2017年8月5日土曜日

20170805『古事記』の‘海幸彦’は‘黒潮の民’?


 10歳の孫息子が我が家に来ている。男と女房はその孫息子を三菱みなとみらい技術館に連れて行った。其処には地球深部探査船「ちきゅう」のことを説明するパネルが紹介されている。男はそのパネルに書かれていることについて孫息子に話して聞かせた。地球深部探査船「ちきゅう」は巨大地震発生の仕組みや新たな海底資源を解明するため造られた地球深部探査船である。しかし孫息子がどれほどその船のことを理解したかどうか分からない。

 三菱みなとみらい技術館では、宇宙空間で太陽光発電を行い、そのエネルギーをマイクロウエーブで地表に送るシステムについても紹介されている。そのマイクロウエーブを受信するために必要なアンテナの面積は‘みなとみらい地区’より小さい。しかし安全のためにはかなり広い面積を必要とするだろう。日本列島は広い海に囲まれているのでそのパネルを海上に設置することは可能である。しかしそのシステムは船舶の航行や漁業に影響を与えるので利害について国際的な調整と取り決めが必要になる。

『古事記』に書かれている‘海幸彦’・‘山幸彦’は日本人の遠い先祖の象徴であるに違いない。日本人はこの日本列島で生き残るため懸命に努力をしている。しかし日本はエネルギー資源に恵まれていず、日本のエネルギー自給率は最下位で韓国よりも低い。アメリカ・ロシア・中国の三大国は石油・石炭・ウラン鉱石などの資源に恵まれている。しかしそれらの資源も今後50年から100も経てば枯渇する。

 神話は古代人の記憶が伝承されたものである。この地球が間氷期(interglacial)に入り黒潮の流れが北上したとき、‘海幸彦’はこの日本列島に丸木舟でやってきた人々のことであると想像される。一方、‘山幸彦’は氷河期(glacial)にマンモスを追って北方からやってきた人々のことであると想像される。しかし『古事記』では、‘海幸彦’も‘山幸彦’も‘ニニギノミコト’と‘コノハナサクヤヒメ’の間にできた男の子とされている。

 『古事記』には、速須佐之男命(はやすさのおのみこと)(はは)の國(くに)に罷(まかる)ることを望んだ、と書かれている。彼の母は‘黄泉(よみ)の國(くに)’に居る。速須佐之男命は一般に ‘スサノオノミコト’と呼ばれる。スサノオノミコトの生母は、おそらく7300年前に鹿児島県沖で起きた巨大カルデラ噴火のとき火山灰に埋もれて死んだのだろう。

『古事記』はヤマト言葉に漢字を当てはめて書かれている。ヤマト言葉の基礎は縄文時代の言語にあったと思われる。『古事記』は歴史書ではなく、日本人に歴史観を与えるものである。男は誰か才能ある人が考古学・分子遺伝学・火山学等の知識を基に、縄文人に関する本を書いてくれないかなと思っている。