2010年11月8日月曜日

家事援助(20101108)

  タイトルの「家事援助」は男が継母のために行っている作業のことである。今日(6日)もお天気が良かったので、男は大忙しだった。寝具類を外に干し太陽の光を当てた。その間、継母を入浴させた。湯船には予め太陽熱温水とガス湯沸かし器の温水をたっぷり満たしておいた。継母がその湯を使って自分の頭を洗うことができるようにするためである。

  いつもなら継母はヘルパーさんに頭を洗って貰っており、髪をドライヤーで乾かすのもヘルパーさんにやってもらっていた。女房がいくら口酸っぱく「頭は自分で洗い、洗った後、自分で髪を乾かすように」と言ってもなかなか実行していなかった。しかし今日は男しか手伝いは居ず、いやおうなしに自分のことは自分でやらなければならない。継母は湯船にたっぷり満たされた湯を使い、自分で自分の頭髪を洗った。洗った髪も自分で乾かした。ただ、「シャンプーはどれか」とか「ドライヤーをどう使えばよいか」と言うので、男は継母の教育だと思い、その都度気楽に教えてやった。継母は「あー、やっぱり風呂はいい。今日は自分で頭を洗った。気持ちよかった」と満足げであった。

  継母が自分の頭髪を洗うのを人任せにするようになったのは、圧迫骨折で腰を痛め入院したりしたからである。しかし、筋力も付き、腰が曲がった元気な婆さん並みになった。押し車を押したり、杖を突いたりして気楽に散歩に出かける。継母はもともと頑健な身体であった。それががんを患い、腰を痛め、自立度が極端に低下していた。しかしかかりつけの先生による健康管理と老健でのデイサービスで継母はすっかり回復した。腰が曲がっている以外は普通の年寄りとは変わらない。

  継母が散歩をしている間、男は継母の部屋の清掃を念入りに行った。継母が散歩に出かけるとき老人は「玄関のカギはいつもやっているとおりにするように」と言って、いつも自分で散歩に行くときと全く同じようにさせた。やがて継母は散歩から帰ってきたので男は昼食の準備のため買い物に出かけた。行き先は農協がやっているスーパーである。昼は久しぶりすき焼きを食べさせてやろうと豊後牛を250グラムほど買ってきた。白菜やネギや豆腐や白滝やシメジなど、中に入れる材料も買った。

  継母は普段独りだけのさびしい食事をしている。「おいしい、おいしい」と言いながら沢山食べた。継母は肉類が大好きである。以前、焼き肉をしてやったら「こんなおいしいものは滅多にありつけない」と言いながら沢山食べた。十分な栄養と適度な運動が年寄りの健康の秘訣である。不健康そうな年寄りは大概栄養不足である。

  明日、日曜日男は竹馬の友数人に会うため家を空ける。一泊して翌日役場に行き、老人の曾祖父母の戸籍抄本を取る。以前男がまだ30歳代の頃、叔父に依頼して曾祖父母の戸籍を取り寄せたことがあったが、それをどこかに逸失してしまっていた。それを入手し、わが家の家系のことを書にして遺し、先祖を祭祀するところを造る、これが「あの世」に近くなった男の役目の一つである。亡父は先祖の祭祀について心残りのままあの世に行ったが、男はわが家の直系の長男として亡父の思いを実現させたいと思う。