2013年2月9日土曜日


「地方分権」と「地域主権」(20130209

 テレビで国会討論を見ていて思い出したことがある。かつて民主党はマニフェストにも書いているとおり「地域主権」という言葉を使っていた。野田政権で衆議院選挙を戦うとき新しいマニフェストが発表されたがそれには「地域主権」という言葉は使われず「国民主権」という言葉が使われていた。今度海江田代表の民主党では相変わらず日教組や労組出身国会議員の声が強いようで、党の「綱領」に相当する部分、すなわち党の理念をどうするかという部分で揉めているようである。

 そもそも日本国家の「主権」に対抗するような日本国内の「主権」などあり得ない。4年前の民主党は「主権」という用語を正確に知っていて「地域主権」を主張していたのか、或いは民主党員の中に「日本国家」のイメージを薄めてシナ(中国)や韓国と同じ屋根の下で経済的繁栄を目指そうとする人たちが多くてそういう表現をしたのか、おそらく両方であろう。だから民主党内では未だに党の理念に相当する部分で揉めているのである。自民党内にも「政道」より「商道」を優先させることが正しいと思っているような政治家たちがいて日中韓FTAを推進しようとしているようである。EUに見習うような「東アジア共同体」は性格が異り価値観も異なる国家同士がお互い「経済的利益」を得ようする打算だけで同じ屋根の下で暮らすようなもので、結局は破綻すること必至である。

 「主権」とは憲法や国際法の中で国家として最高の独立性を表現する概念である。それを誰とは言わないが民主党の幹部など主だった人たちが平然と「地方主権」とか「地方主権」という言葉を使っていた。民主党政権下では「外国人参政権」・「夫婦別称」・「女性宮家」など日本国家の「主権」を揺るがす種を蒔くような法案が準備されていた。しかもそういうことを批判する一個人を「人権侵害」という用語の中に丸め込んで発言を封殺するような法案まで用意されていた。「あなたたちは日本人か?」と言いたい気持であった。

 国会討論で日本維新の会はさすがに「地方主権」という言葉を使わなかった。「地方分権」と言う言葉を使っていた。ただ「国と地方の対等」を求めていた。それは日本国内における自治体の権利が国家によって抑圧されている現状に対する反発から出た言葉であろう。日本維新の会には地方自治体の首長をした人が4人居る。夏の参議院選挙では地方自治体の首長であった人たちが多数立候補し参議院議員のバッジを付けることになるだろう。民主党内で保守的な議員たちは日教組や労組の影響を強く受けている議員たちと袂を分かって日本維新の会や自由民主党に加わった方が当人たちはもとより大多数の日本国民のためにもよいことである。過去3年間、日本国民は大変良い経験をして学習した。明治維新以来日本はいろいろなことを経験したが、それは日本が世界一成熟した理想的な国家になるため必要なことであった。物事は複眼的・多角的・超長期的に観なければならない。