2010年2月22日月曜日

ブッダ「真理のことば」を学ぶ(31(20100222)

 日本人の起源について講演があって会場には入りきれないほどの聴講者が集まったという。テレビのニュース報道でインタヴューを受けた聴講者の一人が興奮気味に、「これまで我々日本人が方々から渡ってきたということを知らなかった」と話していた。日本人の祖先で東北以北に人々は北方から渡ってきている。またオーストラリアで発見されたキーロー人は日本人の祖先(縄文人)であるという。(関連記事:2009117日土曜日、「日本人の起源とヤマト王権(その1)(20091107)
http://hibikorejitaku.blogspot.jp/2009/11/20091107-newton-5-4-1-4-dna-2000-6800.html

 バンクーバーオリンピックで高橋大輔が銅メダルを獲得した。女子カーリングはイギリスに114という大差で勝ち22敗となった。女子カーリングの選手たちは‘やまとなでしこ’たちである。男子選手たちは‘さむらい’である。そのように特徴づけられる若者たちの何千年も昔の遠い先祖は、あちこちからこの日本列島に辿りついた人々である。

 朗読の会に入っているある女性から、宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」の吟詠をテープに録音して欲しいと頼まれた。この吟詠は昔習ったことがあり、その女性にも一度教えたことがある。今改めて詩吟用の楽器を弾きながら吟じてみると、この齢まで年数を重ねた思いをこめて新たな気分で‘語り’として、思いをこめて吟じることが出来る。

 その詩の中で特に好きな部分は「アラユルコトヲ ジブンヲカンジョウニイレズニ ヨクミキキシ ワカリ ソシテワスレズ」という部分である。この詩の吟詠を何度も繰り返して練習し、気分が乗り、良くできるようになったところでテープに録音し、依頼主のその女性にプレゼントする。詩吟を習いにきている人たちにも、その吟詠を聴いてもらうことが楽しみである。日本には独特の上品な文化がある。詩吟もその一つである。

 この日本列島に辿りついたわれわれの祖先は、混血し、年月を重ね、若者の‘さむらい’と‘やまとなでしこ’に、あるいは男子の着物と女子の着物に観ることができるような、上品な文化を築き上げてきた。日本の文化は世界的にみて特異である。浮沈空母のようなこの日本列島にも過去に何度か近隣の大国から攻め込まれたことがあったが、民族として滅びることもなくこれまで存続してきて、遠い昔から営々と今の日本を作ってきたのだ。メダルを取った選手が肩に掲げる白地に赤い日の丸の旗は、そのすべての象徴である。

 オリンピックで活躍する選手たちにテレビの前で声援を送っている老いた人たちはやがてその生涯を閉じる。選手たちもまた齢を重ねて行く。それが人生である。

第十八章「汚れ」を続ける。

237 汝の生涯は終りに近づいた。汝は、閻魔王の近くにおもむいた。汝には、みちすがら休らう宿もなく、旅の資糧(かて)もない。
238 だから、自己のよりどころをつくれ。すみやかに努めよ。賢明であれ。汚(けが)れをはらい、罪過(つみとが)がなければ、汝はもはや生と老いとに近づかないであろう。