2016年9月11日日曜日

20160911雑感 ―― 本来あるべき国の形を取り戻すために ――


 産経ニュースに“「築地市場(東京都中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)で、都が土壌汚染対策に実施したとしていた4.5メートルの盛り土が一部行われていなかった問題で、食品を扱う主要施設の地下空洞に地下水がしみ出している恐れがあることが10日、都幹部への取材で分かった”という記事が載っている。

 豊洲市場の土地造成・建物建設は、「責任ある関係者」の間でどのように意思決定され、実行されて来たのだろうか?其処に東京都民やその「責任ある関係者」以外の官僚たちが知らないブラックボックスのようなものが有ったのではないのか?そのブラックボックスは利権に蠢く人たちが寄り合っている「闇」のような非公式な組織では無かったのか?

 もしそういう「闇」のようなものが存在していたとすれば、その「闇」に関わっていた一部の政治家や官僚は、公式的な組織をただ「機械」として動かしていただけである。そして彼らは自己防衛のため外部との間の意思疎通をなるべく少なくし、情報公開を恐れ、巧妙な言葉・慇懃無礼・恫喝・脅しによって近づく者を遠ざけようとしていたことであろう。

 今の時代の「大義」「公儀」((94日付投稿『「真正保守派」が目指すべきもの』参照。
http://hibikorejitaku.blogspot.jp/2016/09/20160904.html)という看板を背中に背負っている小池都知事は「都民第一」「情報公開」をキーワードに、もし上述の「闇」があったとすればそれに切り込もうとしている。情報通信技術は高度に発達し、進化しつつある。その「闇」の中で蠢く人たちはその状況を実感することができないような「年配の世代」の人たちであったのだろう。

 201112月付で総務省がネット上に公開している『2020年頃の将来社会の基盤となるネットワークの実現』と題する資料に「B. 価値を創造するネットワーク」という一項がある。其処では「誰もが膨大な情報を発信でき、一方、状況に応じて創生した有益な情報を安心して入手できるネットワーク環境技術」を確立することが目標とされている。「誰でも膨大な情報を発信でき、有益な情報を入手できる」ネットワークがすでに実現しつある。

 小池百合子氏が政党の支援を受けた他の候補者を百万票以上引き離して、東京都知事に当選することができ、かつ東京都知事として非常に多くの東京都民の支持を得ているのは、正に情報通信技術が小池知事側と東京都民のみならずマスメディアとの間でも非常によく利用されているからである。その鍵は、小池知事側が情報通信技術をフルに利用して積極的に情報発信しているところにある。

 上述の「闇」があったとすれば、その「闇」の組織側の人たちは、どちらかと言えば情報発信力が劣っている人たちであると思われる。新しい時代ではそういう人たちは今の時代の大義・公儀を見失っていてもそれに気づかず、旧来のように自分たちが強い権力を持っていると思っていたであろう。結局その「闇」の組織は、今の時代の大義・公儀には敵わないのであるが、そう言う人たちはそれに気づかないのである。

 ただ、情報通信技術は「自由と民主主義」の理念の下でないと威力を発揮することができない。人々が誰でも自由に情報を発信することができないと、人々は上述の「闇」の組織を牛耳るごく一部の人たちの支配下に置かれてしまうことになる。

 ジャーナリストは「自由と民主主義」の維持・増強のために戦う立場にある。そして、「自分たちがペンの力・映像の力で人々を導くのだ」というような「上からの目線」でものを言い、書くのではなく、情報通信技術を活用して国家の組織と一般国民の間の相互作用を促進させるような役割を担う立場にある。

 左翼系のジャーナリズムは、先ず「戦前の日本は間違ったことした」と言う観念のもと、地政学的な現実の不安定さ軽視し、軍事力を忌み嫌うところから思考を始めているように見える。もし北朝鮮が核兵器を用いたり、もしシナ(中国)が尖閣諸島を占領したりした時、左翼系のジャーナリズムは鳴りを潜めるだろうか?その時はもう取り返しのつかないことになっているだろう。一般国民に対し「上から目線」のジャーナリズムは国を危うくする。

 情報通信技術は諸刃の剣のようなとことろがある。ジャーナリズムは左翼系に対しても右翼系に対しても、それぞれの情報通信技術を用いた発言や行動によって国内が不安定になることを警戒すべきであって、一方の系のみを警戒するようであってはならない。ジャーナリズムが左右のどちらかに肩入れすれば、他方は必ず反発し、国の中に混乱が起きる。

 組織を防衛省と日本会議に限って一市井の無名の老人の見解を伝えるならば、それは、“①防衛省も日本会議も上述のことが起きないように、組織と人々との間で情報通信技術を用いた相互作用を活発にして、国のあるべき形に関する人々の理解を深めるように努めて欲しい、②また日本会議も防衛省も、人々が諸状況を理解するために情報通信技術をフルに活用した相互作用、双方向意思疎通、interactionに努めて欲しい”、ということである


そうすることによって、自衛隊の位置づけを日本国憲法上明確にするための憲法の改正が早々に行われるようになるであろう。また男系皇統の維持の方策の一つとして旧皇族の皇族復帰や教育勅語の復活も行われるようになり、日本が「茹でガエル」状態(94日付投稿『「真正保守派」が目指すべきもの』参照)から復帰して、日本は本来あるべき国の形に戻ることであろう。先人たちの「意識」が今この老人の「意識」と響き合っている。