2009年6月10日水曜日


随筆のブログ開始(20090610

72歳である男は今年の3月から詩吟、吟詠、陶芸(英文)、三つのブログを開設していてなにか物足らない気がしている。そこでこのブログを出すことにした。
そもそもこれら三つのブログを始めたのは、自分自身の生きがいのためであった。会社を定年で辞めたあと殆どが男ばかりのあるボランティア団体に入り、その縁で訪問介護関係の団体に関わるようになった。
そこは女ばかりの団体で10万円で買ったヘルパー派遣のソフトウエアを使うことができず、多少パソコンを扱えるいい(?)男が入会を勧誘されたのだ。行ってみると狭い部屋に当時は最新のN社製パソコンとプリンターが置いてあった。
会社を定年で辞めたあと、本当はどこかの会社に再就職することが普通の道であり、男の女房もそれを強く望んでいたが、男は気位が高く、自分勝手なところがあり、失業保険が入ってくるのでいい気になって「働かねばならぬ」という気持ちは微塵もなく、誘われるままにその団体に関わるようになった。男は当時、女房の心底の願望を理解できずにいた。男が女房のことを本当に理解できるようになったのは、70を過ぎた最近のことである。このことについては後日書くことにする。
さて、男がこのブログを出すことにした目的は、他の三つのブログと共通している。それはすなわち生きがいである。男はかねがね自分自身の人生の終わりの時に向って、今為すべきことを為そうとしているのである。
男には最愛の女房との間に二人の男の子がいる。上は45歳、下は42歳、それぞれ早い時期に家庭を持ち、それぞれ子供もいる。それぞれ一流の会社の中堅幹部として、実の親である男が自分で言うのはなんであるが、すこぶる出来もよく、何一つ問題もない。昔、女房がよく言っていたが、まだ若かったのにあの世に行ってしまった女房の知り合いから「Aさんの家は幸せを絵にかいたような家だよ」と、よく言われていたほど、男の家には何一つ問題がない。男の家には贅沢なものは一つもないが、必要なものは全部揃っている。
男は車をとっくの昔放棄し、この間運転免許証も返納した。4LDKのマンションに女房と二人で住んでいて、質素堅持な暮らしながら気楽で平和な日々を送っている。
男は、人生の大事業は、子供をもち、その子供を将来世の中のためになるように真剣に育て上げ、社会に送りだすことであると考えてそのとおり実行し、成功している。男にとって人生の目的は半分達成したようなものである。半分というのは、子や孫にソフトウエア的遺伝子を残す仕事を、これからも自分が死ぬまで続けるからである。
男は自分の家の1000年も前の先祖のことを子たちに伝える『○○A氏家伝書』を書いている。陶芸教室に通い陶芸作品も創って遺している。死支度はいつもやっている。ウエッブアルバムに男と女房の写真をアップロードし、ブログを公開し、子や孫たちがいつでも男の生前を見ることができるようにしている。そのように、いつかは必ず到来する自分の死に向って日々を送ることが男の生きがいになっている。
男は今の幸せが女房によってもたらされていることを深く感謝していて、女房に見られないところで「有難うよ」と合掌したりしている。

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