2010年11月10日水曜日

国の形(20101110)


  人と国を対比させながら考える。「人格」を定義づける要素として思想、性格、知性、身体、知力、気力、運動能力、武術能力、行儀といったものが考えられる。同様に「国の形」を定義づける要素して、国家としての不変の意志、その意志に基づく発言と行動、総合的国力、軍事力、民度といったものが考えられる。

  「国の形」を外国に対して具体的に表現し、演じる立場にある組織人、つまり「役者」は誰であろうか? それは、内閣総理大臣、内閣官房長官、外務大臣、国防(防衛)大臣及び国家公安委員長の5者ではなかろうか?

  この「役者」たちは、「国としての不変の意志」と「その意志に基づく発言と行動」「総合的国力」の三つを具体的に表現し、演じる役目を負っている政治家である。この「役者」になる政治家は、たとえ政権が代わり、人が代わっても「役」を演じ、表現する基本的な内容は変ってはならない。これら役者たちが演じる内容は始終一貫していて不変でなければならない。そうすれば、これら「役者」たちの「演技」を観る諸外国の人たちは、常に一目おいて畏敬の目、或いは警戒の目でこの国を観るようになるだろう。

  中国は共産党一党独裁のもと始終一貫して「大中華思想」を表現し、隣国がどう思うとお構いなしに勝手に領土の線を引き、我が国に対しては沖縄すらも中国の領土であると公言してはばからない。

    シナは古代から周辺国を獣の名前で呼び、我が国を「東夷」と呼び、天皇を決して「天皇」と呼ばず、「王」と呼んできた。今でも中国人は日本にわざわざ「小」を付けて軽蔑しようとしている。かつて「小中華思想」を抱き、今でも深層心理の底に、自らは決して気付かぬままにそのような思想を持っているに違いない朝鮮半島の人々も、「日本海」を「東海」と主張し、竹島を自国の領土と宣言して実効支配している。対馬さえも彼らの領土であると考えている人たちが多いようである。

  中国は大多数を占める漢族の人々がその深層心理から顕れる「大中華思想」を中国の国力の高まりに乗じて積極的に推し進めようとしている。中国は多民族国家であるが、漢族がその文化を他の民族に強制し、国として一体融合した大中国に成長させようとしている。チベット自治区でもチベット語は教養として存続させるが、学校教育や日常生活すべての面で漢族との同化政策を、警察力を行使してまでも強制的に推進しようとしている。その他の民族が多数住む地域でも同様である。

  我が国では昨年首相に鳩山由紀夫氏が就任して以来、この「国の形」はめちゃめちゃになってしまった。菅直人氏が首相になって過ちに気付き修復を図っているが、国際関係、特に中国やロシアや北朝鮮との関係において問題が一層深刻化してきている。

  中国や韓国・北朝鮮やロシアと日本との間で人々の交流や一衣帯水の経済関係が築かれても、何千年もの間培われてきた深層の心理は、遺伝子学的にもそう簡単に変わることはないだろう。だからこそ「国の形」を表現し、演じる上記「役者」たちにはしっかりしてもらわなければならないのである。「戦略的互恵関係」といっても彼と我とは同床異夢である。「役者」は彼の「戦略」の真意を我は知らなければならない。

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