓国との間の対立・相克の根本原因は何なのか?遺伝子の違いが影響しているのだろうか?それとも歴史・体制・文化・伝統などの相違に根本原因があるのだろうか?或いはその両者なのだろうか?

誰でも入手できる範囲の諸資料によれば、日本民族・中国民族・韓国民族のY染色体DNAのハプロタイプは下記のように共通のものもあり、全く違うものもある。
    タイプO3系の人の割合は中国人には圧倒的に多く、韓国人にもかなり多く、日本人には少しである。但し日本人にはO3a1c*O3a2*が分布している。彼らは縄文後期に日本に渡って来た人々のハプロタイプであると考えられている。
    タイプO2系の人の割合は中国人にはゼロ、韓国人と日本人にはほぼ同程度にやや多い。このうちタイプO2b1aは殆ど日本人のみに分布しているようである。
    タイプD1系(旧タイプD2系)の人の割合は中国人にはゼロ・韓国人には殆どゼロ(済州島の人々にごく僅か分布)で日本人の半数近くにはこのタイプがある。特にアイヌの人々には圧倒的に多い。その人々の形質の特徴の一つは二重瞼である。
    タイプC1a1(旧タイプC1)は日本人のみに分布している。

縄文人を特徴づけるミトコンドリアDNAのハプロタイプはN9bM7系・ M8系である。N9bは日本人のみのタイプであり、北海島から沖縄まで日本全土に分布している。特に北海道と沖縄の人々の間に多く分布している。またM系のM7aも同様な分布をしている。日本列島以外では韓国やロシアの沿海州で僅かに確認されている。このM系のパートナーがY染色体DNAのハプロタイプD1系であれば彼女らは中国大陸では生き残れなかっただろう。彼女らはパートナーがY染色体DNAC1a1(旧タイプC1)・O3a1c*O3a2*であった彼らと一緒に日本列島にやって来たと考えられる。

日本人はY染色体DNAのハプロタイプD1系及びミトコンドリアDNAのハプロタイプはN9bM7系・ M8系の縄文人とY染色体DNAのハプロタイプO2系の渡来系弥生人を主体とする混血人種である。日本人の血には上記のようにC1a1(旧タイプC1)・O3a1c*O3a2*の血も混じっている。日本人と中国人・韓国人とは形質的に似ている部分と似ていない部分がある。これは上記のようにDNAのハプロタイプの違いによるものである。

渡来系弥生人は今から約3000年前から少しずつ日本に渡ってきたと考えられている。そのルートは長江流域から北上し山東半島・朝鮮半島南部を経て北九州に辿りついたほか、紀元前400年頃からは長江河口から舟で直接沖縄・九州南部に渡って来た人たちもいたと考えられている。彼らは『古事記』にある「海人」「海神」としてシンボル化された人々であって、漁撈・航海の技術に長けた人々であったのだろう。考古学的資料から彼ら渡来系弥生人の先祖は長江中流域で黄河文明より1000年古い文明を築いていたと考えられている。

中国は人口の90%を占める漢族のほか55の少数民族から成る多民族国家である。しかし中国人の間に占めるY染色体DNAのハプロタイプO3は漢族が中国人全体に占める割合よりずっと低い。これは中国の長い歴史の間に漢族と周辺種族との混血が進んで来た結果であると考えられている。


DNAには深層心理にかかわる情報があり、そのDNAの発現は環境の変化に応じて選択的に行われると考えられないだろうか?日本人と中国人・韓国人の間に親近感とともに根深い対立・相克の感情がある。これはDNAの違いが影響していると考えるのは考え過ぎだろうか?人間は理性を持っていると言っても人間は動物界のヒト種である。国家は人間による集合であると同時に動物界のヒト種の集合であると考えるならば、国家はごく自然に動物と同じような利己的な行動をするものでもあると言えるだろう。