2010年11月6日土曜日

親族の写真(20101106)


  男は叔父の葬儀に出るため急いで準備していたとき、肝心の数珠を入れるのを忘れたがデジカメは忘れなかった。そのカメラで撮った多数の写真はデジカメのSDカードに保存されている。しかし保存媒体としてそのSDカード1枚だけでは不安である。そこで男は写真をパソコンのデスクトップと持参したUSBメモリにも保存した。

  男はこの携帯用のノートパソコンに保存した写真を継母に見せてあげた。叔父の葬儀に出ることができなかった継母は、パソコン画面上に拡大した写真を見てとても喜んだ。継母は仏事に出なくてもこの土地のしきたりに見合った金額の香典を出している。叔父の葬儀に男は 継母と弟の分の香典を持って出席した。「とても立派な葬式だったよ」と話して聞かせるだけでは継母もつまらないだろう。パソコンの画面上とは言え、こうして実際に写真を見せてあげると継母は頭の中で自分自身がその葬式に出席していたような気分になると思う。男はそこまで考えてデジカメを持参したわけではないが、写真に写った人に写真を送ってやって喜んでもらおうと単純に考えて写真を撮ったのであった。

  男は沢山撮った写真の中から良いものを厳選してPicasaウエッブアルバムに入れ、写真に写っている方々にそのアルバムにアクセスして貰って見て貰おうと思った。男が横浜に帰るのは1週間先である。横浜に帰ってから写真を現像してそれぞれ送ってあげるが、その前にパソコンを持っている人には今夜にでもそれを見ることができる。勿論葬儀に参加しなかった弟には見せたいと思う。URLを教えられた人にしかその写真は公開されない。

  男は今日午前中温泉に入った。人口1万7000人の山間の盆地にあるこの町には、あちこち天然の温泉が湧き出ている。入浴料300円でかけ流しの温泉を楽しむことができる。このような温泉は老人の家から近いところにもあるが、天気が良いので男は自転車を踏んでちょっと遠いところにある温泉に行った。

    その温泉は12時から入れるが、男はそのことを知らなかったので11時過ぎその温泉に着いた。事務所には誰も居ず、女性が一人で浴場の清掃作業をしていた。「まだ開いていなかったんだね」と老人が言うと、その女性は「ちょっと待って下さい、湯の温度を確かめます」と言って男湯の方に入って行った。やがて出てきて男から百円玉3個受け取った。老人は4畳半ほどもある広い湯船を独占して、ゆったりと温泉を楽しんだ。

    温泉を楽しんで家に帰るとYouTubeで尖閣諸島で中国の漁船が我が国の巡視船にぶつかってきた映像が流れたことが報道されていた。この間国際テロに関する情報収集のデータがネット上に流れた。我が国の情報管理や国益を守る意思はどうなっているのか不安になる。先日ロシア大統領が我が国の北方領土を公式訪問し、その上、そのことに一切触れずに親書を送ってよこした。我が国はなめられているのだ。

    尖閣諸島の領土・領海を守るため、海上保安庁の保安官や海上自衛隊の隊員らは命をかけて我が国の国益を守ろうとして頑張っているのに、あの仙谷官房長官や仙石氏に繰られているかのように見える菅首相は余りにも市民目線でリベラリスト過ぎる。