2009年12月20日日曜日

集団の自存と闘争・・・政党ごとの手法の違い(20091220)
 
 地上のあらゆる生き物は自らの命をつなぎ、存続させようとする。ウイルスさえもである。他の生物を食べ物とする生物はその存続のため自らの存続を脅かそうとする他の生物から身を護り、種の存続を図ろうとする。イワシや小型の渡り鳥などは群れをなすことにより全体を大きく見せ、自らを護り、種の存続を図っている。生き残ることが少ない生き物は子孫をできるだけ多く作り、その成長の過程で非常に多くのものを他の生物に食べられても種が存続できるようにしている。

 人間も生き物である。人間集団も大きな‘生き物’である。そういう意味では一つの国も‘生き物’である。‘生き物’はそれぞれ自らの存続と繁栄を目指している。この度、ようやくCOP15CO2 削減の数値を決めない形で全員参加の合意ができた。これも国々の集団という地球規模の‘大きな生き物’が自らの存続を図ろうとしているためである。

 21世紀に入り、現生人類は2015万年まえアフリカで誕生したことが判ってきた。今生人類は6万年前ごろからユーラシア大陸を初め世界の各地に拡散していったと考えられている。イヴは一人だったというわけではないと言うことである。おそらくあるチンパンジーの集団で突然変異が起こり、2足歩行が上手な一団が生れたのであろう。類人猿と人とは遺伝子が1パーセントしか違っていないという。

 人類は皆兄弟姉妹である。その兄弟姉妹の子孫は世界各地で社会を構成し、それぞれの社会集団がそれぞれ自らの存続のため他の社会集団と衝突したり、結合したりして国というものになっていった。


 世界にはまだ紛争が絶えず、殺し合いがあちこちで起きている。国と国同士の悲惨な争いは徐々に無くなってきつつあるようであるが、完全になくなることはあってもまだまだ数世紀以上も後のことであろう。その一方で、国の垣根を越えた人々の集団が争いを起こしている。テロリストたちはがん細胞の塊のようである。その塊から普通の検査では判らないような小さな細胞が世界中に拡がっている。日本にもアルカーイダのメンバーが潜入したことが後で判明したことがあったが、今でも潜入して秘かに活動をしているかもしれない。中国に本拠を置く蛇頭のメンバーは日本で犯罪を繰り返している。

 このように他者の存続を妨げようとする決して勢力は無くならない。国と国同士仲良くしようと努力が続けられる一方で、軍備の増強は続けられている。核兵器を手にした国はその核兵器を決して手放すことはない。核兵器による防衛の絶大な効果を知っている弱小の国は何としてもその核兵器を手にしようとしている。

 ヨーロッパはイギリスとフランスが核兵器を保有している。そのヨーロッパは一つの国にまとまる道を歩んでいる。EUに大統領が誕生した。日本はアメリカとの同盟関係で核兵器をもたずとも隣接する核保有国に対峙することが出来ている。

 社民党は非武装中立という理念を掲げている政党である。その政党と連立を組まざるを得なかった民主党は普天間基地の問題で苦慮している。民主党はその存続と繁栄を目指して社民党と国民新党両党と連立政権を組んだ。その連立政権は企業よりも個人に重点を置く個人消費の増加により経済の発展を目指している。

 一方旧政権は企業の発展による個人消費の増加を目指し、個人にも目を向けていた。新政権と旧政権とでは日本の存続と繁栄のためどうするかという手法が異なっている。しかしいずれも安全保障という視点を最重要視してはいない。政治家たちに「集団の自存」に関する哲学観がないと男は感じている。