2010年4月25日日曜日

ブッダ『感興のことば』を学ぶ(36) (20100425)

 男のところに中学時代の同級生Sが埼玉で合唱団を主宰し、自ら指揮をしている演奏会の案内状が送られて来たので東京に住む同じ中学時代の同級生Tと一緒に応援に行った。‘応援’というのは彼女が夫の介護のため演奏活動を止めていてこの度5年ぶりに再開するというので応援するのである。もともと私は合唱にはあまり興味がないからこれまで一度しか行ったことはない。しかしTは彼女から案内状が来るたびに聴きに行っているそうである。Tは中学時代野球部に入っていてピッチャーをしていたが2年のとき合唱部に入ったらしい。私は水泳部に入っていて学校のすぐ近くの川で練習していた。Tとは年賀状でしか繋がっていないが、今回久しぶりに会った。演奏会のあとドトールのコーヒー店の喫煙可の一角で昔話をした。

 演奏された曲目は、荻久保和明の「ミサ曲第3番天使の詩」、プーランク、ツィグラーなどの「AVE MARIA集」などである。席は満員に近い状況であった。演奏は休憩を挟んで第4ステージまで行われ、最後に『天使の詩』などミサ曲が演奏された。私も拍手を打ち続けたが、アンコールは一度で終わらず二度あり、それぞれよく歌い慣れた様子の短い曲が演奏された。これはリラックスしていてなかなか良かったと思う。

 全体的な評価として、30代ぐらいから50代ぐらいまでのようであるメンバーがよく練習して来たと思う。普通の家庭の主婦などアマチュアばかりであろうが、ラテン語やフランス語などの歌詞をよく覚えて上手に歌っていたように見えた。ブローシュアには語学勉強のためオープンカレッジに通ったりネイティヴの講師を雇って個人レッスンを受けたりしたりした苦労話が書かれている。

 勿論アマチュアの域を出ない部分もある。低音部が今少し声量不足である。もし低音部のメンバーが欧米系の女性たちであったらボリューム感があっただろうと思う。また高音部は美しい済んだ声でボリュームはあったが、欲を言えばきりがない。ウイーン少年合唱団のような純粋な、透き通るような声を期待してもそれは無理というものである。

 STも私もそれぞれの父親は同じ師範学校出で、当時の朝鮮で教鞭をとっていた点が共通している。Sも同じ教師の道を選んだらしく、昔の師範学校である地方の大学の学芸学部で学び、さらに東京芸大で学び卒業して、さらに同大学別科でスキルアップをしている。
S20年前数名で合唱団を結成した。Sが主宰・指導・指揮する合唱団は団員であった母親の娘が入団するなどして徐々に規模が大きくなり、Sは今では五つの合唱団を主宰・指導・指揮している。海外の公演にも参加している。ご主人の理解がなければSはこれまで続けてこれなかっただろうと思う。ともあれ、同郷の同じ中学校を出た仲間が73歳の高齢になるにもかかわらずこのように活躍していることは、大変誇りに思うことである。

 ブッダ「感興のことば」第7章は12番までである。第8章「ことば」に入る。

8 善いことばを口に出せ。悪いことばを口に出すな。善いことばを口に出したほうが良い。悪いことばを口に出すと、悩みをもたらす。