2010年4月6日火曜日

ブッダ『感興のことば』を学ぶ(17) (20100406)

ミツバチの社会は、女王ハチ、働きハチ、雄ハチから成るという。働きハチは皆雌である。雄ハチは外出して女王ハチとなる雌を探し、その雌を巡って戦い、戦いに勝ったものが交尾し、交尾を遂げたら死ぬ。しかもその雌は何度も交尾し、そのたびに雄ハチは死んでゆく。それ以外の役立たずの雄ハチは巣から追い出されてしまうという。女王ハチの食物はロイヤルゼリーだけであり、そのおかげで6年間ぐらい長生きするが、その他の雌である働きハチは蜂蜜と花粉だけだそうである。その寿命は1年であるという。

アリの社会では、多くのアリたちの場合、女王アリ、働きアリ、兵隊アリ、雄アリの他、処女女王アリがいるという。ミツバチの場合、侵入者に対しては働きハチがその排除のため戦うのであろうが、アリの社会では兵隊アリというものがいるらしい。

人間の社会では、兵隊アリの役割を軍や警察などが担っている。国と国の間で緊張が走るのは、その軍が外に向かって何か行動を起こす場合である。軍は政府によってコントロールされているが、政府はいちいち細かいところまではコントロールできないし、しない。例えば領海・領空すれすれに行動したり、時には相手の国の警戒範囲内に侵入して相手の出方を探ったりする行動を、その都度コントロールしてはいない。

これを人間の身体に譬えれば、人間の行為について頭脳が判断して行動を起こす場合と、手足が無意識に動く場合があるが、後者の場合、条件反射的に動くものである。条件反射といってもその反射行為が無意識にできるようになるまで訓練が必要である。

軍は条件反射的に行動するように訓練されている。哨戒活動も偵察行動として行う領空・領海侵犯活動も、みなそのような訓練に基づき行われる。

わが国は中国と友好関係にある。その友好を一層深めようとお互いの政府レベルでは真剣な努力が続けられている。軍(わが国は自衛隊)同士でも親善のための交流は続けられている。その一方で、相手に警戒心を起こさせるような軍事行動を続けている。それが現実の世界である。口先だけの善隣友好では、相手から尊重も尊敬もされないのだ。そのことを分かっていない人たちが声を大にして「平和」「平和」と叫ぶ。マスコミはその運動を過大評価して、「○○に何万人の市民が集った。」と報道する。無知な大衆はその報道に扇動される。そこが似非平和主義者たちの付け目である。

わが陸軍(陸上自衛隊)は、中国の脅威に対処し、中国軍の進出を抑止するため、沖縄に一個旅団を新編した。もし沖縄からアメリカ海軍が撤退したならば、わが国は独力でその軍事的空白を埋めなければならない。防衛省はこの一市井の老人の憂いを払拭してくれるように努力していると思う。たとえ政府の中枢がボンクラ頭になったとしても、国の背骨としての軍(自衛隊)は、しっかりやってくれていると思う。

「ブッダ感興のことば」第2章を続ける。
16 愚人は享楽のために害される。しかしこの世で自己を求める人々は害されない。享楽を妄執するがゆえに、愚者は他人をも自分をも害う。