2009年12月21日月曜日

師走の風景(20091221)

 日中風もなく穏やかな日和であるが気温は低い。低いと言っても地球温暖化の影響なのだろうか以前のような寒さは感じられない。それでも男はこのころ寒い時には防寒用の衣類を着用して外出するように心がけている。若ければ薄着でも「寒いな」と言いながら自然に耐えているところであるが、男は風邪をひいたら馬鹿らしいと思って用心している。

 つい12年前ごろまで男は乾布摩擦などして皮膚表面を鍛えることをよくやっていた。しかし今はそれを全くやらず、毎朝40数度以上の湯で胸や背中などを流すことをやっている。いわゆる加齢臭となる原因物質ノネナールとかいうものを流すためである。この物質は、皮脂腺に溜ったパルミトオレイン酸という物質が過酸化脂質と結びついて産生されるという。このパルミトオレイン酸はマカデミアンナッツに多く含まれているらしい。

 男は以前背中や胸などを石鹸を付けた入浴用タオルでごしごし擦っていた。このやり方は若い人でも皮膚の表面を傷め、皮膚の健康維持上良くないことが判った。そんなことをしなくても、石鹸をスポンジに塗り十分泡立たせて皮膚の表面にその泡を載せて30秒間程度放置しておけば、界面活性作用でその泡が皮脂を取り除いてくれるようである。このやり方であると皮膚の表面を傷めることもない。加齢とともに皮膚の表面は弾力性がなくなり傷が出来やすくなるので、荒っぽいやり方は止した方が利口である。

 男はそんなことを考えながら温水シャワーを浴びて着替えてさっぱりした格好で気温は低いが穏やかな日和の中、散歩に出た。お天気が良くても悪くても毎日5000歩以上は歩こうと思っている。今日は街中を歩き普段着にするハイネックのシャツを買おうとユニクロという衣料の量販店に行った。そしてダブルハイネックのシャツを色違いで2枚買い求めた。価格は11000円である。男は「安い。これもデフレか。」と思った。

 普段あまり混み合っていない店であるのに日曜日のせいか今日はやけに混み合っている。若いカップルがある衣類を手に語り合っている。「これでこの冬を乗り切ろうと思う。」と夫が言い、妻が頷いている姿があった。その様子を見て男は自分が結婚して間もないころのことを思い出した。熊谷のある民家の2階に間借り生活していたころ、女房と二人でたった1足の長靴を買うのにわざわざ深谷まで行ったときのことを。当時その地はあまり開けていず、店も少なかった。長靴は日用雑貨の店に置いてあったと思うが覚えていない。多分あったかもしれないが、より安い物を求めて深谷まで行った。そして価格も満足できる長靴を1足買って二人で6畳一間の間借りの家に帰って行ったのであった。