2016年9月19日月曜日

20160919最大多数の最大幸福を脅かすグローバリズム


 今日の三橋経済新聞(三橋貴明氏主宰)に『グローバリズムとの戦い』と題する記事が載っている。三橋氏は「英語を流ちょうに話し、国籍や国境を意識せず、金儲けが狙える国の企業に投資し、安全な日本国に居住し、日本国で居住することが危険になれば、より安全な国に逃避するような連中が一番恐れるのは民主主義である。彼らは国民を分断しようとしている」、というような趣旨のことを述べている。

私は彼の意見に賛成である。日本国内には上記のような国家観が欠如した利己主義の輩がごまんといるだろう。彼らの中には自由民主党の政治家もいることだろう。その政治家は表向き天皇を崇敬し愛国心に満ちたことを口にし、身体・精神・知的各種障害者への思いやりを口にし、母子家庭なで生活保護・奨学金などで細々と暮らしている経済的弱者への思いやりを口にしていることだろう。

 そのような偽善者を左翼の人たちは非難し、自分たちこそそういう弱者の味方である、と常にアッピールしている。日本では細かく幾つもの政党があるが、各政党はいろいろな考えの人たちの受け皿になっている。しかし最も危険な政治家は、表向き慈愛にみちていて実行力があるが、その裏で金儲けに励む連中である。そういう政治家たちが日本を危うくする。

 私はかつて仕えた陸軍士官学校54期出身の方から「日本軍がマレー半島からイギリス軍を追い出した後、商社の連中が進出し、良からぬことをした」というような話を聞いたことがある。そのように言われた商社も実は日本国家の財政を支えていたに違いない。

 物事には善い面も悪い面も一緒に存在している。それで物事が成り立っている。ただ、悪い面は善い面を暗くしない程度に抑制されなければならない。その抑制が効かなくなると必ず問題が起きる。例えば自由主義は衰退し、全体主義が台頭することになるだろう。

 世界一の情報通信技術を持っている日本は、その利活用を活発にする必要がある。スマートフォンやパーソナルコンピューターなどにより人々の間の意思疎通がより活発になれば、上述の危険な政治家も、金儲けに走る国家観のない利己主義の人たちも自ずと制御されるようになることだろう。

 ただ其処にも危険が潜んでいる。フェイスブックなどで自分の顔をはっきり見せず、自分のプロフィールもできるだけ隠すのはそういう危険から身を護る行動の顕れである。ツイッターなどで匿名で激しい言葉を使い、何かを攻撃し、自己満足している連中も、表に出て群れを成せば非常に危険な集団になることだろう。群れを成すのは全ての生物が自ら持っている力・自存力の顕れである。集団暴行・テロ行為・新興宗教団体や特定思想団体の集団的な行動・暴力団の行動などはすべて単独ではできないことを群れになって行っていることである。公安当局は彼等をしっかり把握し、暴発しないように制御している筈である。

 政府はそういう危険をできるだけ排除し、理想的な社会を創るため努力している。ここで重要なことは、マスメディアがもっと情報通信に関心をもち、中央政府・地方政府と国民との間のコミュニケーションがもっと活発になるような役割を担うことである。個人或は志を同じくする人々の集団だけでそのような役割を担おうとしても糠に釘のような結果しか得られないが、マスメディアが動けば情報通信に対する人々の関心が深まり、中央政府・地方政府と国民との間のコミュニケーションが活発になるに違いない。

 英語を流ちょうに話し、金儲けに走る連中が既に引き起こしつつあるのかもしれない貧富の拡大は、中央政府・地方政府と国民との間のコミュニケーションが活発になることによって防ぐことが出来る筈である。国民の大多数が一部の政治家・識者・ジャーナリストたちの発言に惑わされることなく物事の善悪を判断し、最大多数の最大幸福を目指して自ら行動するならば、貧富の差も適度に保たれ、人々の安全が保たれ、国家の平和と繁栄が保たれるに違いない。