2009年9月17日木曜日

コンピュータは便利で厄介(20090917)

 男は朝から居間のコンピュータを操作している。その目的は、居間のコンピュータの動きが最近軽やかでなくなったからである。その原因は、このコンピュータに写真のファイルを沢山記憶させているからである。そこで男はこのコンピュータに記憶させている写真のファイルをDVDに移し替え、コンピュータから一切削除することにしたのである。

 散策して撮ってきた花や風景などの写真を後日見て楽しむことができるようにと、男は写真を整理しラベルを付けてコンピュータに記憶させていた。コンピュータが壊れたときのため、コンピュータに記憶させた写真ファイルはその都度バックアップを取っていた。しかし、そのとき写真の内容別にバックアップのメディアを変えて、コンピュータには女房が花の写真だけを見て楽しめるようにしていた。そのような操作は結構時間がかかるもので、ましてコンピュータの動作が遅くなると一層時間がかかるようになる。そこで、コンピュータに記憶させているものをできるだけ減らし、使いもしないその他のソフトウエアでもともとこのコンピュータにインストールされていたものも削除する必要があった。
その作業が朝食の時間をまたがって継続することになり、男は食事の合間に数十秒以内のことであったが席を立ってコンピュータの操作をした。朝食を用意し食事中の女房は不機嫌になった。無理ものないことである。

 男はちょっとの時間でも惜しむようにしているため、ほんの数十秒以内のことは気に掛けない性分である。男は昔からそうであったが、「・・・しながら」何か別のことを考えたり、行ったりすることが出来る。勿論、集中するときは徹底的に集中することもできる。この特質は男固有のものか、男性一般のものかは分からない。

 ともかく、コンピュータの中から余分なものを一切削除したらコンピュータの動作が速くなったことは確かである。ある社会的調査で、コンピュータを使う人の多くは、検索することに多くの時間を費やしているという。男はなにか調べ物をするときにはよく検索する。男はGoogleが一番早く、最も的確に情報を検索することができるソフトであると思う。
女房がこのコンピュータで一番したいことは、四季折々の花を楽しむことができる場所や公園などへの散策や小旅行を計画するとき、そこまでのアクセスルートや所要時間などを調べることである。男はその都度調べているがその作業を女房は自分でできるようにしたいと思っている。そこでコンピュータの動作が重いということは問題である。

 このコンピュータはVAIOの最新式のコンピュータである。コンピュータは光ケーブルに接続しているので高速であるが、その分ウイルスに侵されやすい。そこで男は最強のセキュリティソフトであると信ずるノートン・インタ-ネット・セキュリティをインストールしている。これがバックグラウンドで動作中は、コンピュータの動作が特に遅くなる。そのためコンピュータの動作を軽くする措置が必要であった。しかし、この作業はコンピュータに詳しいものでないと、朝食の時間中にほんの数十秒以内とはいえ席を立ってコンピュータに向かうというセンスを理解することができないと思う。

 男はコンピュータの動作をより早くするためいろいろやっているうちに削除すべきではないものまで削除してしまったらしい。動作そのものは早くなったが警告のメッセージがでる。その解決にまた時間がかかる。コンピュータは便利であるが厄介なものでもある。