2009年12月14日月曜日

坂の上の雲(20091214)

男はNHKドラマ『坂の上の雲』を女房と一緒に観た。第三回目の今日は日清・日露戦争開戦に至るまでが描かれていた。男は若い頃この本を通勤列車の中で読んだことがあった。その本に書かれていることは男の脳裏にずっと残っていた。
日本は古代からずっと朝鮮半島を意識してきた。これは宿命のようなものである。わが国は島国であるが、もし我が国が弱い国になってしまった場合どういうことが起きるだろうか。わが国の独立と平和は軍事力以外の諸々の力だけでは護れないと男は思う。
考えてみれば人間や動物も同じである。弱肉強食の世界は決してなくならない。国は言ってみれば巨大な‘人間的生き物’のようなものである。生き物は自らの保全のため闘争する宿命を負っている。それが自然の摂理である。現実である。わが国が一つの‘人間的生き物’であるとするならば、その生き物は昔の侍のように腰に氷のような刀を差し、もし己の身に危険が及べばやむなくその氷刀を抜いて身を守らねばならぬ。
人は価値観が違う人とは決して心から仲良くなることはできない。しかし価値観が違っている人から自分に必要な知識や技術などを学ぶことはする。そういう意味での友好関係が無ければ生きて行けない。人は単独では生きてはゆけないのと同様に‘人間的生き物’である国家も他国と友好を保たなければ生きては行けない。
日本にとって唯一価値観を共有できるのはアメリカでありヨーロッパの国々、中でも英国である。そういう国々には日本の文化が良く伝わってゆく。イギリス人が演じる英語の能がロンドンで上演された。男は合気道の師範であり尺八の師範であるフランス人を知っている。彼は日本人の弟子にも合気道や尺八を教えている。
この度民主党幹事長小沢氏は140人もの国会議員を含む600人を引率し、中国の国家主席胡錦濤氏に会い、わが国の国会議員たち一人一人に胡錦濤氏と握手させ、その場面を写真を撮らせ、次期国家主席に予定されているという人に天皇が会うように工作し、日中友好を演出した。内閣総理大臣鳩山氏は小沢氏の言うなりであるように見える。多くの国民は小沢氏が天皇を政治利用したと感じ取っていると男は思う。
日本と中国は友好的にならなくてはならない。そのことに誰も異論は無いと思う。しかし中国の為政者は古代から中華思想を貫いてきており、その思想を決して捨てることはないだろう。鳩山氏が掲げる東アジア共同体構想にしてもその中において中国は存在感を増してゆくだろう。日本は価値観を共有するアメリカと組まない限りその共同体の中で資金や知識や技術を提供しても影が薄いものになるだろう。
男のような市井の一老人でもそのような不安感を抱いているので、政治家、民主党の中にも心ある人士は小沢氏が今回とった行動に眉を顰めている筈である。中国で彼一人大型のリムジンに乗り、600人の被引率者を威圧しているように見る人をして感じさせせる。男は民主党員が旧海軍軍令部員のように‘やましき沈黙’を守るならば、必ずそのつけを払わされることになるだろうと思う。 

0 件のコメント: