2016年7月13日水曜日

20160713安倍首相の笑顔


 家内と二人で半年ぶりに、空き家になっている田舎の家に帰ってきた。熊本地震や大雨で被害が出ているのではないか、屋根瓦が割れたりして雨漏りがしていないかなどと思いながら帰ってきた。玄関を開けると古びた粗末な靴箱の上に飾ってあった木造りの人形が倒れていただけで、ほかは全く被害が無かったのでほっとした。ところが家内が「台所の流しの蛇口が壊れていて、水が上からあふれ出る」と驚いた声で言う。電話帳で水道工事の店を探し状況を説明すると、「凍結したのだと思います。今ちょうど部品が無いので明日朝修理に行きます。蛇口の左右にマイナスねじのところがあるでしょう。とりあえず今夜はそこをその都度開閉して使うようにして下さい」という。

 翌朝早速修理に来てくれて、部品交換をしてくれて問題は解決した。費用は3万円ほどかかった。修理に来てくれた方は「家を空けるとき水道の元栓を閉めた後、蛇口は開いたままにしておいてください。中に水が残っていると凍結して故障する」と教えてくれた。長年そういうことをせずにいてこれまで何ら問題はなかった。しかし今年の冬は格別冷え込んだため、そのような故障が起きた。考えてみれば寒冷地では、水道の元栓を閉めた後、蛇口を開いておくことは常識である。気温が極端に下がったり上がったりする異常気象のせいで、各地で様々な問題が起きている。

 一息ついてテレビのスイッチを入れると参議院選挙の結果のことや都知事選挙の立候補者の話題ばかり出ている。一市井の老人がつらつら思うに、私憤で政治を行っている者や、私憤で都知事選に出ている者や、私憤で学生たちを導こうと思っている大学の先生が居るようだ、ということである。安倍首相と同じぐらいの年代の男たちが、「俺なら安倍以上のことはやれる、安倍に任せていたらこの日本はだめになる」と思い込んでいるようである。「私憤で政治をやって貰いたくない」、と思っている人たちは案外多いのではないか?

 マスメディアには一般大衆がものごとを正しく判断できる材料を提供する義務がある。マスメディアは一般大衆に対して、一方に偏るのでなく、公平・公正に情報を伝える義務がある。一般大衆もマスメディアの報道姿勢に対して、常に厳しい目を持っている必要がある。そう思い、長年購読していた新聞を読売から朝日に変えた。ただし自分自身が偏向しないように、ネットで産経ニュースも読み続ける。

 msnニュースでdotから出ている“安倍晋三首相を「オレ様化」した傲慢(ごうまん)人間だと断じる精神科医の片田珠美さん”の記事が目に留まった。選挙に勝った安倍首相の満身の笑みは、ちょっと気になっていた。世の中にはそういう感想を持った人も多いであろう。上述の私憤ではないかと思われるような人たちにとって、あの安倍首相の笑顔は最も憎らしい笑顔であったに違いない。

 南シナ海を勝手に線で囲んで、其処は2000年来中国の領海であると主張したことは国際司法裁判所で否定された。中国は東シナ海でも同じようなことを主張している。近未来に中国は日本に対して戦争を仕掛けざるを得ないような状況に追い込まれる可能性がある。左翼の人たちには『Newsweek』の特集記事『アジアの地政学』をよく読んで欲しい。特に河東哲夫の『合従連衡の力学を読む』を熟読して欲しい。

 安倍首相の笑顔が左翼の人たちによるポピュリズム扇動に利用されないようにする必要がある。安倍首相より二周りも三周りも下の若い世代の人たちに対して、今世界で起きていることがをよく伝わるようにしなければならぬ。所詮、国家は‘知性ある野獣のような、極めて利己的なもの’である。皆、生き残ろうとして必死である。環境に適合しつつ進化した真に強いものだけが生き残る。これは、一市井の老人の独り言である。