2010年4月18日日曜日

ブッダ『感興のことば』を学ぶ(29) (20100418)

アイスランドの活火山噴火による噴煙で視界が悪くなり、世界中の航空機の運航に非常に大きな支障が生じている。ヨーロッパの多くの空港は閉鎖され、世界規模で人・物・金の移動が出来なくなり、経済活動においても非常に深刻な問題を生じつつある。
歴史を辿れば、1783年のアイスランドのラキ山の噴火が起きたとき、ヨーロッパを中心に農作物の成長に大きな支障を生じ、不作の影響で民衆に不満が広がり、フランス革命が誘発されたという。また、1815年のインドネシアのタンポラ山の噴火のときには地球の平均気温が約3度下がり、翌年欧米では「夏がない」ほど冷え込み、約92千人の死者が出、その死者の9割は餓死だったという。(参考資料:17日読売新聞夕刊「よみうり寸評」)
折しも中国のチベット自治区に隣接し、チベット人が非常に多く住む青海省で阪神淡路大地震級の地震が発生し、中国政府はチベット人たちの反乱を恐れて必死に救援対策を講じている。中国政府は外国からの人的支援を求めていないが、わが国の政府は総額1億円の無償の資金提供を申し出、求められれば直ちに人的支援もできるように準備を行っている。アイスランドの火山噴火による地球規模の深刻な問題に対処するため、わが国の政府の危機管理部門はいろいろ対策を練っていることと思うが、決して抜かりのないように頑張ってもらいたいと思う。
例えば、北朝鮮は気温低下により食料生産量も低下し、いよいよ持ち堪えられなくなり、何万、何10万という飢えた人々が幸せを求めて国外に脱出することがあるかもしれない。中国で政府が抑えきれないような暴動が起きるかもしれない。どこかの国で不信・不安から核ミサイル発射のボタンが押されるかもしれない。テロリストたちがチャンスとばかりに活発に活動するかもしれない。
政府はあらゆる不足の事態に備えてもらいたいと思う。平和ボケしたわれわれ国民が選んだ国会議員たちも、この際真剣に国家・国民の安全保障のことを考えてもらいたいと思う。

さてブッダの「感興のことば」を読み続けているが、第6章「戒め」に入る。
5 明らかな智慧があり、戒めをたもつ人は福徳をつくり、ものをわかちあって、この世でもかの世でも、安楽を達成する。
10 かれは束縛の絆(きずな)が消え失せて、慢心もなくなり、煩悩のさまたげもなく、身体が壊(やぶ)れて死んだあとでも明らかな智慧をたもち、ときほごされて、(迷える人の)部類に入らない。

ここでブッダは「身体が壊(やぶ)れて死んだあと」と言っておられる。このことについてブッダは前世の行いの善悪が今生に及ぶと明確に言っておられる。ブッダは時空を超越した世界を観ることができたのである。しかし現代人は科学的に証明できないことは納得しない。しかしそれは果たして幸せなことであろうか? 否である。

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