2011年2月9日水曜日

武士道(続)(20110209)
 
 昨日は「北方領土の日」であった。北方領土でNHKのロシア人スタッフが北方領土に住む15千人ぐらい(詳細な数字は失念)のロシア人の取材をした。ごつい一人の口ひげをはやした庶民のロシア人は「北方領土はロシア領である」と半ば怒り顔で話していた。

 戦後既に65年を過ぎ、北方領土に住むロシア人たちも2世、3世の時代になろうとしている。北方領土から彼らを追い出すことは、人道に反する。「人類皆兄弟姉妹」だと思えば、彼らが北方領土で安心して暮らしたいと思う気持ちはわかる。一方、終戦後、当時のソ連軍によって、強盗のようなやり方で北方領土を奪われた我々日本人の気持は決して収まることはない。双方の気持ちが満たされるように北方領土の問題を解決する道はないものかと思う。そのような道はきっとある筈である。

 ここで、北方領土の問題に関して「義」と「勇」について考えてみたい。北方領土からロシア人を追い出すことは「義」ではない。また追い出すために暴力をふるうことも「勇」ではない。「人類皆兄弟姉妹」という「仁」の心に、この問題解決の道があると思う。

 昨日、菅総理は「(メドベージェフロシア大統領が)北方領土を訪問したことは許し難い暴挙である」と言った。この発言は、一国の首長に対する「礼」を欠いている。また「智」の片鱗も見られない。悲しいかな、菅総理自身もそうであるが、菅総理のブレーンにも、対抗政党にも、北方領土を取り戻す戦略や戦術があるとは誰にも見受けられない。

 対抗する自民党や公明党などにしかりした「志」があり、「智」があるかと言えば、これもまた大いに疑問である。まして既成政党離れした愛知県や名古屋市や大阪府などの「指導者」にそのような「志」や「智」があるとは思えない。

 最良の方策は、現在の政権の主要メンバーやブレーンやスタッフが、「武書道精神」について学び、教養を高めて、「其処」から出発することである。過ぎ去ったことを重箱の隅をほじくり返し、非難し合うような馬鹿なことに一顧もせず、「其処」から再出発することである。「其処」は常に向上してゆくべき「点」である。これこそが「知行合一」である。

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