2010年7月20日火曜日

ブッダ『感興のことば』を学ぶ(122) (20100720)

 福岡の宗像にロボット製作会社テムサックという会社があって高本と言う方がその会社を立ち上げ、経営しておられる。遠地に実母の介護で帰省中の奥様(若くして他界)の希望で遠隔地で介護をされる方の様子を携帯電話の画面で確認することができる装置を開発し、ヒット商品になっているという。

 わが国のロボットの販売数は世界で7割を占めているという。介護用ロボットが公道に出る場合国土交通省、介護に関わる仕事をする場合は厚生労働省、電波を使う場合総務省と言う風に縦割り行政の規制があり、許認可が複雑で開発したロボットを市場に出すことができるまで5年や10年かかると言う。

 高本氏のロボットはデンマークから引き合いがあり、高本氏はわが国で規制が厳しいので工場をまるごとデンマークなどに移してしまおうかと考えているという。

 縦割り行政の利権に旧政権はしがみついていた。現政権ではどうか。行政改革でそのような利権構造が解消されることを国民は期待している。みんなの党の渡辺代表の覚悟に国民は期待している。

 男は名誉も地位も金も要らぬから高本氏のような人物のところで何か社会に役立つ仕事ができないかとふと思った。青春とは気持ちの持ちようで会って年齢ではないというようなことをサムエル・ウルマンと言う人が言った。チャレンジすればできないことはない。男はかつて会議福祉関係のNPO法人を立ち上げ、経営の基礎を作り、自らもホームヘルパーやガイドヘルパーの資格もとった。

 しかし、一方で社会に役立つ関わり方について考えた。今男がやっているようなインターネットを通じた関わりと男の子孫への‘体外遺伝子’の引き継ぎのための作業のため男は毎日ある程度の時間とエネルギーを割いている。加齢により免疫力も低下している。決して無理をしてはいけないと思う。

 人生には自分が出来ることと実際にその能力を行動に移すことができることがある。行動に移す優先順位がある。この世に生まれてきた役割がある。前途洋洋の、しかし先が見えないがチャレンジすることに意義がある若い時なら、まだ結婚もせず身軽な時なら失敗も恐れず何でもやれるであろう。その時期は遥か遠くに過ぎ去っている。

 子たちも立派に社会で活躍しており、家族に何一つ心配ごともなく、心豊かな日々を送っている。詩吟や陶芸で多少の創作の喜びもある。現代の先端科学を耳学問的に学びながら、お釈迦様の教えを少しでも広めるため自分にできる範囲の努力はしている。いずれ白骨となる時に向かっていろいろ準備をしている。望むらくは何れの日にか晴耕雨読の暮らしをしながら、自分の最期のときを迎えたいと願望している。

その願望は案外早く実現するかもしれない。

48 生きとし生ける者の死生のすべてを知り、執着なく、よく行きし人、覚った人、かれをわれは(バラモン)という。