2013年3月9日土曜日


自助・共助・公助重視か分配重視か、最大多数の最大幸福とは(20130309

政府の施政方針演説に対する各党の代表質問が始まった。NHKでは予算委員会での質疑の状況を中継している。自由民主党は自助・共助・公助を重視し民主党は所得の分配を重視している。どちらが良いかということについては国民夫々の思想や境遇等により千差万別であろう。民主党は中間層の所得を増やすべきと言う。自由民主党は中間層の所得を増やすべきであるということは当然のことであるが日本はアメリカのように中間層の所得を増やすと敢えて言わなければならないような状況にはないと言う。

自助・共助・公助のバランスをどのようにするかということについては日本国民全体にある「ふわっと」した空気を読むことが重要である。アメリカの株価が史上最高値を更新した結果日本の株価も一時45か月ぶりに12000円代に回復した。このような状況になると「自助」をもっと促進するようにすべきであるという考え方が出てくる。「最大多数の最大幸福を実現する根本の方策」は何か?それは「富の分配」を重視することではない。それは「自助・共助・公助」を重視するとともに「社会的弱者に仁愛の手を差しのべその自助の精神を高める」とともに「努力したものが報われる」ようにすることである。

アメリカは日本のような国民皆保険制度を実現させようとしている。これは「アメリカンドリーム」を実現させて富豪になった人たちの所得を減らすことにつながる。アメリカで日本のような国民皆保険制度が実現するまでには相当な困難が伴うだろう。

TPP参加することによって世界に冠たる国民皆保険制度が崩れることを恐れる人たちがいる。日本では所得の高い人たちが民間の保険によって高度の治療を受ける場合、国民皆保険制度の医療保険の適用を受けることができない。しかし国民皆保険制度だからこそ誰でも日本中どこでも同じ費用でその制度のもと保険が適用される範囲内での高度の医療を受けることができる。しかし民間と公的の両方の医療保険を混合して利用できるような制度になると所得が低いため民間の医療保険に加入することができない人たちは民間保険でしか適用されないような高度の医療を受けることができなくなる可能性が出てくる。
しかし公的な医療保険のため政府が支出する金額には当然上限が定められるべきである。非常に多額な費用がかかるような高度な医療でもすべて公的な医療保険を適用するとなるとその費用の財源となる税金について多額の納税者もそうでない人との間で不公平が生じる。非常に多額な費用がかかるような高度な医療のため政府が支出しない部分については民間の医療保険が適用される仕組みが合理的である。現行の公的医療保険制度のもと社会的弱者にも出来るだけ高度な医療を受けることができるようにしつつ、それ以上高度な医療は個人で加入する民間の医療保険でその費用を賄うような仕組みが理想的である。「最大多数の最大幸福」は自助・共助・公助の適度なバランスのもとに実現されものである。