2016年6月24日金曜日

20160624参議院選挙公約(自由民主党と民進党の経済政策)


 自由民主党の選挙公約のうち、「GDP600兆円の実現を目指す」具体策は以下を含む十一項目である。
  「第4次産業革命」の先導国として、人工知能(AI)など新たな成長市場の創出と生産性革命を目指す。
  イノベーションによる生産性向上と働き方改革により、潜在成長率を引き上げるとともに、国民の新たな需要を掘り起こし、また海外の需要を取り込み、デフレ脱却を確実なものとする。
  国家戦略特区の活用など規制改革や行政手続き簡素化などを断行し、わが国を「世界で一番企業が活動しやすい国」にする。

これに対して民進党の選挙公約に関する各メディアの記事は以下のとおりである。(Edgeで検索)

(宮崎日日新聞)
民進党が発表した参院選の公約は重要課題として二つを掲げた。一つ目は経済政策で、安倍政権のアベノミクスは「失敗」だと断じ、格差是正など分配政策を重視する「分配と成長の両立」を打ち出した。二つ目は憲法改正で「戦後日本が育んできた憲法の平和主義を守る」としている。

(2NN  2ちゃんねるニュース速報)
最大の争点と位置付ける憲法改正問題では、「平和主義を脅かす憲法9条改正に反対する」との立場を打ち出した。

〔日経QUICKニュース(NQN)
経済再生策として格差是正のための税制改革の必要性を主張し「金融所得課税の税率を5%引き上げ、高所得者の所得税率も引き上げる」と明記した。また、環太平洋経済連携協定(TPP)については農作物の「重要5項目」の聖域が確保されていないと主張。今回の合意には反対すると明記した。

(毎日新聞)
安倍政権の経済政策「アベノミクス」は失敗したと批判。分配と成長の両立によって日本の潜在能力を引き出すと訴えた。憲法の平和主義を守る姿勢も鮮明にし、改憲を目指す安倍政権との違いを強調した。
 経済政策では、▽義務教育の負担軽減など「人への投資」▽同一価値労働同一賃金など「働き方革命」▽人工知能の研究支援など「成長戦略」−−の3本柱を掲げ、岡田克也代表は記者会見で「分配政策をしっかりやることが持続的成長につながる」と述べた。

 自由民主党と民進党の選挙公約ではっきりしていることは、経済政策に関して民進党は自由民主党がアベノミクス達成のため以前から掲げている「GDP600兆円の実現を目指す」ための11項目の具体策の中から、「同一価値労働同一賃金」「人工知能の研究支援」などの自由民主党が掲げているものと似たような言葉を並べ、アッピールしていることである。

 情報社会の進化と経済成長とは非常に密接な関係があるということである。わが国は光ファイバーサービスの契約の割合や、単位速度当りのブロードバンド料金の低さにおいては世界一であるが、診療所における電子カルテの導入率・校内LANの整備率・電子政府発展指数など公共分野における情報通信技術の利活用の面では世界で、かなり大きな遅れをとっているということである。

経済成長を促す方策について、自由民主党は民進党に比べて相当突っ込んだ検討をしていることが「希望を生み出す強い経済」「科学技術の振興」「ICT社会」など10項目、総数67の具体策で示されている。(下記URLEdgeで検索。)

自民党参議院選挙公約
 https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/manifest/2016sanin2016-06-22.pdf

私は放送大学で分子生物学・進化生物学など生命科学関係を大雑把に学んだあと、「進化する情報社会」という科目を学んでいる。私は、「国家はある種の‘生き物’である」と考えているので、ICT(情報通信技術)の一層の進化とこれの利活用が経済成長のカギを握っていて、それがGDPを押し上げる大きな要素であることは絶対間違いない、と確信している。

経済成長政策について具体的な方策を示さず、ただアベノミクスを批判するだけの民進党は、十分な民意を得ることはできないであろう。ポピュリズムを煽るような野党の言葉には中身がない。野党が政権を取っても、日本国民を決して幸せにはなれないであろう。