2009年9月5日土曜日

自然エネルギーの推進の鍵(20090905)

BSハイビジョンで自然エネルギー利用への取り組みについて放送があった。男は女房と一緒にそれを視聴した。企業の環境コンサルタントとしてグリーン・テクノロジーを推進しているエネルギー学者・エイモリー・ロビンソンにいろいろ聞くという番組である。
ロビンソン氏は、アメリカ国防総省は2040年には石油に依存しない社会を実現させる計画を推進しており、それが実現すれば中東に軍を派遣しなくてもすむようになると言う。日本への提言として、日本の電力会社が自然エネルギー事業への参入者が自分たちのライバルではなく、むしろ味方であるような施策を講じるべきであるということである。
番組で彼はボランティアとともに作った自然エネルギー利用のエコハウスを紹介していた。面白かったのはガラス窓が三重でしかも空気をためるフィルムを貼ってあるということや、石垣の壁が日中太陽の熱で温まりその熱を屋内に導く仕掛や太陽光を内部が反射する筒で導き照明がわりにしていること、入口のドアは内部が真空になっていて熱を遮断していることなどである。勿論、太陽光発電や太陽熱温水器は利用している。
石油で利益を得ている階層の人たちは、自然エネルギーの利用が広がる結果自分たちの利益が損なわれることが分かれば、ありとあらゆる手段を使って自然エネルギーの推進を妨害することであろう。アメリカ軍は石油を最も多く消費している組織であるそうであるから、脱石油エネルギーを推進する一方で、石油で利益を得ている階層の人たちに対しては別の利益を提供することを考えているに違いない。
男はわが国における自然エネルギーの推進の状況についてインターネットで調べてみた。すると「自然エネルギー推進市民フォーラム」というのがあった。そのフォーラムの主張の内容は「市民主導で自然エネルギーの普及を」とか「電力会社やガス会社にお任せではなく自給自足のエネルギーを」とか「石油を取り合うことのない平和な社会を」などというものである。
男は、もしアメリカや日本などの先進国が中東の石油に全く依存しない自然エネルギー社会を実現することをそれぞれの国家理念として掲げ、その理念実現のためマイルストーン(工程表)を作り、実行していくとしたならば、世界は平和になるのではないかと思う。問題は石油の利権を守ろうとする階層の人たちへの説得である。ロビンソン氏の言うように、その階層の人たちにとって自然エネルギーの利用が利益を生むことが分かれば、説得に応じるであろう。男は、自然エネルギー利用推進は非常に困難であると思う。
国際会議ではCO2削減に消極的な中国も国内では太陽発電を積極的に進めている。人間でも動物でも、植物でも生き残る方向、利益になる方向に動くものである。この「生き残る」と「利益になる」という二つのことは、国のレベルでも個人のレベルでも、また既に石油エネルギーの利権を持っている人たちのレベルでも重要な要素である。
自然エネルギーを利用すれば自分は「生き残る」ことが出来、「利益になる」なるこということが分かれば、人々は必ず行動を起こし、その行動は広がってゆくであろう。「生き残る」という言葉と、「利益になる」という言葉は重要な言葉である。ロビンソン氏はそのことを強調していた。上述の市民フォーラムではこの言葉はなかった。男は、この二つの言葉に自然エネルギー利用推進の鍵があるように思う。

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