2017年8月9日水曜日

20170809老後の友人は宝物


 表題は讀賣新聞の記事にあった見出しである。「・・・(前略)・・・定年のある人にとって恐ろしいのは、趣味のないことではないでしょうか。・・・(中略)・・・老後の友人は宝物。仕事を離れた仲間たちはとても大切です。」、とこの記事は結ばれている。

 男が住んでいるマンションのある老齢の男性が、ある日「毎日何をしていますか?」と真顔で男に聞いて来たことがあった。その方は「毎日することがなくて困っている」とこぼしていた。男は「毎日やることが多くて忙しくしていますよ」と答えたが、世の中にはそういう老齢の男たちもいるのだろうと思った。

 男は昭和28(1953)に中学校を卒業した同窓生の集いを、その中学校の近くにあるホテルで行う計画を進めている。当時卒業生は377名であった。卒業生が80歳を超えるようになった現在、生存しているのは300名程度であろう。男は郷里から遠く離れた都会に住んでいるので、郷里に住んでいる同窓生たちと連絡をとりながらその計画を進めている。男が分担する作業はその集いの案内状の作成である。案内状は往復はがきに印刷する。男はこの齢にしてはパーソナルコンピュータやプリンターの操作が非常に得意である。

 男は携帯電話の契約を「かけ放題」にしているので、通話料金を気にすることなく同窓生たちと電話で連絡をとることができる。同窓生の中から郷里の各校区の幹事を決める。印刷した案内状はその幹事に送り、その幹事からその校区の同窓生に郵送する。同窓生からのその集いに参加するかしないかなどの返事がその幹事に届けられる。後は集いの全般を世話する代表幹事が中心となって計画を実現させる仕組みにしてある。

 女房も郷里の竹馬の友だちとよく連絡を取り合っている。先日女房が撮った数10種類の変化朝顔の各写真を、男は1枚のA4サイズの中に挿入枠を沢山作ってコラージュ形式でまとめてやった。女房はそれを印刷して郷里の友だちに送ってやった。その友達は大変喜んで何度も「ご主人様によろしく伝えて下さい」と言ったそうである。コラージュ形式のその写真は居間に飾られていて、男と女房は食卓に着くたびにそれを目にすることができる。

 老後の友人は正に大きな宝物である。80歳を過ぎた多分これが最後になると思う同窓会で、同窓生同士がお互いに「最後の宝物」を喜び合うことができればよいと思う。その同窓会の時、男も女房も一緒に帰郷し、女房も竹馬の友だちと会えるようにしたい。