2010年11月16日火曜日

郵便箱の鍵(20101116)

  明日(16日)朝出発して横浜に帰る。こちらに12日間滞在したことになる。そのうち2日間は大分で過ごしたからこちらには賞味10日間である。しかし横浜を発ってから2週間であるので、女房にとっては男が随分長く家を空けたという感じである。女房によれば、近所の人がびっくりしているそうである。

  ときどき海釣りに行っては獲れたての魚を持ってきてくれる近所の方は、男が居ない間に鯛を一匹持ってきてくれたそうである。女房は2日間かけて一人でそれ食べたという。男がいるとき女房は大抵鯛味噌を造ってくれるが、今回男はその味を逃した。

  今日、老母(継母)はデイサービスに行った。老母はデイサービスをいつも楽しみにしている。91歳と言ういい齢をしていてもやはり女、「今日は何を着て行こうか」と思案している。老母はプライドが高く、他人から自分ができるだけ良い恰好をしているところを見て貰いたいのである。

  男は老母がデイサービスに出発したあと、先日老母の妹やその娘、孫、ひ孫たちが訪れて来てくれたとき頂いた野菜の一部を民生委員のIさんにプレゼントするためIさん宅を訪れた。Iさんはこの家のすぐ裏手の通りに住む一人暮らしの80幾つかの男性が、最近詐欺に遭ったという話をしてくれた。

  その男性は多少痴呆なりかけている人だという。町の役場から水道の検査に来たという人が女性と二人連れでその男性のお宅に来て、水道の検査をした結果問題があるから工事が必要であると嘘を言って工事の契約書を取り交わしてしまったという。しかしその男性は思考力が戻ってIさんにそのことを話した。Iさんはすぐ警察に電話を入れた。翌日その二人連れが契約書に基づきお金を受け取りに来ることになっていた。警察は張り込みをし、その詐欺師を逮捕し、契約は破棄させたという。詐欺師はその男性のお宅に上がり、その男性に預金通帳を出させ、預金額を調べたという。契約金はその預金額の範囲内であった。

    Iさん自身その男性のことが気になるものだからいつものように自転車で巡回するふりをしてその男性のお宅の近くを通ったら、軽自動車が一台目立たぬように停まっていて、それが警察の張り込みだと分かったという。

  先月男が横浜にいるとき、老母から「年金の振り込みの通知が来ない、あなた知らんかえ」と電話がかかって来たことがあった。そのとき男はむっとして「そんなことわしが知っているはずがないだろう」と言った。考えてみるにこの家の玄関の脇にある郵便箱には鍵がない。悪意のある誰かよそ者が一人暮らしの老婆の家をマークして年金の状況を調べようとしたかもしれない。2か所からの年金振込通知が2通とも届いていないというのは変である。

    女房はしきりに郵便箱に鍵をかけるようにした方が良いと言っていた。男はIさんからさっきの話を聞いて、郵便箱に小さな南京錠を付けた。鍵は小さいので昔亡父が使っていたキーホルダーに1つ取りつけ老母に渡した。男もスペアを持っている。

    この家の近くにナイトクラブが近くオープンする。入口に「暴力団御断りの店」と書いた紙が張ってある。この町も段々油断できなくなってきたものである。