2009年12月13日日曜日

詩吟昇伝審査会(20091213)

 男が東京都のある区のセンターで毎月第2、第4土曜日の夜、主宰・指導している「詩吟を楽しむ会」では、今日(12日)、ある詩吟の流統の高段者に来て頂いて昇伝審査を行った。会のメンバーは審査のことを‘試験’と言っているが、昨年は8名、今年は5名の方が審査を受けて、それぞれ中伝とか中伝準師範に認可された。

 一般に詩吟など稽古事の審査は厳粛な雰囲気を敢えて作りだし、昇段者に免状を与えるとき「許す、何々」と言って「許証」を与える。しかしこの会は地域コミュニティの活動の一つとして運営している会であるので、詩吟が上達したことを認めるという意味で「認可」とし「認可証」を与えている。審査も一応合格基準を定めてあり、「準師範」ともなれば人前で詩吟用楽器を弾きながら詠うことが要求される。中伝の合格の条件は予め指定している絶句1曲、短歌1曲を詩文を見ずに詠うことが条件である。

 そういう状況の中である女性の会員は昨年楽器を弾きながら詠う練習をはじめたのであるが、審査に来てくれた正規の流統の高段者もべた褒めするほど上達していた。正規の流統の会の会員で中伝の「許証」をもらっている人でも、もそれほど上手には出来ない人が多いのが実際であるので、男もその女性はよく勉強してきたと感心している。

 この会で出す「認可証」は全く権威のないものであるが、審査してくれたその高段者の方から一人一人に授与して貰った。それには男の名前と印も押してある。来年は6段とか7段の認可基準を作って皆に挑戦して貰おうと思う。

 この会は平成117月、その区内に住む男の友人たちが協力してくれて立ち上げたもので区の地域活動団体として登録されている。地域活動とは地域のコミュニティの形成に寄与する活動であるから、登録の条件はその地域に住む人が団体構成員の半数以上いること、及び構成員が5名以上いることが条件である。

 男はこの会について宣伝はしていなかったが、区のセンターに掲示されている会議室の利用状況をみて一人の女性が入会してきた。地域活動団体の条件を維持するためには宣伝も必要である。そこで今年は初めての試みとしてそのセンターが毎年行っている発表会に出ようと考えている。たとえ小さな発表会でもメンバーの皆さんにとって人前で吟じるということは刺激になり、詩吟がもっと上手になりたいという刺激にもなるだろう。

 審査が終わって皆で京樽の寿司弁当や果物や菓子などを頂きながら歓談しお開きとした。会の皆から審査のお礼を男とその高段者の方に贈られた。また男にはお歳暮を贈られた。皆の気持ちが嬉しい。男からは今日皆に来年のテキストなどを贈った。また次週は近くの店で忘年会を行うので、上等なワインなどを持て行き皆に味わってもらおうと思う。

 その店のママはあるレコード会社専属の吟詠家であり、ある詩吟の会の連盟の理事もしていた方であるが、今年が最後でその店を閉じることになったそうである。店の看板は「お惣菜の店」である。今回はカラオケも込で特別安い料金でサービスしてくれるという。男は流行歌に親しんでいないので流行りの歌を知らない。今年が最後というのであるから、せめて1曲ぐらい歌えるように練習しておこうと思う。

 光陰矢のごとし、歳月人を待たずである。10年前この会を始めたとき男は62歳だった。あのころは男も声にまだ張りがあった。艶もあった。良寛の『無心』をブログ「吟詠」に出しているが、自分の声が気に入らず何度も入れ替えている。