2010年4月11日日曜日

ブッダ『感興のことば』を学ぶ(22) (20100411)

 男は放送大学に再入学して本当に16年ぶりに世田谷学習センターの図書館・視聴覚室に入ってみた。受付で学生証を渡し、その代わりに空いているブースの番号札を貰う。どのブースが空いているかはすぐ分かるようになっている。9番のブースの番号札を貰い、受講中の科目の講義を行っているものが録画されているビデオテープを収納ラックから探して、それを手にもち視聴覚室に入り、9番ブースの席に座る。

 第1学期は無理のないように、『生物界の変遷』と『分子生物学』の2科目だけを登録していた。多少わくわくしながらヘッドフォーンを頭にかぶり、ビデオテープを装置に装着する。両隣では来月には73歳になろうとする私よりずっと若い学生が静かに勉強している。この部屋の中では誰一人咳払いなど物音をたてる人はいない。

 画面から流れる映像で先生の講義を聴きながらノートをとる。図表などメモが追い付かず画面が変わってしまう場合はちょっと巻き戻して見る。自宅で勉強するよりはかなり集中して勉強ができる。2時間余り視聴し勉強して知的欲求が満たされ、すがすがしい気分になる。次回は女房と一緒にこの視聴覚室に来て、それぞれ専攻はべつなので科目は違うが一緒に勉強しようと思う。女房は以前から放送大学に再入学して好きな科目をとって勉強を続けている。放送大学は、どこでもいつでも学びたいときに学べるシステムであり、生涯勉強を続けたい者にとってこんな素晴らしい大学は他にないと思う。

 ずっと以前、この放送大学のスタジオがある施設、当時「メディア開発センター」と呼称していた施設を見学したことがある。幾つもあるスタジオで講義の録画をしている状況をガラス越しに見ることができた。とても素晴らしい施設であったという印象が脳裏にある。当時は関東圏に限られていたが、今やこの放送大学は全国規模になり、全国各地に学習センターがある。テレビとラジオで、お茶の間で放送大学の講義を視聴することができる。

 この放送大学の素晴らしさを出来るだけ多くの人々に知らせたいと思う。今の時代、かつて若い時に○○大学を出たからとて、自慢することはできない。過去に何を学び、今何を学んでいるかということが最も重要である。

 夫婦そろって放送大学で学んでいるということはとても素晴らしいことである。共通の価値観、共通の話題が深まる。旅行したときでも、同窓会などで故郷に帰ったときでも、学生証一つあればその地域の学習センターに立ち寄り、視聴覚室で勉強することも学生サロンで寛ぐこともできる。

 今の時代、自分の人生の目標が定まらずもがき苦しんでいる若者が多いが、そのような時には放送大学の門を叩き、知的な環境に自分自身を投入してみると良いと思う。夢窓疎石の『修学』にある「一日の学問千載の宝」である。(関連記事:2009102日金曜日、「夢窓国師の作詞『修学』(20091002)」)

35 奮起(ふるいたて)せよ。なまけてはならぬ。善き行いのことわりを実行せよ。ことわりに従って行う人は、この世でも、あの世でも、安楽に臥す。