2010年4月9日金曜日



ブッダ『感興のことば』を学ぶ(20) (20100409)

 読売新聞の8日付夕刊に『こころ』と題する健康のページがあり、そこに『「仏道式」心の鍛え方』という記事が出ている。書かれている要点を整理すると次のとおりである。
先ず、私たちの「考え」は自分の意思だけで生みだされているのではないということである。私たちの「考え」は自分の脳の勝手な暴走による場合が多いということである。それゆえ、余計な考えを挟まずに現実をありのままに見つめ、目の前のやるべきことをやることが重要であるということである。

 そこでお勧めなのが、余計な一切のことを考えず、ただ自分が呼吸することだけに意識を集中させる練習をすることである。

 その方法とは次のようである。呼吸を鼻で行い、自然に任せる。空気が鼻から入り、のど、気管を通って肺に達し、おなかが膨らむ感覚を丁寧に意識する。吐くときはその逆の方向で観察する。それを繰り返す。この練習を続けると次第に集中力が高まり、身体の感覚が研ぎ澄まされるようになる。

 上達すれば自分の心の微妙な変化や、過去のつらい記憶や感情までをも冷静に観察できるようになるという。自分の感情の変化に気づけば、その都度「怒り、怒り」「欲」「欲」などと念じて自分自身を客観視する。

 この自分の呼吸への集中法は、姿勢さえ正せば家事の合間や通勤電車の車内でも出来る。そのようにして過去の後悔や未来への不安は考えず、「今」をしっかり味わうようにする。以上が「仏道式」心の鍛え方である。

 以前このブログで「腹式呼吸」と「爪もみ」について書いたことがある。(201028日月曜日、ブッダ「真理のことば」を学ぶ(17(20100208)参照。)8日付夕刊の記事では呼吸は鼻で行うように書かれているが、より効果を上げるためには腹式呼吸法の方が良いのではないかと思う。腹式呼吸法を行いながら自分自身の呼吸を良く観察し、一切の雑念を排除するのである。このような練習を積むうちに自分の体調も回復し、体中に気力が漲るようになる。勿論、ストレスも解消し、もしうつ病や不安障害など病気も治ると思う。
昨日に続いて『ブッダ感興のことば』第4章「はげみ」;
9 世俗的であっても、すぐれた正しい見解をもっているならば、その人は千の生涯を経ても、地獄に堕ちることはない。
11 叡智の無い愚かな人々は放逸(わがまま)の状態をつづけている。つとめはげむ人は、常に瞑想し、汚(けが)れの消滅を達成する。
18 愚かな者は、法(のり)から逸脱して、なしてはならぬことを実行して、死魔の支配に屈し、車軸を毀したように悲しむ。
33 起てよ。つとめよ。平安を得るために。ひたすらに学べ。心が落ち着かないこと、放逸、奮起しないこと、わが身を制しないこと、