2010年11月17日水曜日

新幹線車内にて(20101117)

  男は今、博多発新幹線車内でこれを書いている。無線LANでインターネットに接続できるが、その準備をしていないのでそれは出来ない。今回初めてEX-ICを使った。これは予めインターネットで予約・購入しておけば切符の購入なしで改札口でカードをタッチするだけでレシートが出、切符代わりになるものである。

  EX-ICを利用すれんばお得な価格で乗車できるがそれは新幹線区間だけである。男は田舎の駅で博多までの自由席特急・乗車券を買ったが、もし、その時新横浜までトータルの切符を買えば100円安くなるところであった。つまり、EX-IC利用では特急券乗り継ぎの場合の割戻が利かないのである。

  博多駅ではEX-IC用の改札口は別になっている。男はそのことを知らなかったから、改札口の駅事務室でEX-ICカードによりシートを出してもらわなければならなかった。この点JRは不親切、というかJRは顧客の声を聞いて改善すべきである。男はJR東海に一言物申しておこうと思った。

  新幹線に乗って初めて読書する時間が持てた。これまで2週間そんな時間的余裕はなかた。男が持参してきた本と言うのは『改訂版・大東亜解放戦争』(岩間 弘著、創栄出版)上・下巻である。下巻は持参する必要がなかった。上巻を要所要所マーキングし、メモを取りながら読んでいる。この本は日本を取り巻く近現代史が詳しく書かれている。とても良い本である。政治家たちに是非読んでもらいたい本である。

  男の席は先頭車両16号車の中ほど窓際である。博多ではこの車両内はガラ空きだったが、名古屋でかなり人が増えた。博多を出てすぐ先頭車両の先頭の出口にいた車内販売のワゴンがやって来た。男は最初の客として弁当とアイスクリームとコーヒーを買った。お茶は田舎の家で朝食時に作ったお茶をペットボトル2本に詰めて持ってきた。経費節約のためそうした。車内でこれを呑んで見ると自動販売機で買うお茶と味が全く同じようであった。お茶は自宅で詰めて持って来るに限ると思った。

  男は列車のデッキで女房に長電話する。長電話しても家族間は無料である。これはいい。新横浜にはあと1時間半ほどで着く。そこからタクシーにのって2週間ぶりに我が家に帰る。田舎の家を去るとき継母は涙声で「さびしくなる」と言った。これから寒くなり、91歳の年寄りは十分な栄養を取らず、運動量も減ってくると体力が落ちてくることだろう。1か月もしないうちに何か起きなければよいがと思う。

  昨日、継母がデイサービスに行っている間に、男はあの世の亡父に聴かせるべく、仏壇に向かって数曲漢詩を吟じた。田舎の家では窓などを閉め切っていても朗々と吟じる声は外に響いて聞こえたことであろう。コンダクターという専用楽器を弾きながら全く久しぶり吟じた。先週末土曜日、男の代わりに教室で会員に詩吟を教えてくれた女流吟詠家からメールが来て、彼女はインターネットで男の吟詠を聴いて、なるべくそのとおりに教えたという。明日からまた男の普段の暮らしが始まる。