2017年8月6日日曜日

20170806ヒロシマ“原爆の絵”は語る


 タイトル『“原爆の絵”は語る』はNHKが今日午後放送した番組である。男は女房とともにその番組を視聴した。原爆投下直後の広島の状況の写真は撮られていない。写真は無いが広島で原爆を実際に体験した人たちがその時の状況を絵と文で表現して遺している。その数は4200枚に上る。男と女房はその時の状況をわが身・わが子・わが家族に置き換えて、改めて原爆の悲惨さを感じ取った。戦争を絶対してはならない。原爆を絶対使わせてはならない。男は原爆で命を落とした14万人以上の人々の魂の叫びに耳を傾ける。

 1978年に作られたこの番組では原爆投下で命を落としたB24搭乗員のことが語られていた。占領された沖縄から発進したB-24 LONESOME LADY’号は呉軍港に停泊していた帝国海軍の戦艦「榛名」・重巡洋艦「利根」を攻撃したとき被弾した。搭乗員たちはパラシュートで脱出し、捕虜として収容され、広島で原爆投下に遭い死亡した。但し機長のみ尋問のため東京に送られたので助かっている。この番組の取材班はアメリカ各地を訪れ、搭乗員たちの父親・母親に会っている。取材班はそのB-24 の機長だった教授にも会っている。戦争で愛する家族を失った悲しみは何処でも同じである。戦争は絶対してはならない。

 日本とアメリカは非常に緊密な同盟関係にある。有事に備えて陸上自衛隊とアメリカ海兵隊、海上自衛隊とアメリカ海軍、航空自衛隊とアメリカ空軍は軍事訓練を重ねている。人に性格があるように国家にも性格がある。性格が合わない国家間・価値観が異なる国家間では緊張は絶えない。強い人に対して敬意が払われるように、強い国家に対しても敬意が払われる。軍事は外交の手段である。価値観を共有する日本とアメリカの間の強固な軍事的同盟は価値観・性格が異なる国家に対する非常に強力な外交手段になる。戦争は絶対してはならないが、戦争が出来る国は安全で、平和で、繁栄する。これが現実の真理である。

 ところが軍事に無知な政治家・官僚・学者らや常に反権力的な姿勢を保っているメディアはその現実の真理を認めたがらない。そのような姿勢を保つメディアは自分たちの主張に不都合な事実を隠し、あらゆるレトリックを駆使して一般国民を自分たちの味方につけようとする。民進党の政治家たちは週刊誌のゴシップレベルの情報を事実のように思い込み、そういうメディアと一緒になって政権を攻撃しまくっている。SNS上では民進党に対する批判が多いようである。

 政権交代できる政党が存在しないと言うことは国家にとって不幸である。民進党で右派じみたことを言う政治家も、「野党共闘は戦術である」と言う政治家も、共に理想主義者である。理想主義者は感情に流され、現実を見失いやすい。政治は高い理想を掲げつつ徹底して現実主義的であるべきであり、かつ中庸であるべきである。