2009年6月27日土曜日


中血圧(20090627

男の女房は毎朝毎晩自分の血圧を測り、その平均値を出してノートに記録し続けている。ある雨の朝、男も目が覚めて入るがなかなか眠気が抜けない状態であった。何とか起床して居間に行くといつものように女房が血圧を測っている。記録を見ると血圧が少し高い。「少し体を動かして、腕をゆっくり上げ下げして血液の流れをよくしてから測ってみたらどう?」とアドバイスする。男はいつものように女房の肩を両掌で軽く圧したり、揉んだりしてやった。両腕をゆっくり上げ下げしてから再び血圧を測ったら今度は正常になった。血圧は気象条件と密接に関係があるらしい。

男はインターネットで血圧と気象の関係について調べてみた。すると両者には密接な関係があることがわかった。気象と生体の変化を研究する「生気象学」と言う学問があるそうである。高気圧のときは交感神経が昂り、逆に低気圧のときは副交感神経が昂るらしい。男は毎朝気象の前に手の爪を揉むようにしている。薬指の爪を揉むと交感神経になにか影響があるらしく、薬指以外の指の爪を揉むと健康に良いらしい。

100歳を超えてなお元気な男の知人は男の亡父と同年であり、ある東洋医学の宗家である。このお方から「耳の後ろの骨のあたりを揉むと自律神経の働きがよくなる」と教えられた。人間の体は気象状態に大いに影響を受けるので、自律神経がよく働くとうまく環境の変化に対処できるのではないかと思う。

男自身の経験でも、若い時はそのような健康法を考えなくても日々生き生きと過ごすことができるのであるが、齢70を超えてくるとそのような健康法をあれこれ試みながら自分の健康を維持する必要を感じるものである。人間の体は齢75頃になると急に衰えが出てくるらしい。それでも東洋医学的な健康法を実行すればなんとか健康を維持することが出来て、男の知人のお方のように100歳を超えてもそれなりに矍鑠としていられるはずである。

男はコレステロール値が高い。しかし自分の血圧が正常なので高をくくり、これまでそのことをあまり気にして来なかった。年をとると血管の壁面に脂がこびりつくようになり、そうでなくても血管が老化して固くなっているのにその脂のために一層細くなり、収縮が軽快でなくなる。このため心臓から血液を送り出したときそれが一部跳ね返ってきて血圧を上げてしまうのだ。その限度が一定値を超えると何かのトラブルが起きることは間違いない。女房は診断で「あなたの血管は80歳くらいの状態です」と診察の医師に言われたと言う。男は自分の血圧を測っている女房を見て可哀そうになった。

ある日男は女房に勧められて某テレビの健康番組を見た。そのとき「中血圧」というものがあることを初めて知った。最近この中血圧というものが重要であるということが分かってきたらしい。医療機関にはこの中血圧を測る装置が徐々に普及してくるらしい。血圧が正常であってもこの中血圧に問題があれば病気の引き金になるということなので、さすがの男も怖くなった。日ごろ放送大学で健康医学関係の勉強をしている女房は「お父さんがやっと私の言うことを聞いてくれるようになった」と喜んでいる。

女房は塩分摂取量を1日6グラム以下になるように、コレステロール値を高める元凶の卵は2日に1個程度しか食べないようにするなどと、いろいろ注意して食事を作ってくれている。

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