2010年11月22日月曜日

アメリカ・日本・EU (20101122)


 日本は国土的にはアメリカやEUに比べればとても小さい。しかし世界の中でよく話題になるのは日本とアメリカとEUの科学技術や産業である。

  今日(21日)の読売新聞にX線自由電子レーザー(XFEL)のことが出ていた。XFELは極微の世界をのぞく最強の装置で、理化学研究所播磨研究所(兵庫県佐用町)において間もなく完成するという。

  現在アメリカではXFEL施設が既に動き出しており、欧州では2013年に稼働するという。つまり、アメリカ・日本・EUが極微の世界を観察する装置で今後1個1個の原子をくっきりと調べ、例えば細胞膜のタンパク質の構造や、細胞内外の物資のやりとりの仕組みや、金属の結晶の細か穴に気体の分子が吸いこまれてゆく様子を明らかにしようとしている。

  現在の電子顕微鏡では光の波長より小さいものはよく見ることができない。可視光の波長は数千分の1ミリメートルなので1000万分の1ミリメートルの原子の姿を探ることには適していない。それを波長が約1億分の1ミリメートルのX線を使えば原子の構造を観察することが可能になる。

  XFELはX線を波長が揃ったレーザー光の形にして観察対象物に照射する。レーザー光の発生間隔は10兆分の1以下であるので、超高速で動く分子の反応も把握することができるようになる。

  このXFELが稼働し始めるようになると、タンパク質の異常から生じる病気の原因や、その病気に対する薬の効用の理解が進み、エイズなどの難病の治療に使える発見があるかもしれないという。また空気中に含まれる環境汚染物質を効率よく回収・分解したり、水素を貯蔵したりできる素材の開発に生かせるという。

  昨日新聞か何かで見たが、ある学者が今後の世界は軍事力よりも経済力で覇権を争うようになると言う趣旨のことを言っていた。男はその見解は一見正しいようで間違っていると断じる。一見正しいように見えるから一般国民はその言に惑わされる。

  何故なら、「国家」というものは複雑多様な機能ごと作動する「頭脳集団の組織」が複雑多様に絡み合った超巨大な有機的組織体であるから、軍事を司る組織はそれ独自で発展し、他の「国家」に脅威を与え続けるからである。経済力も科学技術力も同様である。日本から見て友人でもあり「敵」でもある国家群、中国やロシアや北朝鮮は軍事力だけでなく、経済力や科学技術力でも我が国を凌ぐようになりたいと願っていることは間違いない。

  憲法前文にある我が国が「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意」していても、「敵」の「軍事分野の頭脳集団の集合的組織」は、日本の期待をせせら笑って見ているのである。「敵」に「公正と信義」などはない!

  全ては個々の人の遺伝子同士の「有機的集合的組織」は、その国の潜在的意識の中にある。中国人は今でも我が国を軽蔑するとき「小日本人」という。アジア大会で彼らは日本人を熱烈に応援しただろうか?ロシアの外相は北方領土について旧ソ連が何故あのような約束をしたか理解できない」と言っている。「北方の熊」の深層心理は変わらないのだ。男は活発に発言しているリベラリストの政治家や学者たちに、非常に腹が立っている。